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冷凍の食品にも栄養はある?食材別の正しい保存方法・期間は?

食材をまとめ買いした時や、食べ物をたくさんいただいた時などは、冷凍することによって通常より長持ちさせることが可能のため、冷凍保存する方がほとんどでしょう。

今回は、栄養を逃さない冷凍の正しい保存方法や、食べきる目安となる保存期間など、食べ物を冷凍するうえで知っておきたいポイントをまとめたので参考にしてください。

食品を冷凍すると、栄養はなくなる?

食品を冷凍すると、栄養はなくなる?

スーパーの冷凍食品売り場には、お弁当に使えるお惣菜を始め、揚げ物やカット野菜、チャーハンやパスタに至るまであらゆる冷凍食品が並んでいます。

共働きの家庭では、冷凍食品のお世話になっている家庭も多いことと思います。

しかし、こうしたスーパーの冷凍食品には、元の食材の栄養は含まれているのでしょうか

また、家庭で余った食材を冷凍させた場合はどうでしょうか。

食品の栄養を維持する「急速冷凍」とは!?

実は、スーパーで売られている冷凍食品は工場で特殊な製法で作られているため、生鮮食品の栄養をほぼ失うことなく保持しています。

というのも、食品は-1℃~-5℃の間に凍っていくものですが、冷凍工場ではこの-1℃~-5℃の間をできる限り短くするように-30℃~40℃で一気に冷凍しているからです。

この特殊な製法のことを「急速凍結」と言います。

一度「急速凍結」された食品は、-18℃以下の状態を維持し続ける限り、約1年間は品質が保証されます。

そのため、ある食材を旬の時期に「急速凍結」しておけば、保存期間1年間はその栄養価を維持できるため、解凍して食べる際、時期によっては同時期の生鮮食品よりも多く栄養を含んでいる場合もあるのです。

家庭の冷凍庫では栄養が失われやすい!?

冷凍食品の栄養を1年間も維持できるのは、あくまでも-18℃以下の状態を常に維持できる場合のみです。

ある実験で、温度別にグリーンピースに含まれるビタミンCの保持率を調べたところ、-18℃で保存したものは約2ヶ月経ってもビタミンCはほぼ減っていませんでした。

ところが、-12℃で保存していると約2ヶ月でビタミンCは10%減り、-7℃では一気に80%減り、-1℃では全くビタミンCが全く無い状態になってしまうことがわかりました。

一般的な家庭にある冷蔵庫の冷凍庫は基本的に-12℃から-18℃を保っていますが、よく開閉されるため庫内の温度が上下しやすく、栄養が失われる速度が早まってしまいます。

そのため、買ってきた冷凍食品の保存期間は2ヶ月~3ヶ月以内とし、この間に食べきるようにしましょう。

家庭で食材を冷凍保存する際のコツとは?

家庭で食材を冷凍保存する際のコツとは?

購入した冷凍食品は2~3ヶ月以内に食べきれれば問題ありませんが、それは工場の特殊製法で「急速凍結」されているからです。

家庭の冷凍庫では特殊製法で冷凍することはできず、「緩慢凍結」によって食材はゆっくり冷やされるため、既製の冷凍食品よりも賞味期限は短くなると考えた方が良いでしょう。

急速冷凍なら味や食感の変化を抑えつつ素早く凍らせることが可能ですが、家庭用の冷蔵庫では食材を凍らせる際に食品の組織や細胞を破壊してしまう他、中身がスカスカしたり、ぐしゃっとした食感に変わってしまう恐れがあります。

では、家庭の冷凍庫でも食材をより美味しく冷凍保存するためには何に注意すべきなのでしょうか。

1.新鮮なうちに素早く冷凍し、早めに食べよう!

時間が経つほど食材は傷むものなので、食材の購入後はできるだけ新鮮なうちに冷凍しましょう。

また、冷凍にかかる時間が長いほどビタミンCなどの栄養は失われていきます。

熱伝導性の良いアルミトレイの上に乗せて冷凍したり、冷凍庫の「強」ボタンや「急速冷凍」ボタンを押したりすることで冷凍にかかる時間を短縮できるので、有効活用していきましょう。

それでも工場の急速凍結には敵わないので、既製の冷凍食品の消費期限が2ヶ月~3ヶ月とすると、家庭で冷凍した食材は、1ヶ月以内には消費した方が無難でしょう。

基本的に、解凍する時期が早ければ早いほど食材の栄養は保持されており、より美味しく食べることができます。

2.小分けすることで冷凍・解凍が時短に!

食材が凍る時間を短くするためには、「薄く小分けにすること」がポイントです。

解凍する際も、時間がかかるとその分栄養が失われ味が落ちてしまうため、薄く小さくすることで冷凍にかかる時間と解凍時間を短縮することは非常に重要と言えます。

基本的にサイズの大きな食材は、そのままの状態で冷凍保存すると冷却に時間がかかる他、解凍時にも電子レンジでの加熱にムラが生じやすくなってしまうため、カットして小分けにしたり、平たく潰してから解凍するなど、冷凍・解凍にかかる時間を短くする工夫をするようにしましょう。

3.酸化や乾燥から食材を守ろう!

食材は、時間の経過とともに水分が抜けて乾燥してしまったり、空気に触れて酸化が進み、味がどんどん落ちてしまいます。

冷凍すると食品に霜が付きますが、冷凍庫内の温度が上がったり下がったりすることで、食品も冷凍と解凍を繰り返します。

その際に、再び凍った水分が霜として食品の表面に付くため、霜がたくさんついている食品程乾燥して風味が落ちてしまっているのです。

逆に、外的要因である乾燥や酸化を防げば味をあまり落とさずに長期間保存することが可能です。

そこで、食材を冷凍する際は、隙間なくラップを巻いたり、ジップロックなどの冷蔵保存用袋で保存したりして乾燥を防止しましょう。

袋に食材を入れる際には、中の空気をできるだけ押し出すようにして密封することで、食材が空気に触れる面積を減らし、酸化や乾燥から食材を守ることができます。

4.下ごしらえをしてから保存する

野菜を冷凍した際に、本来の色に比べて野菜の色があせていると感じたことがある人もいるかと思います。

変色を防いで野菜を冷凍したいなら、野菜を冷凍する前に下茹でをするようにしましょう。

この下茹ではいわゆる「ブランチング」と呼ばれるもので、酸素の働きを止めることができ、色褪せを防止することが可能です。

また、冷凍する食材によっては下茹でだけでなく、解凍した後のことを考えて下処理まで済ませておくと良いでしょう。

冷凍前にカットしておけば、解凍するだけで料理に加えることができるうえに、薄く平たく保存するのにも適しているのでオススメです。

5.ラップではなくアルミホイルを使うのもアリ

食品を保存する際には、ラップを使用する人が多いかと思いますが、実はアルミホイルもかなり優秀なアイテムなのです。

アルミホイルはラップよりも冷気の伝わり方が速いため、急速に冷凍をする手助けをしてくれます。

お肉や魚、野菜など、食品の種類問わずに鮮度を保つなら酸化を防ぐ必要があり、そのためには空気に触れないように保管することが大切です。

食材をアルミホイルでピッタリ包んでからさらにラップで巻くと、空気に触れにくく、鮮度も落ちにくくなります。

アルミホイルとラップの順番は逆でも問題ないため、電子レンジで解凍することを考慮して、ラップで先に包んでからアルミホイルで二重に包むのも良いでしょう。

また、食パンやバケットなら、アルミホイルだけで包んで冷凍し、解凍の際にそのままオーブンで焼けば、焼き立てのような食感を得ることができるのでオススメです。

冷凍する食材ごとに、ラップとアルミホイルの順序を入れ替えたり、使い分けをすると便利でしょう。

食材別のオススメ冷凍保存方法を紹介!

食材別のオススメ冷凍保存方法を紹介!

家庭の冷凍庫では、様々な食材を保存することができますが、食材ごとにふさわしい冷凍方法があります。

ここでは、特に余りやすい食材をピックアップし、冷凍の適切な保存方法と、解凍後の調理のコツを紹介します。

1.お米やパンの冷凍保存方法

冷凍する食材冷凍保存のコツ
ご飯
  • 炊きたてのまま保存した方が美味しく保存できる。
  • 熱々のご飯を一善ずつラップに乗せ、平たく伸ばして包み、粗熱が取れてから保存。
食パン
  • 1枚ずつラップに包み、それをさらにジップロックなどの冷凍保存用袋(以下、袋)に入れる。
  • 食べる際は解凍の必要はなく、いつもより少し長めにトースターで焼くと良い。
  • 凍った食パンをそのままおろし機で削ると、手作りパン粉として使える。

2.お肉の冷凍保存方法

冷凍する食材冷凍保存のコツ
牛肉
  • 一口大に切り、薄く並べて袋に入れて保存。
  • 塩コショウなど下味をつけておけば、少しお肉が足りない時に簡単に足せる。
豚肉
  • こま切れ肉は100gごとなど使いやすい分量で小分けにし、ラップで包み保存。
  • トンカツ用肉は、1枚ずつ重ならないように袋に入れて保存。
  • 衣をつけてから冷凍しても保存できる。
  • ブロック肉は下茹でしてから、ぶつ切りにして保存。(調理の際には煮込み料理の時短につながる。)
鶏肉
  • もも肉は一枚まるごとではなく、一口大に切って袋へ入れて保存。
  • 下味をつけておくと調理の際の時短になる。
  • 解凍する時は味が落ちないよう水気をしっかり切ってから調理すること。
  • むね肉はパサつきがちなので、マヨネーズを塗って袋に入れたり、蒸し鶏にしたりして保存しておくと、解凍しても美味しく食べられる。
ひき肉
  • 薄く伸ばして袋へ入れ、袋の上から菜箸を押し付け、切れ目を入れて保存。
  • 調理の際には、切れ目の所で折ることで少量ずつ使用できる。
加工肉
  • ソーセージは塊のままだと解凍しにくいので、用途別に使いやすいサイズにカットし、袋に入れて保存。
  • ベーコンは薄く伸ばしてラップに包んで保存。

3.魚介類の冷凍保存方法

冷凍する食材冷凍保存のコツ
貝類
  • アサリは塩抜きをした後、よく洗って水気を取り、殻付きのまま重ならないように袋に入れて保存。
  • 食べる際は殻ごと加熱して調理すること。
エビ
  • 殻付きのまま竹串等で背ワタと頭だけ取り、重ならないよう袋へ入れて保存。
魚類
  • 生の状態であれば、内臓と頭を取り、一人分のサイズに切り、袋へ入れて保存。
  • 焼き魚は冷めてからラップで包み、袋へ入れれば保存可能。(乾燥しやすいので、ふりかけやお茶漬けなどにオススメ。)/li>
  • 刺身が余った場合は、漬けダレと共に袋に入れ、解凍後はソテーや揚げ物に。

4.野菜の冷凍保存方法

冷凍する食材冷凍保存のコツ
かぼちゃ
  • 使いきれなかった分を1cm程にスライスして重ならないように袋へ入れて保存。
  • レンジで温め、つぶしてから保存すると、スープやパンに塗って利用できる。
きのこ
  • きのこは水気に弱いので、洗わずにそのまま冷凍すること。
  • 生のまま根元だけ切り落として袋に入れ、ストローで空気を吸ってできるだけ空気が少ない状態で密閉する。
大根
  • 傷みやすいため、新鮮なうちに大根おろしにし、袋に入れ、平らに薄く伸ばすようにして保存。
玉ねぎ
  • みじん切りやくし形切りなど、用途に合わせてカットしておくと、調理の時短に。
  • カットしたものは形ごとに袋に入れて保存。
もやし
  • もやしは非常に傷みやすいため、さっと熱湯にくぐらせて、使いたい分量ごとにラップで包んで保存。
山芋
  • すりおろし、袋に入れて薄く平らに伸ばして保存。
  • 食べる際は自然解凍させ、麺類や汁物、どんぶりなどに使用できる。
蓮根
  • 使いやすい厚さにカットし、変色を防ぐために酢水に5分以上浸してから、さっと熱湯にくぐらせた後、袋に入れて保存。

冷凍に適さない食材とは!?

冷凍に適さない食材とは!?

様々な食材の冷凍方法を紹介してきましたが、実は冷凍に適さない食材もあります。

基本的に水分量が多い食材を冷凍保存すると、解凍した際に水分が出て味が落ちる他、ベチャベチャな食感になってしまうため、水分を多く含む食材を冷凍保存するのはオススメできないのです。

そのため、野菜ならレタス、キャベツ、キュウリ、じゃがいもなどの冷凍保存は避けた方が良いでしょう。

ただし、大根はカットして電子レンジで加熱、もしくは下茹でしてから保存、じゃかいもはマッシュにしてから冷凍といったように、下ごしらえをしてからの冷凍保存なら問題ありません。

また、マヨネーズや牛乳、チーズといった油分が多めの食品は、冷凍した際に水分と油分が分離し、解凍しても元に戻らなくなってしまうので要注意です。

以下のような食材は冷凍には向いていないことを覚えておくと良いでしょう。

冷凍での保存に適していない食材

水分の多いもの
レタス、キュウリ、じゃがいも、大根、うに、生しらす、こんにゃく、豆腐など
繊維の多すぎるもの
たけのこ、山菜類、ごぼう、寒天など
油分の多いもの
牛乳、マヨネーズ、生クリーム、サラダ油、オリーブ油など

また、一度解凍された食材は常温やそれ以上の温度に戻されているため、さらに冷凍すると栄養が失われ、味も落ちてしまいます

一旦解凍してしたものは、その日のうちに食べきるようにしましょう。

冷凍保存の向き・不向きを把握して、食材を美味しく保存しよう!

冷凍保存の向き・不向きを把握して、食材を美味しく保存しよう!

賞味期限を延ばせるため、食材を冷凍するのは便利な保存方法ですが、どんな食材にも使えるわけではありません。

食材を冷凍する際には、冷凍で保存しても食感や味わいが落ちにくい食材かどうかを調べてから実践すると良いでしょう。

また、食材を小分けにしたり下ごしらえをしてから保存をするのもポイントです。

一度解凍された食材は常温やそれ以上の温度に戻されているため、さらに冷凍すると栄養が失われ、味も落ちてしまいます。

一旦解凍してしたものは、その日のうちに食べきるように心掛けましょう。