頭が痛い時、すぐに痛みを取り除いて楽にしてくれる頭痛薬。
その成分には様々な種類があり、特徴によって使い分けることで、より効果的に頭痛へアプローチをします。
今回は頭痛薬の種類や違いについて着目し、選び方をまとめてみました。
頭痛薬には「効く頭痛」と「効かない頭痛」があった!
頭痛は一見どれも同じように思えるかもしれませんが、頭痛の種類は一般的に二種類に分けられ、どのタイプの頭痛なのかを知ることで適切な薬を選ぶ事が出来ます。
タイプを特定する必要があるのは、頭痛の種類によって、市販の頭痛薬では効果が得られない場合があるためで、意外とタイプの見極めは重要になってきます。
原因を特定するのが難しい頭痛ですが、自分がどのタイプの頭痛に当てはまるのか、まずはタイプを把握することから始めて、効果的な対策を講じるようにしていきましょう。
片頭痛に市販の頭痛薬は効果なし?
片頭痛は、月・週に数回、こめかみにドクドクと脈をうつような痛みを覚えるものです。
痛みが強くなると、吐き気や嘔吐を起こすこともあります。
血管が膨張することが原因で、男性よりも女性に症例が多いのが特徴です。
疲れ・緊張といったストレス、生理でのホルモンバランスの変化、アルコールやチョコレートのような血流を促す食品の摂取で引き起こされます。
じつは、市販されている一般用医薬品に片頭痛の適用はないので、医療機関で処方される薬で対応する必要があります。
市販の頭痛薬に頼るのではなく、医療機関を受診して、医師に相談するようにしましょう。
緊張型頭痛には市販の頭痛薬が効果的
頭痛の多くは緊張型頭痛だといわれており、頭が締め付けられるような痛みが起きます。
片頭痛とは違い、血行が滞ることが原因で、筋肉の緊張や自律神経のバランスが乱れることで頭痛が引き起こされます。
首こり・肩こりを伴うことが多く、目の疲れ、全身にだるさを感じることもあります。
市販の頭痛薬は、この緊張型頭痛に対応したものとして販売されています。
市販の頭痛薬で効果を感じられない場合は、片頭痛の可能性もありますので、医療機関を受診しましょう。
頭痛薬の成分によって種類を使い分けよう!
薬局に行くと豊富な頭痛薬が揃っており、どれを選べばいいかのか分からないですよね。
頭痛薬の種類によって成分が違うので、どの製品にどんな成分が配合されているのかを確認するようにしましょう。
成分の役割を知れば、あなたに合う頭痛薬を見付けられる様になり、プライベートや仕事といった場面に合わせて使い分けることもできるはずです。
市販の頭痛薬の構成を紹介して、それぞれについて、詳しく解説していきますので、ぜひご購入の参考になさってください。
解熱鎮痛剤
痛みの原因を抑える成分となり、市販されている頭痛薬の中で特に多い種類です。
解熱鎮痛剤にも様々な種類があるので、1つずつご紹介します。
イブプロフェン・ロキソプロフェン
炎症を伴う痛みに有効で、イブプロフェンが配合された「イブ」シリーズや「バファリンプレミアム」、ロキソプロフェンが配合された「ロキソニンS」などの市販薬が有名です。
胃腸への負担が大きいため、胃を保護する成分も一緒に配合されている薬を選ぶか、粘膜保護の働きを持つ胃薬と一緒に服用するのがおすすめです。
医療薬だった成分ですが、近年では法改正に伴い、市販で購入できるようになりました。
セルフメディケーション税制の対象となっている頭痛薬も多いため、控除が気になる方は「薬を買ってお金が戻る!?セルフメディケーション税制と医療費控除のハナシ」も併せてご覧ください。
アセトアミノフェン
胃腸障害が起きづらく、安全性が高いのが特徴となります。
作用が穏やかなため、風邪をはじめ、腰痛・生理痛・関節痛など幅広い場面で使われます。
「タイレノール」や「ノーシン」といった市販薬が有名ですが、作用の強い頭痛薬では、上記のイブプロフェンなどと併せて配合されている種類も多くあります。
アスピリン(アセチルサリチル酸)
「バファリンA」「バイエルアスピリン」などの頭痛薬に含まれ、解熱・鎮痛・消炎と幅広く配合される成分で、血液を固まりづらくする作用もあります。
頭痛をはじめ、関節リウマチ・筋肉痛・打撲・歯痛などに用いられていることが多いです。
胃痛・便秘などの副作用を起こすことがあるため、胃腸が弱いなら避けるべき成分といえます。
エテンザミド
アスピリンよりは胃腸への負担が少ないため、胃腸が弱いなら、エテンザミドが配合された頭痛薬がおすすめです。
痛みを伝わりにくくする作用があり、「ナロンエース」や「新セデス」の様にイブプロフェンやアセトアミノフェンと併用されている種類も多くあります。
ただし、あくまでもアスピリンよりも胃腸への負担が少ないだけで、胃腸への副作用はないとは限りませんので、用法用量を守って服用してください。
イソプロピルアンチピリン
ピリン系と呼ばれる鎮痛成分で、炎症を抑える力は弱めですが、脳内で痛みをブロックする作用が強いと言われています。
配合されている市販の頭痛薬はそれほど多くありませんが、「セデス・ハイ」や「サリドンA」などに含まれています。
ピリン系製剤はアレルギー症状の原因となる可能性がありますので、服用後にかゆみ、発心等のアレルギー症状が表れるようなら、すぐに服用するのを止めましょう。
催眠鎮痛剤
主にプロムワレリル尿素やアリルイソプロピルアセチル尿素などの成分が該当し、「ロキソニンSプレミアム」や「イブA」「バファリンプレミアム」「新セデス」など、様々な薬に配合されています。
解熱鎮痛剤とは異なり、痛みに対する反応を鈍らせ、鎮痛剤の効果を高くする役割があります。
頭痛薬を服用すると眠くなるという印象がありますが、眠気の原因は催眠鎮痛剤の効果のため、眠くなってしまうのを避けたいのであれば、催眠鎮痛剤が配合されていない頭痛薬を選ぶようにしましょう。
しかし、頭痛を抑える効果は高いため、場面によって使い分けることをおすすめします。
生薬
主にシャクヤクの成分が該当して、漢方薬に用いられることが多いです。
筋肉を緩和させ、血管を正常化するので、緊張型頭痛の症状には適切な薬です。
制酸剤と同じように胃腸の負担を軽減する役割があり、さらに生薬のみでも鎮痛作用があります。
シャクヤクが配合されている市販の頭痛薬は、「ハッキリエースa」「恵快ACE」「葛根湯」などがあります。
漢方は副作用・注意点も特になく、安心して服用できる成分なので、「あまり薬を飲みたくない」「体に優しい成分が良い」という方にピッタリです。
その他の成分
制酸剤
主に、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロサルタイト、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどの成分のことで、鎮痛剤による胃への負担を軽減する役割があります。
胃腸が弱い方であれば、積極的に制酸剤が配合された頭痛薬を選ぶのがおすすめです。
頭痛が治まっても、胃が荒れて気持ち悪くなってしまうと、頭痛薬を服用した意味も半減してしまいますから、もし頭痛薬が鎮静剤のみの成分の場合は制酸剤となる胃腸薬も合せて服用してください。
カフェイン
頭痛薬には薬の効果を高めたり、眠気や疲労を取るために、コーヒーでもお馴染みのカフェインが含まれているものも多くあります。
頭痛がひどくて、これから横になって休もうとしているなら、カフェインのような覚醒作用がある成分は避けた方が良いでしょう。
逆に仕事中で眠気がくると困るようなら、カフェインの入った頭痛薬の方が向いています。
ただし、カフェインが配合されているからと言って、頭痛薬服用後にコーヒーなどをたくさん飲んだり、眠気覚ましのカフェイン入り栄養剤を摂取してしまうと、カフェイン過剰摂取となってしまうため注意が必要です。