近年、政府は「働き方改革」という名のもと、副業を推進しています。
そのため、副業を希望する人は年々増えていると言われています。
しかし、会社員は税金などは給与天引きなので、確定申告もあまりしたことがない人が多いですよね。
その場合、副業をしたらどのように税金がかかるのか、そしてどうしたら損しないのか、というのがあまりわからずにいる人も多いです。
今回は、副業にかかる税金や確定申告の方法などをご案内します。
副業にはどんな種類があるの?副業の定義って?
そもそも、副業とはどういうものを指すのかを理解しておく必要があります。
一般的には、本業とは別に収入を得る仕事を「副業」と呼び、そこに決まった定義があるわけではありません。
そのため、例えば趣味のハンドメイドやイラストで収入を得た、という場合でも立派な副業とみなされます。
そうすると、金額に関わらず収入としての申告が必要な場合があるので要注意です。
また、収入にも色々な分類があり、その分類によっても申告方法が異なることもあるので、一度種類別に見ておきましょう。
例えば、ハンドメイド品をフリマアプリで販売したり、ブログなどのアフィリエイトで収入を得るのは「雑所得」に分類されます。
最近有名なクラウドソーシングでの収入も、同じく雑所得となります。
もし、一定の金額を得ていれば、「趣味だから」「ほんの少しだから」という考え方では通用しません。
いわゆる脱税と言われてしまっても文句は言えないということです。
副業には、他にもアルバイトやパートとしてダブルワークしている人もいるでしょう。
その場合は「給与所得」に分類されます。
自分で事業を起こしている場合には「事業所得」ですし、不動産などの収入であれば「不動産所得」に分類されます。
どの分野であっても、収入を得た時点で何らかの所得になっているということですね。
副業にかかる税金の種類は複雑?どうやって課税・非課税を判断すればいい?
では、副業で収入を得た場合には、どのような課税がなされるのでしょうか。
一般的に、収入には所得税と住民税がかかるという認識があると思いますが、副業の場合でも同じです。
金額によって違いはありますが、基本的には税金がかかる場合がある、ということをきちんと認識している必要があります。
副業にかかる所得税って?いくらから課税される?
まず、所得税から詳しく見ていくと、収入ないし所得の金額によって変わってきます。
また、「給与」なのかそれ以外なのかによっても計算方法が違うので、要注意です。
例えば、副業としてアルバイトやパートを行い、「給与」として支払われた収入があったとします。
その場合は、年間20万円以上の収入があれば課税され、それ以下であれば非課税となります。
「収入」ですので、支払われた金額が20万円を超えた時点で税金がかかるということになります。
また、雑所得や事業所得として収入を得た場合にも、年間の所得が20万円以上であれば課税され、それ以下であれば非課税となります。
しかしこの場合は「所得」ですので、実際の収入から経費を引いた金額が20万円以上か以下かどうかで課税の要否が変わってきます。
副業にかかる住民税はいくらから課税される?
では、次に副業にかかる住民税についてご説明します。
住民税は、実は金額に関わらず収入があった時点で課税されます。
所得税が課税されないからといって、「住民税も支払わなくていい」というわけではないので要注意です。
つまり、住民税は必ず申告刷る必要がある、ということを頭に入れておく必要があります。
所得税や住民税はどうやって支払うの?
では、これらの税金はどのように支払えばいいのか、というと、収入や所得が20万円以上の場合は確定申告をすることで両方とも課税されます。
もし、20万円以下であれば市区町村の役所で住民税の申告を行う必要がありますが、こちらも申告の時期は確定申告と同じです。
本来、本業が給与収入の場合は毎月給与から天引きされているのですが、副業分は別途確定申告をする必要があるので、忘れないようにしておきましょう。
実は他にも税金はかかっていた!
もし所得税を支払う場合には、実はさらにそこから「復興特別所得税」が加算されます。
これは所得税額の2.1%が加算されますので、金額にするとそこまで高額ではないかもしれません。
しかし、数百円でも税金として引かれる場合がある、ということを知っておく必要があります。
せっかく副業で稼いだお金ですので、きちんと引かれる税金は把握しておきたいですよね。
できれば税金は節税したい!副業をする際の税金対策が知りたい
ここまで、税金の課税非課税について説明してきましたが、実は確定申告は課税されるからするもの、というわけではありません。
税金を払うために確定申告するのには少し抵抗がある、という気持ちもわかりますが、実は節税になる可能性もあるのです。
アルバイトで収入を得たら確定申告すべき!
例えば副業としてアルバイトを行っていた場合、源泉徴収額が本業の給与と比べると多めに天引きされている可能性が高いです。
そのため確定申告をすることで、一部源泉徴収税額が戻ってくる可能性があります。
20万円以下だから、とそのままにしておくと余分に天引きされたままになっているかもしれません。
雑所得や事業所得などの場合でも経費の計上が鍵
また、その他の雑所得などの場合でも、経費の計上をきちんと行うことで節税が可能です。
副業の種類によっては、経費として計上できるものがかなりあります。
例えば、ブログなどでアフィリエイトサイトを運営した場合は、サイト作成のために利用したインターネット通信費や電気代、自宅で行っている場合には自宅の家賃の一部も経費として認められます。
その他にも、ハンドメイド品を販売している場合には、材料費などが計上できます。
発送の費用や、何らかの理由で出張した場合などは交通費などが計上できるのですが、どれもきちんと日付や金額などがわかる書類が必須です。
領収書やレシート、クレジットの利用明細などはきちんと保管しておきましょう。
また、家賃や電気代などは割合を出すのが難しいのですが、多めに計上してしまうと違法行為になります。
また、私用と仕事用とが曖昧な線引もよくありません。
きちんと、クリアな経費を計上する必要があります。
もし万が一経緯の金額がおかしいと調査された場合には、おそらくすぐに不正はばれますので、きちんと明細を残し、記録を残す癖をつけることをお勧めします。
確定申告の方法はどうすればいい?
では、実際に確定申告をする場合にどのような準備をすればいいのか、説明します。
まず、必要な書類は下記のものです。
- 確定申告書
- 本業の源泉徴収票
- 所得内訳がわかる書類(請求書や支払調書)
- 所得控除に必要なもの(生命保険や医療費の控除を受ける場合)
手続きの方法は、郵送や持参などの紙で用意する場合と、e-Taxを利用した方法の二種類があります。
もしマイナンバーカードを持っており、e-Taxが利用できる環境の場合は、確定申告書などの紙媒体は必要なく、パソコンなどからオンラインで確定申告ができるので、便利です。
また、郵送や持参をする場合にも、確定申告書は国税庁のHPで作成することが可能です。
紙面で申告をしたいという場合は、印刷した確定申告書の添付書類台紙に、源泉徴収票や控除の証明書などを貼り、税務署へ提出すれば完了です。
この作成得した申告書を印刷するか、そのままオンラインで提出するかの違いなのですが、印刷する手間などを考えると、e-Taxは便利です。
確定申告の期間は2月中旬から3月中旬ですが、税務署はこの時期混雑しますので、郵送での手続きをお勧めします。
やり始めればあっという間に準備できるのですが、レシートなどを日々整理していないと、その準備に時間がかかってしまいます。
できるだけ、経費の計上を行うことを頭に入れて、日々レシートなどを整理しておくのが、すぐに確定申告を終えるポイントになりそうですね。
損するかも?副業だからと放っておかないで!
ここまで見てきたように、本業とは別の何かで収入を得た場合には、そこに税金がかかってきます。
税金の種類によっては金額に左右されますが、確定申告は行う方がメリットがある場合が多そうです。
普段の収入に、数万円でも余裕ができれば、美味しい食事や楽しい余暇を過ごすことができますよね。
ぜひ、副業を行う場合にも賢く損をしないようにしてください!