運動をしても、食事制限をしてもなかなか痩せられない・・・そんな悩みを持っている人は意外と多いものです。
しかも、仕事をしながら運動や食事管理をきちんと行うというのもなかなか難しいので、途中で断念してしまう人も多いですよね。
そんな中、最近では簡単なダイエットの方法として“漢方”が注目されています。
今回は漢方によるダイエットの正しい始め方や注意点をまとめていきます。
漢方は体質改善が得意!
漢方薬は、複数の生薬を組み合わせて作る薬のことをいいます。
そのため、本来は人それぞれに合った漢方を処方してもらう必要があります。
しかも、漢方は病気を治すというよりは体のバランスを整えることで改善させていく、という考え方なので、飲めばすぐに治るというものでもありません。
つまり、ダイエットにおいても漢方を飲めば体重がどんどん減っていく、というわけではないので要注意です。
では、どうして漢方がダイエットに良いとされるかというと、体の根本から体質を改善できるからです。
簡単に言えば、痩せやすい体を作っていくことができます。
例えば、便秘が解消するだけでも体重が落ちると良く言われますが、漢方の体質改善で排泄をスムーズにすることができます。
そうすることで、体の中から調子が整っていきますので、代謝が自然と上がり、体内の自然治癒力が上がっていくことで、健康的な体になっていきます。
代謝が上がるということは、すなわちダイエット効果も得られるということになりますので、この体質改善が結果的に「漢方はダイエットに効く」と言われる所以となります。
漢方を取り入れるために知っておくべき3つの体質
漢方は、人間の中にある「気・血・水」の流れを整えるというのが根本的な考え方です。
この流れを整えることで、体質を改善していくことができます。
しかし、一人ひとり体の作りが違うように、体に合う漢方も違ってきます。
つまり、「特定の漢方を飲めば痩せる」という簡単なものではありません。
ただし、だいたいの体質を3つのタイプに分けることができます。
どれも当てはまる、という人もいると思いますが、一番身に覚えがあるな、と思う項目が多いものを選びます。
早速、自分がどれに当てはまるのかを簡単にチェックしてみましょう。
漢方的体質チェック
気太り体質 |
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瘀血(おけつ)太り体質 |
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水太り体質 |
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体質別に見るおすすめ漢方はこれ!
タイプごとに特徴があるので、その特徴に効く漢方を取り入れることで、より効果的に体質を改善させることができます。
ここからは、もう少し詳しくタイプ別に解説していきます。
気太り体質:消化器系をいたわって!
食欲旺盛な気太り体質の場合は、やはりカロリーのとりすぎが体重増加の大きな原因の一つです。
さらに便秘しがちなタイプなので、水分をこまめにとり、適度な運動をするのが一般的なダイエット方法です。
また、ストレスが体の不調を引き起こしているタイプなので、ストレス解消のためにリフレッシュすることも大切です。
消化器などの機能がうまく働いていないため、身体の中に悪いものを蓄積しやすい体質なので、消化器系の機能を整えるタイプの漢方がおすすめです。
例えば、木香、党参、砂仁といった漢方などがよく使われます。
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)などは、便通改善の効果が見られるのでぴったりですね。
瘀血太り体質:老廃物を溜め込みがち
漢方では「血」の流れが滞ることを「瘀血(おけつ)」と呼びます。
女性に多く、身体の隅々まできちんと流れていないため、冷え性になりがちです。
また、栄養がうまく運ばれず、体内でエネルギーを十分に使い切れないので、老廃物を溜め込みやすいタイプです。
この老廃物が溜め込まれることで脂肪が増え、太りやすくなってしまいます。
簡単に言えば、血の流れをきちんと整えてあげることで、体質の改善が見込まれ、ダイエット効果を得られる可能性があるという事です。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、瘀血タイプの方におすすめされることが多くなっています。
水太り体質:実は水分を控えてはダメ!
漢方で「水」というと、汗やリンパ液といった血液以外の液体をさします。
これらが滞ることで、むくみやすくなったりしてしまいます。
このタイプの方は、食事を制限しても実はあまり意味がなく、体のめぐりを良くして身体の中に溜まった老廃物をしっかりと流していく必要があります。
むくみやすいからと水分を控えてしまうと、逆に老廃物を流すことができずに溜め込んでしまいますので、要注意です。
下半身だけが太い方の多くがこの水太り体質に当てはまります。
余分なものを溜め込まないように内臓機能を高める漢方がおすすめです。
例えば、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)は、むくみに効く漢方です。
余分な水分を排出してくれるので、水太りのような状態を改善させてくれます。
漢方は「体に合っているか」が一番大事!
ここまで色々とご紹介してきましたが、やはり自分の体に合った漢方を使うことが一番の近道です。
市販でも漢方は購入可能ですが、できるなら漢方の専門家に相談しながら自分に合った漢方を処方してもらうことが重要です。
いわば、オーダーメイドの漢方を飲むことが必要なのです。
よく、漢方はなかなか効き目が出ないと言われがちですが、実は自分の体に合っていない漢方を飲み続けているために、効き目があまり出ないという場合もあります。
そして、素人判断で漢方を飲んでしまうのは効き目が悪いだけでなく、実は危険なのであまりおすすめできません。
なぜなら、漢方の生薬は一つの効き目だけではなく、様々な作用を持っています。
例えばむくみに効く漢方だからと服用した時に、自分が求めていない部分で効き目が出すぎてしまうことがあります。
具体的には、お腹がゆるくなってしまったり、必要以上に身体が火照ってしまうなどの症状が出る場合もあります。
特に漢方は、いくつもの生薬をかけ合わせて飲むものなので、素人目にはどの生薬がどう自分の体に作用しているのかまではわかりません。
そうすると、一旦全ての漢方を飲むのをやめるしか手立てがありません。
しかし、漢方は続けて飲まないと体質改善にはならないので、結果的に納得の行く効果が出る前に漢方を飲むのをやめてしまうことになってしまいます。
漢方にも副作用はあるので要注意
また、漢方は副作用が少ないと言われていますが、やはり皮膚の発疹や下痢などの症状が出る場合もあります。
また、妊娠中や授乳中には避けたほうがいいものや、下剤と一緒には飲めない漢方などもあります。
そのため、もし体調に不安がある場合には必ず自己判断ではなく、漢方の専門家に処方してもらうようにしてください。
また、たくさん飲めば痩せる効果も増えるというわけではないので、きちんと用法用量は守って漢方を取り入れるようにしましょう。
漢方を始めるならまずは相談へ
漢方を始める場合には、まずは一度専門家のいる病院や漢方薬局などに行くことをおすすめします。
病院やクリニックであれば、健康保険が適用される種類の漢方であれば、3割負担で購入できるのでお得です。
ただし、自分にあったものが保険外の場合もありますし、保険診療で漢方を出しているかどうかは事前に確認が必要です。
体調不良等の場合には、病院などであれば漢方以外の面でもサポートが得られるので安心ですが、ダイエットを希望している場合には病院よりも漢方薬局などの方が相談しやすいかもしれません。
漢方薬局の場合には、薬剤師が在籍しているので医療行為はできませんが、自分に合った漢方の処方はすぐにしてもらえます。
その場で調合して販売してもらえるのがメリットですが、費用が少し高額になりがちです。
ただし、保険適用外の生薬もたくさんあるので、まさに自分に合った処方をしてもらえるので、効果が期待できるかもしれません。
ドラッグストアなどでも簡単に手に入る漢方もありますが、市販品である分、配合されている生薬の量が少ないものが多いです。
そのため、効果は少し弱まりますので長い期間飲み続ける必要があります。
そう考えると、割高でも自分に合ったものを処方してもらって、様子を見ながら相談しつつ量などを変化させていく方が最終的に効果が得られやすいかもしれないですね。
急がば回れ!漢方ダイエットは長い目で見るべし
どんなに効果的と言われている漢方でも、数ヶ月から半年は飲み続けないと効果は見えてきません。
焦って違う漢方にすぐに乗り換えてしまうのはもってのほかです。
漢方は、体質を改善するものだということを忘れてはいけません。
しかし、効果が出ないものをずっと飲み続けるのももったいないですから、やはり一度は専門家に相談してみるといいでしょう。
自分専用の漢方であれば、痩せる効果だけでなく、体調が良くなるというメリットももれなく付いてきます。
即効性を求めず、自分の体と向き合うつもりで一度漢方をダイエットに取り入れてみてはいかがでしょうか。