近年は共働きの夫婦が増えてきて、2人で収入を得ている家庭が多くなっています。
家計を管理する方法はそれぞれの家庭によって異なりますが、共働き夫婦の場合はどのように家計管理をしているのでしょうか。
現在、共働きの世帯で家計管理について悩んでいる方へ向けて、管理方法やルール、貯蓄のコツを分かりやすくお伝えしていきます。
共働き夫婦の収入や家計管理の調査結果から見る傾向
不動産・住宅サイトの「SUUMO」が、2015年に男女300人の共働き夫婦に家計の管理についての調査を行いました。
300人が答えたアンケート結果では、「家計の管理を妻がしている」と答えた割合は全体の59.0%で、夫が家計管理をしていると答えた割合は26.3%でした。
年代別に見てみると、妻が家計管理している割合が多いのは20代で75.0%、妻が管理している割合が一番低い年代は50代で53.9%でした。
年代によって差はあるものの、どの年代も半数以上の人たちが家計管理は妻のほうがしているという結果でした。
共働き夫婦の家計管理方法5つのケースを比較
次に、共働き夫婦の家計管理をどのような方法でしているのか、いくつかのケースとその方法を詳しく解説いたします。
どの方法が自分たちに合うか、参考にしてみてください。
①共有口座を作り夫婦で一定額を入金する(28.3%)
SUUMO調べの共働き夫婦の家計管理方法で、一番多かったのは「一つの口座を作ってそこに生活費を入金する方法」でした。
毎月の出費がいくらになるかを計算し、毎月一定額を入金するこの方法だと支出が分かりやすいことと、管理しやすいメリットがあります。
入金する金額の割合はそれぞれの家庭によって異なり、入金する額の半分ずつを入金する夫婦、収入の差によって割合を変える夫婦などがいます。
②支払い項目を夫婦で分担する(26.3%)
共働き夫婦の家計管理方法で2番目に多かったのは、お互いの収入を合算せず、それぞれの口座から引き落としされる項目を分担している家庭です。
「家賃と公共料金は夫が支払い、食費と雑費は妻が支払う」といったように、科目ごとに支払いを分担していきます。
共働き世帯でも、家事や買い物は女性が行っているケースが多いため、日常生活に関わる部分を妻の支払いにしている世帯が多いようです。
③夫婦どちらかの収入だけで生活をし、もう一方の収入は貯蓄(18.7%)
結婚したときからどちらかの収入だけで生活をし、もう一人のほうの収入は全額貯金する方法で、家計管理をしている家庭もあります。
この方法だと家計管理がしやすいことと、貯蓄が確実に増やせるという点が魅力です。
「今後子どもを持ちたいので、今から貯金する」「子育て中で、教育資金を貯める目的がある」「今は賃貸だが、数年後に持ち家を買いたい」「老後のために、少額ずつコツコツと貯めたい」など、貯蓄の目的はさまざまです。
④共用口座を作り、夫婦の収入を全部入れてやりくりする(13.3%)
この方法は、口座を作ってそこに夫婦の収入を全部入れて、生活費を共通口座でやりくりするものです。
家賃や光熱費など固定費の引き落としも、この共通口座で行われるため、管理がしやすいでしょう。
また、そこからお互いのお小遣いを引き出し、好きな用途で使うようにする夫婦が多いようです。
⑤家計管理していないためどちらかが払う(10.7%)
多くの世帯では、家計管理の方法やルールがある程度定まっていますが、中には家計管理をしっかり決めていない家庭もあります。
「なんとなくどちらかが払う」「暗黙の了解になっている」など、明確にせず家計をやりくりしているケースが多いようです。
柔軟に対応しやすいのはメリットですが、不満が溜まりやすい、認識の違いでケンカになるなどのデメリットも生じやすいと言われています。
共働き夫婦の家計管理、ルールを決めるコツは?
夫婦共働きの場合、2人とも働いていて収入があるので、家計管理のルールを決めた方がお金のやりくりが上手くいきやすく、トラブルも予防できます。
お金は最もトラブルになりやすい話題になりますので、お互いに納得できる方法や運用方法を模索していきましょう。
お互いが納得できるように話し合いをする
家計管理の方法やルールを決める際、大切なのはお互いが納得することです。
どちらかが我慢していると、その不満が徐々に膨らんでしまい、何かのきっかけで大喧嘩に発展してしまう恐れがあります。
お金のことで揉めるのは誰でも避けたいものですから、「どちらが家計管理をするか」「生活費の分担はどうするのか」を納得するまで話し合いましょう。
特に、結婚してこれから新生活を始める夫婦なら、事前に生活費をどのようにするか話し合っておくと、スムーズに生活がスタートできます。
家事も家計も協力して行うことが大事
共働き夫婦は、どちらも仕事をして収入を得ているのですから、同じように家事も分担して行いましょう。
「相手に家計管理を任せる代わりに、自分は家事を相手よりも少し多くやる」「家計も折半、家事も折半」など、分担のルール作りはお互いのために大切なことです。
また、どちらかの収入だけで生活をするにしても、一方の収入は2人のための貯蓄なのですから「自分の収入で生活している」という考えは控えましょう。
大切なのはお互いの収入を把握しあうこと
結婚したらそれぞれの収入は「家族のもの」になり、独身時代のように自分だけのお金という訳にはいきません。
2人の生活をするため、2人の将来のための収入なので、お金を大事に使うように意識しなければなりません。
お互いの収入はどのくらいなのか把握してから、家計の管理をスタートしましょう。
また、自分や相手がどこにお金をかけたいのか、支出の傾向も分かっていると、より具体的に家計管理が行えます。
生活にはいくら必要なのか把握する
家計の管理をするためには、世帯の収入がいくらか知ることの他に、「生活をするためにはいくら必要なのか」をしっかり把握しましょう。
毎月かかる固定費、また食費などの変動がある出費は多めに計算して、赤字にならないよう上手くやりくりを行う必要があります。
また、収入と支出の概算から、いくら貯蓄に回せるかを知っておき、将来や万が一のために備えておきましょう。
生活費の相場や理想の割合は、「新婚生活の生活費はいくらかかる?内訳と予算を大公開!」で紹介していますので、併せて参考にご覧ください。
働き方が変わったら家計管理を見直す
共働きをしていても、何かのきっかけで働き方が変わることがあるかもしれません。
たとえば、妊娠して産休・育休を取得すれば収入は減りますし、また、子育てのためにフルタイムを辞めてパートや時短勤務に変えることもあるかもしれません。
そうなったときは、それまでの家計管理を見直して、管理方法や費用分担の割合を変える必要があります。
いざという時の事を話し合っておく
家計管理の方法によりますが、共働き世帯は互いに収入があることで気持ち的に余裕があり、つい外食が多くなったり買い物をしたりしてしまいがちです。
もちろん、家計に無理のない範囲で楽しむことは大切ですが、先のことを考えて蓄えをすることもしっかりと考えておきましょう。
例えば、生活費を半分ずつ出していた場合、どちらかが病気や怪我などで働けなくなった時に、それまでの生活が維持できなくなってしまいます。
何かあったときのために貯蓄をしておく、保険に加入しておくなどの対策を考えておきましょう。
生命保険の選び方が知りたい方は、「結婚したら考えたい生命保険!種類や違いをやさしく解説!」を見てみましょう。
共働き夫婦必見!貯蓄のコツ
共働き夫婦が貯蓄をする場合、どのような方法で貯蓄をすればいいのでしょうか。
それぞれの収入がある分、お互いの貯蓄に口を出さないほうがいいのか、それとも把握しておくべきなのか・・・どうしたらいいか悩んでいる方にいくつかのコツを紹介します。
お互いにいくら使っているか把握する
共働き夫婦の中には、お互いの収入や使っている額を把握していない家庭もあるようです。
「家計管理は特にしていないので、なんとなくどちらかが払っている」という管理方法では、お互いに貯蓄に関する意識があるかも定かではありません。
結婚することが決まったとき、収入を把握するべきだと述べましたが、自分たちがどのくらいのお小遣いが必要か話し合うことが大切です。
お昼ご飯のお金などだいたい決まったお金の他に、美容院や趣味のお金、洋服代に交際費など1ヶ月にいくらくらい使うかを話し合って決めておくようにしましょう。
そして、2人の生活費とお小遣い以外で残ったお金を、しっかり貯蓄に回せるように決めるのです。
そうしないと、お互いがあるだけ使ってしまい貯蓄ができないという結果になってしまいます。
貯蓄の目標額を決めて貯蓄用の口座を作る
貯蓄をするコツの中で一番分かりやすい方法は、貯蓄用の口座を作ることです。
そして、それぞれの収入から毎月いくら貯蓄するかを話し合いで決めましょう。
そのためには、生活費の分担やお小遣いの額なども先に決めておく必要がありますね。
将来のために貯蓄することは大切なことですので、2人でしっかり話し合いをして貯蓄に対する意識を高めておきましょう。
そして、先の目標を立てることも貯蓄の意識を強くするために有効な方法ですから、「何年後にはいくら貯めていよう」などと目標を決めるといいでしょう。
また、貯蓄の目標金額は定期的、無理はないか反対にもう少し貯蓄できないか、などと見直しましょう。
一方だけに口座管理を任せるのが心配な場合は、代理人カードを作れば、お互いに使える共用口座になります。
個々に貯金することも重要
夫婦共用の貯蓄のほかに、それぞれの貯金もしておくといいでしょう。
友人との旅行資金や買いたいものがあったら、夫婦の貯金を使わずに済むようにしておくと、相手に気兼ねしないですみます。
また、お小遣いが足りなくなった時に、個人の貯金があれば家計を使わずに済みますので、こちらの貯金もできるよう工夫して家計管理を考えてみてください。
ライフスタイルを見直すことも必要
貯蓄をするコツをいくつかご紹介してきましたが、自分たちのライフスタイルを見直すことも重要です。
例えば、共働きをしていて忙しいので外食が多く食費を使いすぎていないか、服をたくさん持っているのについつい買ってしまっていないか、電車に乗らないでタクシーを使うことが多くないかなどです。
いくら共働きで収入があったとしても、自分たちが意識して生活を変えなければ貯蓄はできません。
共働きの夫婦の家計管理は、納得いく方法で家庭円満を!
共働きの家計管理は将来のライフプランによっても変わってきます。
また、先のことを考えて、それに合わせた貯蓄も必要になります。
家計管理の方法は、何通りもありますので、始めてみて合っていないと感じたら都度話し合って自分たちに合った方法で家計管理をすれば良いのです。
まずは自分たちに合ったやり方で、管理や貯金を始めてみるといいでしょう。
貯金の方法に不安がある方、より確実にお金を貯めたい方は、「新婚さんにおすすめ!簡単&確実な貯金方法」も併せて確認すると安心ですよ。