乳児期には毎日の日課であるお昼寝ですが、なかなか眠ってくれずお悩みの方も多いと思います。
過ぎていく時間についイライラしてしまうこともありますよね。
もしかしたらお昼寝のポイントを見直すことで、もっと簡単にお昼寝が出来るようになるかもしれません!
環境を整えて、上手に寝かしつけるコツを身につけましょう。
どうしてうちの子は寝ないの?とお悩みではないですか?
保育士として現場で働いていた時、「どうして保育園ではお昼寝しているのに家では寝てくれないの?」「上手にお昼寝出来なくて困っています」そんなお悩みの声をよく聞くことがありました。
お昼寝の時間はお父さん・お母さんリラックスタイムでもあり、子どもが起きている時間には難しい作業や家事を行う絶好のチャンスですよね。
「もっとスムーズに眠ってくれたら…」と思う方も多いと思います。
お昼寝のメカニズムや、入眠のコツを知って自分の時間を上手に増やしましょう!
子どもがお昼寝をする理由
どうして子どもにお昼寝が必要なのか、知っていますか?
子どもの動きをよく観察してみてください。ちょこちょこと動き回り、走ったり飛び跳ねたり動きがとても多いですね。
たくさんのものに興味を持ち、「これはなんだろう?」と頭の方もフル回転しています。
ですが、まだまだ体が育っている真っ最中の子どもたち。1日動き回るには体力が追いつきません。
そこでお昼寝を行い、午後に備えて体を休めます。お昼寝の最大の目的は体力の回復なのです。
そして眠っている間に、午前中に経験したことや覚えたことを脳が整理します。質の良いお昼寝をすることで、学習能力の向上にも繋がります。
何歳までお昼寝は必要?
「何歳までお昼寝が必要なの?」「どのくらいの時間したらいいの?」こちらもよく保育士に寄せられる相談です。
保育園では0〜5歳児クラス、全てにお昼寝(保育園では午睡と言います。)の時間がある場合が多いです。
お昼ご飯を食べて、12時〜13時までに布団に入り、15時に全員起床します。
お昼寝の長さについては様々です。1〜2歳児クラスの場合、2時間程眠る子どもが多いですが、体力の個人差があるので“目安”として捉えていただけたらいいと思います。
体力のある子どもは、お昼寝の時間は短くなることが多いです。4〜5歳児クラスでは、お布団に入ってゴロゴロするだけの子も出てきます。
お昼寝の長さを決めるポイントとしては、夜の寝つきの様子で決めていきましょう。夜になかなか寝てくれない時、夜中に何度も目覚める時はありませんか?
それはお昼寝のしすぎのサインかもしれません。お昼寝から起こす時間を15分ずつ早めて、調整してみてください。
気持ちよくお昼寝に入るためにやるべきこと
ではどうしたら気持ちよくお昼寝をしてくれるのでしょうか?
実はお昼寝をスムーズに行うためには欠かせないことがあります。出来ることから生活の中に取り入れてみましょう。
生活習慣と午前遊び
まず、眠くないのに眠れないのは、大人も子どもも同じです。
毎日同じ時間に起きていますか?お昼寝の時間だけ決めても、スタートがバラバラでは上手くいきません。
寝る時間がズレてしまっても、朝起きる時間は決めておくと良いでしょう。
そして大切なのは、午前の体力は午前中に使い切ることです。
朝食を食べ、お腹を休ませたら、外に出かけましょう。近所を散歩したり、公園で体を動かして体力を存分に使いましょう。
夏の暑すぎる季節は、ベランダで水遊びをするのがオススメです。
保育士直伝!寝かしつけのコツ
保育園にはお昼寝をスムーズに行うための決まりごとがあります。
何気なく取り入れて、気持ちのいいお昼寝を始めましょう!
入眠までの流れは決まっていますか?
保育園では、ごちそうさまをしたら着替えをしてトイレに行き、布団に入るという流れで行なっていました。
一連の流れを、自然と癖づけることが大切です。
はじめの頃は「次何をするんだっけ?」「ご飯食べたから寝る時間だね。」と何度も繰り返し、声をかけながら教えてあげましょう。
環境づくりが大切です
お昼ご飯を食べ始める前に、おもちゃの片づけは全て終わらせましょう。
食後におもちゃが目に入ってしまうと、どうしても意識がそちらに向いてしまうので、おもちゃのあるエリアを布で隠すのも効果的です。
お昼寝をする空間づくりも大切に行なっていきましょう。
環境カーテンは閉める、目に入る電気は消すなど、入眠する時はいつも同じ環境になるのが良いでしょう。子どもと一緒に行うのも良いと思います。
入眠のサインを決めておきましょう
保育園では、毎回同じ音楽をかけるようにしています。
オルゴールなどのゆっくりとしたテンポで、優しい音楽が良いでしょう。
ただし音量には注意してください。大きい音は逆に刺激になってしまうので、大人が聞いていて「小さいかな?」と思うくらいで十分です。
ご家庭でしたら、絵本を何冊か読むのもオススメです。
その時は最後の本を決めておくと、スムーズに入眠に移れます。
お昼寝のルールを決めましょう
「眠れなくても、横になっていること。布団からは出ないこと。」など、ルールを作りましょう。
“眠れなかったら遊んでいい”としてしまうと、遊びたい気持ちが勝ってしまうのが子ども心です。
「いっぱい寝たら午後にたくさん遊べるんだ」ということを伝え、お昼寝が大切なことだと教えていくのも大事です。
食事の片付けは後にしましょう
食事の後はすぐに片付けたい気持ちもあるでしょうが、入眠までの一連の流れはなるべくスムーズに行う方が効果的です。
バタバタと掃除や洗い物をせず、なるべく子どもの動きや流れに沿って、声をかけながら一緒にお昼寝の準備をしましょう。
トントン以外にもあります!入眠の時の寝かしつけスキンシップ
寝る前にトントンとリズムよく胸元を叩くのは、一般的な寝かしつけの方法です。実はそれ以外にもたくさんの方法があるのですが、ご存知でしょうか?
保育園で多くの子どもの寝かしつけをしていると、どうやら一人ひとり好みがあるようです。
いくつかの方法をご紹介するので、ぜひお気に入りを見付けてみてください。
- 手のひらと4本の指で頭を包み、親指で額を撫でる
- 眉毛を毛の流れに沿って撫でる
- 耳や耳たぶをゆっくりマッサージする
- シャツの中に手を入れ、背中をさする
- 足の裏をマッサージする
- 足を手のひらで包んで温める
- 隣で横になり、呼吸を合わせる
お昼寝は臨機応変に対応するのがカギ!
子どもの成長は毎日進んでいます。お昼寝の長さや必要性もどんどん変わっていきますから、その成長に合わせてリズムを作っていきましょう。
外出などでお昼寝のリズムが崩れてしまっても、ゆっくり戻せば大丈夫です。焦らず、数日かけて戻していく気持ちで調整してください。
傍にいるお父さん・お母さんがゆったりとした気持ちでいることが、よいお昼寝をする一番の材料になりますよ!