専業主婦を長く続けていると、いざ仕事を始めようとした時に何から始めればよいのかわからない人も多いのではないでしょうか。
今回は、主婦が仕事を探す際に知っておきたいポイントと、効率よく仕事を探す方法についてまとめました。
共働きで世帯収入を増やす家庭が増加中!?
「寿退社」という言葉が流行った時代もありましたが、最近は産休や育休を経て仕事復帰を果たす女性が多いようです。
実際、ここ30年間専業主婦世帯は減少の一途をたどっており、1980年に約1100万世帯あった専業主婦家庭は2017年には641万世帯にまで落ち込んでいます。
一方、1980年には約600万世帯しかなかった共働き世帯は、2017年には1188世帯まで増加しており、専業主婦世帯の約二倍になっています。
このような背景の中、専業主婦である人がこれから仕事を始める機会も多くなっていくでしょう。
主婦の仕事探し、重視するポイント5選!
主婦の人が仕事を始める理由としては、前提として「世帯収入を上げて生活水準を向上させたい」という気持ちが大きいですが、重視するポイントはそれだけではありません。
子どもの有無や働く目的によっても重視するポイントは変化するようです。
自分の理想の労働時間を見極めよう!
株式会社アイデムによる「主婦パートの働き方に関する調査」によると、主婦が求職する際に重視する点として最も多かったのは「勤務時間帯」が1位で約71%でした。
次いで「労働時間・日数」が67.4%、3位が「賃金額」で53.9%でした。
賃金の高さよりも労働時間を重視する傾向があることがわかります。
例えば、子どもがいる場合は「学校や園から帰ってくる時間には帰宅して出迎えたい」「夕食と入浴、寝かしつけは母がしないとスムーズに進まない」など、遅くまで働けない理由が多々あるようです。
また、夜勤のある仕事や長時間の立ち仕事のように年齢によっては体力的に厳しいと感じる勤務時間帯もあります。
主婦が考える理想の労働時間としては、約半数の人が「週に3日~5日、1日4~7時間が望ましい」と答えていました。
家庭の事情や体調を踏まえながら自分にぴったりの勤務時間帯や労働時間を見極め、それに応じた仕事を探してみましょう。
少しでも家計を補助したい‥・でも、家庭とのバランスも大切!
同アンケートによると、主婦が社会に出て働き始める理由としては、1位が「家計補助」44.4%、次いで「生活の維持」が35.9%、「生活の向上」が18.8%でした。
約4割の人が「夫の収入だけでは家計を維持することが難しい」と感じていることがわかります。
家計の補助として、パートで稼いだお金はマイホームのローン返済や子どもの教育費・習い事代に当られるようです。
しかし、いくら生活水準を向上させたいと言っても「しっかりフルタイムで働きたい」という人は約4割にとどまっています。
仕事と家庭との両立を考えて「そこそこ働ければよい」と考える人が多いようです。
求人情報の中にはフルタイムから短時間勤務、正社員からパートや派遣など、非常に様々な雇用形態と勤務時間が掲載されています。
やりたい仕事内容とお給料、希望の内容が合致しているか、必ず確認して絞り込みを行う様にしましょう。
また、仕事が中心になり家事や育児が疎かになってしまうと、仕事に寛容だったご主人も難色を示すことになりかねません。
仕事を始める時はご主人の協力も仰ぎながら、家庭で自分がすべき事を行える様に配慮することも大切です。
通勤時間と保育園の位置にも注意しよう!
職場までの通勤時間も仕事選びの際には重要なポイントとなります。
通勤距離があまりにも遠いと、金銭面でも体力面でも通い続けることは困難です。
また、子どもがいる場合は、自宅から保育園、保育園から職場までを効率よく移動するために保育園の位置にも気を付けなくてはなりません。
保育園と職場が自宅から反対方向になると、移動時間が増えてタイムロスになってしまいます。
現在は保育園になかなか入れないという事もあり、入園させるだけでも大変なことですが、自分の移動の動線をしっかり確認して、効率良く動ける職場を見つけましょう。
何歳まで働きたいのか?具体的なイメージを持とう!
一時的なお小遣い稼ぎではなく、マイホームのローン返済など長期に渡って定年まで勤めたい場合は、職場の年齢制限に注意が必要です。
定年まで働きたい場合は、正社員が一番有利です。
一方、長く勤められるとしても、職場の年齢層が高すぎると自分一人だけがいつまでも新米で肩身の狭い思いをすることもあります。
「何歳まで勤められるのか」「現在の職場の平均年齢はどのくらいなのか」などの年齢に関する疑問は、事前に調べて解決しておきましょう。
忘れてはいけない税金対策!
最後に、忘れてはいけないのが税金対策です。
単純に1年間の収入が約103万以内であれば、夫の扶養内であり社会保険料はもちろん所得税や住民税が掛からないので節税対策になります。
また、年収が103万円以上になっても、130万円未満であれば所得税や住民税は引かれるものの、配偶者控除が適用されるため全体としては損にはなりません。
注意したいのは、年収が130万円を少し上回る場合です。
いわゆる「130万円の壁」をわずかに上回っただけで、配偶者控除(配偶者特別控除も含む)の適用外となり、仕事量を抑えて働いた場合より数万円損してしまう場合があるのです。
この「働き損」を防止するたには、年収を150万円以上にするなど130万の壁を大きく上回る必要があります。
先ほどの主婦対象のアンケートの傾向を見ると、フルタイムを選び大幅に収入を増やすよりは収入が103万円以下になるようセーブする人が多いようです。
どのくらいの収入を得たいのか、どの程度の税金対策を行いたいのかは各家庭によって異なりますので、ご主人とも相談して方向性を決めておきましょう。
※尚、扶養控除については「所得税」と「社会保険」の2種類があります。
控除範囲となる規定の収入額はそれぞれ異なりますので、「結婚したら扶養に入るべき?控除の内容や手続きを分かりやすく解説!」を見て確認しておきましょう。
効率よく職探しをするために、最適な方法を選ぼう!
パートやアルバイトの求人を探す方法としては、ハローワーク、新聞折りこみ、無料の求人情報誌、インターネットなどがあります。
それぞれの特徴を以下に述べますが、自分が利用しやすい手段や希望する職種が見つかりやすい手段を選びましょう。
若い世代ほどインターネット情報を重視する!?
20代のうち約8割弱の人がインターネットの求人サイト等で職を探しますが、30代や40代ではインターネットを活用する人は約半数にとどまっています。
インターネットでは、ボタン一つで簡単に仕事の条件を絞って検索できるので、素早く自分の希望する条件に合った仕事を見つけることが可能です。
ただし、パソコンやスマホが苦手な人には不向きですし、パソコンに向かって一人で調べる場合が多いので、仕事内容を比較したり質問したりしたい場合でも誰かに相談しにくいのが難点です。
ハローワークの特徴を知り、使いこなそう!
30代や40代の人は、新聞折り込みの求人広告や職業安定所(ハローワーク)で職探しをする人が多いようです。
ハローワークは国が運営している組織であり、担当者がついて職探しの相談にも乗ってくれるので安心感があります。
また、求人情報は毎日更新され、地域と密着した求人情報が得られるのが特徴です。
忙しいためにどうしてもハローワークへ足を運べない人は、インターネットからでもハローワークの求人情報を閲覧することができます。
ただし、企業側はハローワークに対して無料で求人を掲載できるため、既に採用が締め切られているにも関わらず求人が載せっぱなしになっている場合があるので注意しましょう。
また、訪れる時期や時間帯によっては混んでいる場合もあるので、あらかじめ空いている時間帯を調べておき、短期間で集中的に通うことで効率を上げることができます。
フリーペーパーや新聞折り込みは情報が新しい!
無料求人情報誌や新聞折り込みは、一定の期間で内容が更新されるので、比較的新しい情報を得ることができるのが特徴です。
紙面を見ながら様々な業種を比較しながら探せるので、場所を選ばず、パソコンが苦手な人にとっても使いやすい職探しのツールになります。
専業主婦の人であれば、自宅で育児や家事をこなす合間に気軽に見る事ができるでしょう。
希望職種の求人が増える時期にも注目!
さらなる効率アップのためには、自分が求める職種の求人がいつ頃増えるのかを把握しておくことも大切です。
例えば飲食業界の求人は、4月採用の求人募集を2月~3月にかけて行う傾向があります。
なぜなら、年度末になると、今まで勤めていたアルバイトの人達が就職のために退職し、人員不足が予想されるからです。
また、スーパーや百貨店小売業界等では、年末の師走シーズンに向けて人員を確保するために10月頃から募集を開始することが多くなっています。
求人の数が多い時期を見極めて就職活動をすれば、それぞれの業種には受かりやすくなりますが、同時にライバルが増えるのも避けきれません。
特に春は「子どもが園や学校にあがったから」と、主婦が動き出すパターンが多いです。
その点を踏まえると、あえて逆に求人がほとんどない時期に応募するのも一つの方法かもしれません。
自分の中で優先順位を整理して、職を探すのがコツ!
仕事を始める際に重視する点は、「勤務時間帯や労働時間、日数」「自宅や園から近い職場か」「何歳まで働きたいのか」「扶養内で働いて家事とのバランスを取るのか」などの観点があります。
これらの優先順位を決め、自分がいちばん重視したい点を絞ることができれば、職探しをスムーズに始めることができます。
また、仕事の目的を明確にすることは、就職活動のモチベーションアップにつながります。
現在専業主婦の皆さんも、今回紹介したポイントを参考に一歩足を踏み出し、共働き世帯へデビューしてみませんか。