寝起きや冬場の空気が乾燥する時期などに、喉の痛みがなかなか治らず苦しんだことはありませんか。
喉が痛いと食事も楽しくなくなり、仕事や家事もはかどりません。
そこで、今回は喉が痛くなる原因を追究するとともに、自宅でできる対処法も解説します。
喉は肺を守るガードマン!喉の役割を押さえよう
「喉」はどの部分を指すの?喉の主な役割とは?
喉は外から見ると首の辺りになりますが、細かく分けると鼻の奥から喉の奥にある食道につながるまでの咽頭(いんとう)と、喉仏がある側の声帯から気管につながるまでの喉頭(こうとう)があります。
一般的に咽頭と喉頭を合わせた部分を「喉」と呼んでいます。
喉の主な役割は、食べ物と空気を食道と気管に振り分けて体内に取り込むことです。
口で噛み砕かれた食べ物は舌の動きによって喉奥に運ばれ咽頭を通って食道に入り、一方鼻や口から吸いこまれた空気は、喉頭を通り気管から肺へ送られます。
喉は、外敵から肺を守る番人だった!
喉の働きは、単純に食べ物や空気を通すことだけではありません。
鼻の内部から咽頭上部、喉頭の内壁、気管にかけての「空気の通り道」は、粘膜と線毛で覆われています。
鼻や口から吸った空気には、ウイルスや細菌などの外敵やチリやホコリなどのゴミが含まれていますが、喉の粘膜でキャッチされ、線毛の力によって痰として口外へ吐き出したり食道から胃へ流し込んだりできるのです。
日頃から意識的に痰を出している人はいないと思いますが、特に風邪をひいているわけでなくても、毎日約100ccの痰が自然と出ています。
風邪の菌も痰となって胃袋に入ってしまえば、強力な胃酸には太刀打ちできません。
つまり、喉は外敵やゴミから肺を守ってくれるガードマンなのです。
喉の痛みを引き起こす原因に迫ろう!
ウイルスや細菌がきっかけで炎症が起こる!?
喉の粘膜によってキャッチされたウイルスや細菌が、痰となって外へ排出されずに体内に入って来ようとした場合、それに抵抗することで咽頭や扁桃で炎症が起こります。
それが、咽頭炎や扁桃炎です。
咽頭炎は、喉の奥が赤く腫れて痛みを感じ、頭痛や発熱を伴ったり、痛みが引いても喉に異物感が残ることで咳が長引いたりする場合があります。
扁桃炎は、喉の奥が真っ赤に腫れて39度~40度の高熱や全身に倦怠感が出ます。
日常的な習慣が喉を刺激することも!?
喫煙や飲食などの生活習慣も、喉に痛みを起こす原因の一つです。
例えば、タバコの煙に含まれるタールは気管を刺激するので、喉に痛みが生じます。
また、アルコール度数が高いお酒や激辛カレーのような辛さの度合いが高い食べ物も、喉を刺激するため炎症を引き起こすきっかけになります。
声帯をよく使う人は要注意!
さらに、声帯を酷使したことで声帯に炎症が起こり、痛みを生じる場合もあります。
カラオケで長時間歌ったり、頻繁に大声を出したりすることがきっかけです。
歌手や教師など、特に「声」を使う職業の人は、声帯が傷つきやすいので酷使し過ぎていないか気を付けた方が良いでしょう。
喉の痛みを早く治したい!自宅でできる治し方を紹介!
喉に刺激を与えるものを控えよう!
初歩的なことですが、これ以上喉の痛みを悪化させないためには、タバコや高濃度アルコール、激辛食品など喉に刺激を与えるものはできるだけ控えましょう。
早く喉の痛みを治すためには、喉に余計な刺激を与えてはいけません。
予防の観点からもマスクは必須アイテム!
喉が痛みだしたら、すぐにマスクをつけましょう。
マスクは、喉を乾燥から守り喉の痛みを和らげる効果があります。
また、ウイルスなどに感染している場合は、くしゃみによって他人に飛沫感染することを防ぐというメリットもあります。
喉に異変を感じたらのど飴をなめよう!
のど飴を舐める、唾が増加し、喉に潤いを与えてくれます。
また、唾液には殺菌作用があるため、菌やウィルスに感染している場合は治癒を促します。
レモン味や梅味など「食品」に分類されるのど飴であれば、手軽にスーパーやコンビニで購入可能です。
一方、「食品」ののど飴よりは少し高額になりますが、咳・痰などの症状に合わせた効能が期待できる「医薬品」に分類されるのど飴もあり、薬局やドラッグストアで購入できます。
うがい・手洗いで除菌しよう!
外出先から自宅に戻ったら、うがいと手洗いをしましょう。
口を上に向けてガラガラと音を立ててうがいをすることで、喉を洗浄することができます。
また、市販の「うがい薬」や、コップ1杯に対してティースプーン半分の塩を入れた「食塩水」を使えば、除菌効果も期待できます。
喉に優しい室温、湿度を心がけよう!
ウイルスは冬場の乾燥した空気が大好きで、湿度が低いほど活発に活動します。
喉の痛みの予防・改善方法として、室内の温度は20度~25度、湿度を60~80%に保つようにしましょう。
部屋の湿度を上げるためには、加湿器を使うのが早いですが、ない場合はお湯を沸かしたり、熱湯をたらいに入れて置いたり、濡れたタオルを干したりする方法もあります。
市販薬を使って喉を殺菌、炎症を抑えよう!
上記の対処で効果が得られない場合は、市販薬も使ってみましょう。
市販薬の中には、喉の炎症や傷みを押さえる内服薬と、うがい薬やトローチ、のどスプレーのような外用薬の2種類があります。
喉の違和感や喉の炎症、喉の痛みなど様々な症状に合わせた市販薬があるので、薬局の薬剤師さんに相談しながら購入しましょう。
喉の痛みに効く飲み物も積極的に取り入れて
大根飴(大根×ハチミツ)
ハチミツが喉に良い事は知られており、喉が痛くなったら舐めておくという人も多くいます。
ここに大根を加えることで、辛み成分のアリルイソチオシアネートが持つ抗炎症作用が加わり、より効果が高まるのです。
大根飴は、いちょう切りにした生の大根をハチミツに漬け、2~3時間ほど冷蔵庫で置いておくだけで作れます。
ハチミツの上に水分が溜まったらOKサインで、よく混ぜてからお湯などに溶かして飲むか、そのまま食べましょう。
大根飴は、作ってから2~3日程度しか日持ちしませんので、食べきれる量で作る様にしてください。
生姜紅茶(生姜×紅茶)
生姜に含まれる「ジンゲロール」や「ショウガオール」は、血行を促進し、体を温めることで免疫力を高めます。
これに殺菌効果や抗酸化作用の含まれる紅茶を合わせ、喉の痛みを内側から鎮めましょう。
生姜紅茶は、紅茶の中にすりおろした生姜を適量入れるだけなので、喉の痛みを感じた時にすぐに取り入れられます。
少し紅茶を多めに淹れて、紅茶うがいをするのもオススメです。
使用する茶葉はどの様なものでも構いませんが、より高い効果を期待するのであれば「スロートティー(スロートコートティー)」というハーブティーを飲んでみましょう。
梅干し茶(梅干し×緑茶)
緑茶に、カテキンの殺菌作用がある事は有名で、冬場に緑茶でうがいをする人もいるほどです。
この緑茶に梅干しを加えることで、クエン酸の殺菌効果が相まって、喉の痛みの原因菌をしっかりと退治してくれます。
温かい緑茶の中に梅干しを入れ、潰して飲むだけなので非常にお手軽ですし、ご飯と顆粒ダシを加えれば喉に優しいお茶漬けにもなります。
最近は健康志向で減塩された梅干しも多いですが、殺菌効果を高めるためには塩分濃度の高い梅干しの方が効果的です。
痛みが続く場合や症状によっては早めに受診を!
声帯を使いすぎてしまった事による痛みや、一般的な扁桃炎・咽頭炎は、適切な対処をしていれば一週間ほどで治まるのが通常です。
しかし、市販薬を使っても全く効果が得られず、喉の痛みだけでなく発熱や激しい咳など他の症状が出ている場合は、早めに受診しましょう。
また、根本的に喉の痛みを予防するためには、日頃から栄養バランスの取れた食事や充分な睡眠を取り、免疫力を高めることも大切です。