無理な食事制限や偏った食生活によるダイエットは、ストレスにもなりますし、健康にもよくありません。
欠食が多い人は逆に太りやすくなったり、一時的に体重が落ちてもリバウンドしやすいといわれています。
ここではきちんと食べるダイエットを目的に、ダイエットに効果のある食品や、一日に食べるべき量、食べ方についてお伝えしたいと思います。
ダイエットに向いている食品はこれ!
赤身の牛肉、鳥ささみ肉、豆類等のたんぱく質の多い食品
たんぱく質は食事のたびに摂ることが望ましいとされている大切な栄養素のひとつです。
代謝を促進したり、皮膚や筋肉を作ったり、神経伝達をサポートする働きをします。
たんぱく質には動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の二種類あり、前者は肉、魚、卵や乳製品から、後者は穀類や豆類から摂ることができます。
どちらの食品群にも体内で生成することができない必須アミノ酸なども含まれています。
ヨーグルト、納豆、味噌等の発酵食品
発酵食品は、食品の栄養素が細菌やカビの影響で新しい栄養素へと変化したもので、ビタミン類や酵素、必須アミノ酸が多く含まれており健康にいいとされています。
代謝を促進し、整腸作用や便秘の改善、肌環境の改善や疲労回復に効果がありますし、特に日本食においては納豆や味噌、漬物等身近な食品から摂ることができます。
玄米や発芽米等の穀類
穀類はおなかに溜まりやすく、時間をかけて消化されるので長く満腹感を得ることのできるダイエット向きの食品です。
玄米や発芽米は精製米よりも噛みごたえがありますし、よく噛んで食べることによって消化吸収しやすくし、満腹中枢を刺激することで早食いや食べすぎを防ぐこともできます。
エネルギーの代謝を促進するビタミン、ミネラル、抗酸化物質、食物線維といった精製時に失われてしまいがちな栄養素を摂ることができます。
のり、昆布、わかめなどの海藻類
海藻に含まれているフコイダンという食物線維は、わかめや昆布等によくみられるぬるぬるした成分のことです。
このぬるぬる成分には脂質の吸収を抑え、体外に排出しやすくする働きをします。
脂肪燃焼を促してくれるフコキサンチンという栄養素も含まれていて、ダイエットには効果的な食品といえるでしょう。
えのき、しめじ、しいたけ、エリンギ等のきのこ類
きのこ類は低カロリーであるだけでなく、食物繊維やビタミン・ミネラルが豊富で、脂質の吸収を抑える働きをします。
腸内環境を整えるのに効果のある食品です。
りんご酢や黒酢等のお酢
お酢には血流をよくし、新陳代謝を促してくれるアミノ酸、クエン酸や酢酸が多く含まれています。
血行がよくなって身体があたたまり、疲労回復にも効果があります。
にんにく、しょうが、ねぎ等の香味野菜
ダイエットの時に単調な味付けになりがちな食事の強い味方になってくれるのがにんにく、生姜、ねぎ類や唐辛子等の香味野菜です。
薄めの味付けでもおいしく食事をとることができ、体をあたためて代謝を上げる効果もあります。
ダイエットに限らず、体の冷えは万病のもとといわれているように、体を内側からあたためることはとても大切です。
体が冷えて血行が悪くなると老廃物が溜まりやすくなり、便秘や肌荒れの原因になるだけでなく、脂肪がつきやすくなるといわれています。
また、体温が下がることで代謝も悪くなり、脂肪が燃焼されづらくなるので、冷たい飲み物よりもお茶や白湯などの温かい飲み物を飲むようにしたり、体をあたためる食品を積極的に摂る様にした方がダイエットの効果を高めます。
自分が一日に食べるべき量はどれくらいか知っておきましょう
摂取カロリーの目安となる基礎代謝
基礎代謝とは、人間の生命活動維持のために必要な最低限のエネルギーのことです。
この基礎代謝量と、運動等の日常活動により使用したエネルギー(消費カロリー)よりも多くカロリーを摂取することによって余った分が脂肪として体につきます。
つまりこの消費カロリーが食事分で摂った摂取カロリーを上回ることで、体についた脂肪をエネルギーとして使用するようになり、体重が落ちるといえます。
基礎代謝量は、「ハリス-ベネディクトの式」という基礎代謝計算式で計算できます。
男性の場合
66+13.7×体重(キログラム)+5.0×身長(センチメートル)-6.8×年齢=1日の摂取カロリー目安
女性の場合
665+9.6×体重(キログラム)+1.7×身長(センチメートル)-7.0×年齢=1日の摂取カロリー目安
一日に必要な摂取カロリーは基礎代謝量+日常活動のエネルギー消費量
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、日本人が1日に必要な推定エネルギー量は、男性の場合18歳~49歳なら2,650キロカロリー、女性の場合は18歳~49歳なら1,950~2,000キロカロリーとなっています。
ただし、あくまでもデスクワーク仕事や買い物や家事等の適度な運動を行う一般的な社会人を目安としたデータなので、スポーツが好きな人やもっと活動量が少ない人とでは値が上下するということを念頭にいれておく必要があります。
ダイエットで減らしていいカロリーは、この必要エネルギー推定量から基礎代謝量を減らした分になります。
基礎代謝は生命維持活動に最低限必要なエネルギーなので、常に基礎代謝以下のカロリー量しか食事を摂らないという日が続くと、生命活動維持のためのエネルギーが不足しすぎて危険な状態となりますので、自分が「どこまでなら減らして大丈夫か」をしっかり確認しておきましょう。
先ほどの、身長165センチメートル・体重55キログラム・年齢30歳の女性なら、必要なエネルギー量(2,000キロカロリー)-基礎代謝量(1,263.5キロカロリー)=736.5キロカロリーということになります。
一般的にダイエットの時に減らす摂取カロリー量の目安は、200~300キロカロリー程度といわれているので、2,000キロカロリーが必要エネルギー量の人は、1,700~1,800キロカロリーを目標に食事をするようにしてみましょう。
ダイエットのときは食事の食べ方にも配慮してみましょう
食べる順番に気を使いましょう
一言で食べ物といっても、消化吸収に時間がかかるものとそうでないものがあります。
太りにくい食べ方の順番を意識して食事をとるようにしましょう。
理想的な順番はまず野菜などの食物繊維中心の副菜・みそ汁など汁物、次に肉や魚といったたんぱく質中心のメイン料理、最後にご飯やパンなど炭水化物中心の主食です。
食物繊維は消化するのに時間がかかりことや、水分を含んで膨張する性質があるので、満腹感を得やすくなります。
逆に炭水化物は体内に吸収されやすく、血糖値も上昇しやすいので、炭水化物の前にたんぱく質を食べてエネルギーの吸収がおだやかになるようにしましょう。
時間をかけてゆっくり食べましょう
食べる順番を守っていたとしても、早食いは食べ過ぎや消化不良の原因にもなります。
できれば最初の副菜を口に含んでから、最後の炭水化物にたどりつくまで30分かけるように意識してみてください。
たとえば一口ごとに30回噛むようにと気を付けてみるだけでも時間をかけて食べることができますし、よく噛むことで満腹中枢が刺激されて少ない量でもおなかいっぱいになったと感じることができるようになります。
たくさん水分を摂りましょう
人間が1日に必要な水分量は、2~2.5リットルと言われています。
ダイエットの時には水を1日2リットルは意識して飲むようにしましょう。
特に午前中の間に800ミリリットル以上の水を飲むことは、体内の老廃物を体外に排出しやすくし、肌環境の改善にも効果があるといわれています。
老廃物が体内に溜まることは、疲労や便秘の原因にもなりますし、ダイエットにもよくありません。
また、水分をたくさん飲むことで一時的に満腹感も増加するので、普段からあまり水分をとらないという人は特に意識して水分をとるようにしてみましょう。