寝起きに咳やくしゃみが出たり、酷くなることはありませんか?
この辛い症状、実は「モーニングアタック」というアレルギーの症状かもしれません。
あまり聞き慣れない方も多いモーニングアタックですが、一体なぜ起こるのか、そして、どうすれば治るのかを調べてみました。
朝起きた時に出てしまう鼻水や咳、くしゃみの正体とは!?
花粉症やハウスダストなどによるアレルギー性鼻炎の人々は、一般的に「朝の寝起きの時間」にその症状が強く出る傾向があるようです。
起きがけにくしゃみや鼻水が止まらないと辛いですし、一日が気持ちよく始められません。
こうした寝起きに症状がひどくなるのはどうしてなのか、詳しい原因を探っていきます。
朝のくしゃみはモーニングアタック?
花粉症やアレルギー性鼻炎などをお持ちの人が、朝方に発作的に咳や鼻水、くしゃみが出る症状を「モーニングアタック」と呼びます。
エスエス製薬によるインターネット調査でも、花粉・鼻炎の症状が最も辛かった時間帯を「起床時」と答えた人は22.4%で、「特に決まっていない(24.8%)」と答えた人に次いで、最も多くなっています。
午前中や午後に屋外で用事をしている時間よりも、朝方の方がなぜか症状がひどく出るようです。
モーニングアタックが起こる原因を調査!
夜の間は室内のベッドや布団の上で寝ているだけなのに、起きがけに急に花粉症や鼻炎の症状が悪化するのはなぜでしょう。
モーニングアタックが起こる原因について詳しく見ていきます。
モーニングアタックはどうして起きるの?
モーニングアタックが起こるのには、以下の4つの原因が考えられます。
床の上に落ちている花粉やホコリを起床時に一気に吸い込んでしまうため。
布団をたたむ際に花粉やホコリが舞うため。
起床時に睡眠中に働いていた副交感神経が、交感神経の状態に切り替わることで、血管が収縮し、神経のバランスが乱れるため。
朝の鼻水の中で、炎症を誘導させる成分が増加するため。
これらの原因が1つではなく、複合的に合わさることでモーニングアタックが起こっています。
朝のモーニングアタックは、夜の状況も影響している?
花粉症の場合、夜の市内環境がモーニングアタックに影響を与えています。
実は、昼間の間に窓やドアから自宅に入り込んだ花粉が、夜になって家族が帰宅するたびに舞い上がり、花粉症の症状を引き起こしている場合があるのです。
特にスギ花粉の場合、お昼前後だけでなく日没前後にも花粉を飛ばす性質がありますから、「夜に外出するなら大丈夫!」という訳ではありません。
また、アレルギー性鼻炎の人は、原因となる物質(花粉やハウスダストなど)を吸いこんだ後、6時間から10時間後に鼻づまりなどの症状が出る「遅発相反応」というものがあるので、夜間に急に症状が現れてもおかしくありません。
このように夜間にも花粉症や鼻炎の症状が出ることで、寝ている間にも鼻の粘膜の炎症を悪化させ、モーニングアタックにつながる一因になるようです。
モーニングアタックを放置しておくと危険!?
モーニングアタックとは言うものの、夜間に花粉症が悪化して苦しんでいる人も少なくありません。
夜間に症状が現れると、鼻づまりによって、睡眠不足に陥ったり、上手く呼吸ができずに十分な酸素を脳に届けられなかったりと、身体にも悪い影響を及ぼします。
結果的には、寝覚めが悪くなる、昼間に体がだるくなる、集中力が続かずにミスが増えるといったことも起こりやすくなり、私生活に支障をきたしかねないため、なるべくなら早めに対策をすることをおすすめします。
モーニングアタックは、薬を服用することはもちろん、ちょっとした点に気を遣うだけでも予防や改善をすることが可能です。
モーニングアタックを防ぐためにすべきことは?
モーニングアタックの症状や原因についてわかったところで、最後にモーニングアタックを予防するための4つの対策についてまとめていきます。
朝のアレルギー症状は集中力を低下させますので、モーニングアタックをしっかりと防ぎ、仕事や学業の効率アップにつなげましょう。
1.外の花粉を室内に持ちこまないように気を付けよう!
帰宅したら、まず服についた花粉を払い落し、手洗いとうがい、洗顔をして徹底的に身体についた花粉を落とします。
特に、帰宅した服装のまま寝室へ入ってしまうと、寝室へ花粉を持ちこむことになるので注意が必要です。
冬場であれば、一番外側に着ている上着に花粉はつきやすいので、コートやダウンは玄関先で収納し、寝室のクローゼットまで持ちこまないようにしましょう。
また、花粉が多い時期には外出する際の服装にも注意/span>をするようにしましょう。
ウールのセーターやコート、ポリエステルフリース、コーデュロイのパンツなどは特に花粉が付きやすく、外出時には10万個以上の花粉が付くとされています。
逆に、トレンチコートやトレーナー、チノパンなど、凹凸が少ない生地は花粉が付きにくいため、花粉が多く飛んでいる日の服装にはオススメです。
静電気が発生することで花粉が衣服にくっつきやすくなる、という原因もあるので、出かける前には静電気防止スプレーをかけるなどの工夫をするのも有効でしょう。
2.寝室、寝具の環境を整えよう!
基本的な花粉症対策になりますが、寝室をこまめに掃除し、清潔な環境を保つことも大切です。
例えば、こまめに床に掃除機をかけ、寝具に布団クリーナーをあてることで、モーニングアタックの原因となる花粉やハウスダストを減らすことができます。
布団は天日干しにすると花粉がついてしまうので、布団クリーナーや布団乾燥機を利用するようにしましょう。
また、空気清浄器を置くことで、花粉やハウスダストの飛散を抑えることができます。
空気清浄機の置き場としては、自室よりも花粉が最も入り込みやすい玄関など、外に近い場所へ置いておくのが良いでしょう。
玄関に設置しておけば、衣服についた花粉も取り除きやすくなるのでオススメです。
他にも、換気扇のある部屋や、ベランダのある部屋の窓際に設置しておくのも効果的と言えます。
上記でもなかなか改善しない、共働きでこまめな掃除が難しいという場合は、「アレルシャット 夜ぐっすり朝すっきりミスト」や「ファブリーズ ハウスダストクリア」など、浮遊アレル物質を抑える製品を使用してみるのもオススメです。
3.バランスの良い食事を心がけ、免疫力を高めよう!
様々な細菌やウィルスと戦う力のことを免疫力と言いますが、この免疫力の元となる免疫細胞は、実に70%が腸に集中しています。
バランスの良い食事をとることで、腸の中の善玉菌が増加し、この善玉菌が身体の免疫力を高めてくれるのです。
免疫力を高めることで、花粉に強い身体をつくりましょう。
4.寝る前にしっかり薬を服用しよう!
最後に、花粉症や鼻炎の薬を「寝る前」に服用することが肝心です。
寝る前にきちんと薬を服用しておくことで、朝方の症状を抑えることができます。
薬の種類によって飲む時間帯の指示は異なるので、夜に服用するタイプの薬を選びましょう。
ただし、薬によっては睡眠が深くなり、朝方起きにくくなる可能性もあるため、薬を服用する際は内容をしっかり確認しておくことが大切です。
なお、花粉症の場合は、特定の花粉が飛ぶ時期は決まっているので、花粉が飛び始める2週間前に早めに薬を飲み始めることで、いざ花粉が飛び始めても鼻水やくしゃみなどの症状を軽減することができます。
5.加湿器やマスクを利用する
モーニングアタックの原因である花粉やハウスダストは、空気が乾燥しているほど舞い上がりやすいため、部屋の湿度を上げるのはくしゃみ対策としては効果的です。
加湿器をかけておくのが手軽ですが、自宅に加湿器がないという方は濡れたタオルや洗濯物を数枚干して置くだけでも問題ありません。
また、就寝時にはマスクを着用すると、さらにモーニングアタックの予防に繋がるでしょう。
その際に、マスク自体を濡らしておく、もしくは市販の濡れマスクを使うと、なお花粉やハウスダストを防ぎやすくなるのでおすすめです。
他にも、起床後に顔に蒸しタオルをのせて鼻を温めるというのもモーニングアタック対策には有効です。
鼻の粘膜は、乾燥していると正常に働くのが難しくなりますが、蒸しタオルをのせると鼻が温まる他、蒸気を吸い込むことで鼻の乾燥を緩和し、くしゃみが出にくくなります。
6.自立神経を整える
花粉やホコリがモーニングアタックの主な原因とされていますが、神経のバランスも大いに影響しています。
そのため、人によっては花粉・ホコリ対策と同じくらいに自律神経を整えることが重要になる場合もあります。
起床してからすぐに起き上がるのではなく、布団の中で2~5分程、手足の指を動かして、交感神経を活発化しましょう。
また、起きたらカーテンを開けてすぐに日光を浴びることも、自立神経がバランスをとりやすくなるため、モーニングアタック対策に有効です。
モーニングアタックが頻繁に起きていると感じたら、なるべく生活リズムを崩さずに、規則正しい生活を心がけると良いでしょう。
生活リズムはもちろん、ストレスも大きく自律神経に関わるため、ストレスを溜め込まない生活をするのも大切です。
普段の生活リズムと一緒に、現在ストレスになっていることはないか、悩みの原因はないか、といったことも見直してみましょう。
7.花粉情報をチェックする
花粉症の方は、花粉と触れる機会を意識的に減らすのも改善に有効です。
花粉の多い時期になると、テレビのニュースや天気予報などで、花粉情報について紹介されることが多くなります。
また、現在はスマホなどで簡単にその日の花粉情報を調べることができるでしょう。
出掛ける前に、どれだけ花粉が飛散しているのかをチェックして、花粉量が多い日にはなるべく外出を避けるのも1つの手です。
直接的な花粉情報が分からなくても、日中の気温が高い日や、晴れ・曇りの日、前日に雨が降った日、湿度が高いのに乾燥している日などは花粉が多く飛んでいるため、天気や気候を踏まえたうえで外出を決めるようにしましょう。
アレルギー対策で毎日快適な朝を!
花粉症やアレルギー体質の人にとってモーニングアタックはかなり辛く、寝覚めの悪さや不快感から一日を始めなければなりません。
面倒でもしっかりと対策を行う事で、不快な症状を抑え、気持ちよく朝が迎えられるようになります。
上記以外の花粉症対策や花粉の飛散時期については「つらい花粉症は改善できる?効果的な対策をまるっと公開!」でもご紹介していますので、是非ご覧ください。