お風呂場の隅や目地に着いてしまったピンクの汚れ、実は普通の掃除やカビ取り剤では効果が薄いという事をご存知でしょうか。
ピンク汚れの原因や効果的な落とし方など、家事で役立つ情報をお届けします。
お風呂のピンク汚れって何なの?その正体に迫る!
お風呂の汚れといえば、カビの汚れを真っ先に思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、真っ黒なカビとは違い、ピンクの汚れを目にすることもあるはずです。
ピンクの汚れもカビの一種だと思っている人は多いのかもしれませんが、じつは、ピンク汚れはカビとは違うものです。
カビとは違うことから、汚れの特性も異なり、対策・予防の方法も変わってきます。
そんなお風呂のピンク汚れについて、その正体や人間に感染するリスクも併せて紹介します。
汚れがピンクなのは原因となる細の色だった!?
お風呂の汚れとして一般的なカビは菌類に分類され、他には酵母・キノコも菌類に分類されます。
しかし、ピンク汚れの正体はバクテリアと呼ばれ、一般的には細菌に分類されるものです。
カビは多細胞生物ですが、細菌は単細胞生物という違いがあり、根本的に異なるものだという認識をもつことが大切になります。
カビが死滅するような環境であっても、細菌にとっては平気なことがあるからです。
カビに効果がある薬品であっても、あまり細菌には効き目がないということも理解しておきましょう。
ピンク汚れは、バクテリアの中でも「メチロバクテリウム」と呼ばれるものです。
主だった発生条件は水分・養分・湿度などお風呂に発生するカビに似ていることから、必然的にカビが発生するところにピンク汚れが起きやすくなります。
しかし、カビと決定的に違うところは、極めて乾燥に強いという特性があることです。
さらに、薬品にも強い耐性があるため、カビよりも厄介で頑固な汚れだといえるでしょう。
メチロバクテリアは人間に感染することもある?
メチロバクテリアが人に感染する症例は稀ですが、それでも絶対に感染しない細菌ではありません。
免疫の弱っている場合や、乳幼児・高齢者などはメチロバクテリアに感染してしまうことがあるのです。
メチロバクテリアに感染してしまうと、高血圧症・高脂血症・糖尿病といった基礎疾患が悪化したり、これに付随した症状が出ることがあります。
基本的には人間はメチロバクテリアに感染しないとされていますが、メチロバクテリアが体内に入ってしまうと、病気になることも充分に考えられるので気をつけなければなりません。
お風呂場のピンク汚れにはどうやって対処すればいいの?
メチロバクテリアは薬剤に対して耐性があるため、お風呂の洗剤やカビ取り剤を使っても、簡単にはキレイに洗い流せないということになります。
一見するとピンク汚れに効果的な掃除法がないように思えますが、実は意外と単純でシンプルな方法でピンク汚れを撃退できます。
下記で掃除方法や予防法を紹介していきますので、ぜひ日頃のお風呂掃除の参考になさってください。
簡単にピンク汚れを落とせる掃除法とは?
メチロバクテリアは、60℃以上の加熱処理によって簡単に殺菌できます。
つまり、熱湯を使って洗い流せば、お風呂の頑固なピンク汚れを簡単に洗い流せることになります。
しかし、火傷の恐れもあるので、その点は充分に注意して掃除をしましょう。
また、メチロバクテリアは薬品に対する耐性は強いですが、効果がない薬品がないわけではありません。
熱湯を使って掃除するのが怖いという場合、市販の洗剤でもピンク汚れに効力を発揮する商品も販売されているので、そういった洗剤を選ぶようにするといいでしょう。
予防法を実践することでピンク汚れをブロック!
60℃以上の加熱処理で殺菌することができるため、掃除のときに使うのではなく、掃除の仕上げに熱湯を用いることでピンク汚れの発生を予防することができます。
これなら火傷するリスクを下げ、意外と簡単にピンク汚れを予防することも可能です。
そして、カビとメチロバクテリアは発生条件が似ているため、水気や洗い残しのない様にするという事を意識してお風呂を掃除することも大切になります。
特に養分となるのは、石鹸・シャンプー・ボディーソープなどの残りカスです。
これらをしっかり洗い流すようにすることで、カビだけではなく、メチロバクテリアの発生を防ぐことができますよ。
お風呂上りに温度・湿度を下げることも大切!
メチロバクテリアは、膜の構造が特殊なため、黒カビよりも発生しやすいという難点があります。
一度綺麗に落としても、またすぐにピンク汚れが発生してしまった・・・という事も少なくありません。
そのため、毎日のお風呂上りに少し工夫をし、より確実に予防していくことも大切です。
お風呂から上がるときは、浴室全体に水でシャワーをかけ、石鹸などの残りカスを洗い流しつつお風呂場の温度を下げましょう。
また、浴室がしっかりと乾燥するまで一晩中換気扇を回す様にし、湿度を下げて水気を残さない様にしておきます。
浴室乾燥がついているお家であれば、水シャワーの後に乾燥運転を2~3時間ほど行う方が有効です。
この工夫は、ピンク汚れだけでなくカビの発生予防にも効果的ですので、お風呂の後の習慣にしましょう。