妊活中どれだけバランスの良い食事や適度な運動を心掛けていても、どうしても風邪を引いてしまうことがありますが、症状がひどいと仕事や妊活に集中できないので、できれば風邪薬を飲んで楽になりたいものです。
しかし、妊娠中は薬を飲んではいけないと聞きますから、ベビ待ちのタイミングでも薬を飲んでも良いのか悩む方も多いのです。
そこで今回は、妊活中に風邪薬を飲んでも良いのかどうか調査してみました。
妊活中なのにひどい風邪!風邪薬は飲んでも良い?飲む前に注意すべき点
一時的に飲む程度なら大丈夫。でも服用時期には気を付けて!
妊活中の受精する前の身体であれば、薬が胎児へ影響を及ぼす心配はないので、市販の風邪薬や胃薬、痛み止めなどを一時的に飲む程度なら問題はありません。
ただし、妊活中である限り、次の排卵日で妊娠する可能性や本人も気付かないうちに妊娠している可能性もあるので、薬を飲む前には生理周期をよく振り返り、妊娠していないかどうかを確認しましょう。
念のため、排卵日の前後1週間は薬の服用は避けた方が無難です。
その風邪は妊娠初期症状かも!?判断に迷ったら専門機関を受診しよう!
風邪を引くと発熱したり、身体がだるくなったりしますが、実は、妊娠初期にもこのような風邪に似た症状が出る場合があります。
妊娠初期は高温期が継続するため、風邪のように熱っぽく感じる人もいるのです。
そのため、安易に風邪薬を服用する前にまずは最後の月経を振り返り、本当に妊娠の可能性がないかを考えましょう。
妊娠しているかどうかはっきりしない場合は、自己判断で市販薬を飲まずに、産婦人科や内科で「妊娠している可能性もある」と伝えた上で妊婦でも使える風邪薬を処方してもらいましょう。
妊妊中の服薬が危険な理由とは?妊娠初期の服薬による胎児への影響
週数によって違う?妊娠初期の服薬による胎児への影響とは?
なぜ妊娠初期の薬の服用が危険なのかというと、ごく一部の薬に限定されますが、妊娠初期に服用すると胎児に奇形を起こす薬があるのです。
妊活中は、本人が気付かない間に妊娠している場合があるため、薬を服用する場合は十分気を付けなくてはいけません。
それでは、薬による胎児への影響について、週数ごとに見てみましょう。
受精前~妊娠3週末まで
この時期は、受精をしてもうまく着床できなかったり、なんらかの異常があったりして流産してしまう場合がありますが、うまく妊娠が継続した場合は、服薬による受精卵へのダメージは修復されていきます。
胎児の大事な器官もまだ作られていないので、この時期に服薬したことで胎児に奇形が現れることはありません。
ただし、C型肝炎治療用抗ウィルス薬など、一部の残留性のある薬は注意が必要です。
妊娠4週から7週末まで
中枢神経をはじめ胎児の原型となる大事な器官が作られるタイミングなので、いちばん注意が必要な時期です。
数は少ないですが、ワルファリンやメソトレキセート、抗てんかん薬など、この時期に服用すると胎児に奇形を起こす可能性のある薬も存在します。
妊娠が発覚する時期と重なりますので、予定通りに生理が来ていないなど妊娠の可能性がある時は、薬を飲まない方が良いでしょう。
妊娠8週~12週末まで
大きな器官の形成は終わるので大きな奇形は起こりませんが、一部の分化が残っているため小奇形が起こる可能性があります。
ホルモン剤やワルファリン、抗精神病薬など奇形を引き起こす可能性がある成分を含む薬には注意が必要です。
例えば、ダナゾール(製品名:ボンゾール)で女性外性器の男性化が起こるなど、形態異常を起こす事例があります。
妊娠13週以降
この時期になれば、服薬による胎児の奇形はほぼ起こりませんが、今度は胎児機能性障害や胎児毒性を起こすリスクが出てきます。
胎児は薬に対する抵抗力が低いため、大人よりも強く影響してしまいます。
服薬に関しては、痛み止めや風邪薬であっても、受診する病院の主治医に必ず相談するようにしましょう。
妊活中に避けたい薬とは?どうしてもその薬が必要な場合はどうする?
妊娠中に避けたい薬、慎重に使用したい薬は?
妊娠にあたって避けたい薬には、例えば抗菌剤や抗がん剤、ホルモン剤、風疹やおたふくのワクチンなどがあります。
また、避けるほどではないけれども、慎重に使用したい薬は、抗うつ剤や向精神薬、抗けいれん剤、利尿剤などです。
市販の風邪薬はほとんどこれらに当てはまらないので、特に持病のない人であれば、そこまで気にし過ぎる必要はないでしょう。
実は、妊活中に避けたい薬であっても、その薬が必要な場合もある?
上記に挙げたような妊娠に当たって避けたい薬であっても、その薬を必要とする人もいます。
持病がありその治療のために薬を常用している人は、突然薬を辞めてしまうと、かえって悪影響が出る場合があるからです。
例えば、てんかん患者さんが妊娠した場合、抗けいれん剤には胎児への奇形が報告されているものありますが、てんかんをコントロールするためには欠かせません。
このように、妊活中でも継続して飲まなければならない薬がある人は、必ずかかりつけの主治医に妊娠希望の旨を伝え、どの様にすれば良いか相談しましょう。
薬の量を減らしたり、より安全性の高い薬で代用したりするなどの配慮をしてもらえれば、胎児への影響を減らすことができるでしょう。