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不妊症の検査って何をするの?いつ病院に行くのがベスト?

子どもが欲しいと思っているのになかなかできなかったり、自分が妊娠できる身体なのか疑問に思ったりすると「もしかして私って不妊症なの?」と不安を抱くかもしれません。

でも、繊細な問題なだけに気軽に人に相談はしづらいですし、いきなり産婦人科に行くのは気が引けるという人も多いでしょう。

そこで今回は、不妊症の検査とは具体的に何をするのかお伝えしたいと思います。

自分が不妊症なのかどうかを知るために、不妊検査を受けることを考える際の参考にしてみてください。

不妊症を疑うべきなのは具体的にどういう状態?

不妊症を疑うべきなのは具体的にどういう状態?

性交渉をもっている状況で1年以上妊娠しないなら病院へ!

健康な男女が妊娠を望んで性交渉を実施している場合、1年以内に女性が妊娠する確率は80%以上といわれています。

日本産婦人科学会による定義では、不妊とは妊娠を望む健康な男女が避妊せずに性交渉を持っているのにもかかわらず1年以上妊娠しないこととしています。

したがって、妊娠したいと思って性交渉をもっている状況が1年以上続いても妊娠しない場合や、過去に生殖器に病気を経験したことがある人、年齢的な不安を感じている人等は不妊検査を受けたほうがいいでしょう。

晩婚の傾向にある最近では、結婚前にあらかじめ検査を受ける人も増えてきています。

不妊検査は、不妊外来のある産婦人科、不妊治療専門の病院、泌尿器科(男性のみ)で受けることができます。

妊娠に関する問題は女性のものと思われがちですが、男性に原因がある場合もありますので、不妊の検査はできれば夫婦そろってどちらも行いましょう。

基礎体温を測定する習慣を身につけましょう

病院での不妊症検査のために準備しておいた方がいいのは、基礎体温の測定です。

基礎体温を測定しておくと自分の体温の変化が記録に残りますし、医師にとっても不妊症の診断が進めやすくなります。

初めて病院を受診してから基礎体温を測定し始めると、検査の進行がその分遅れて時間がかかることが考えられます。

基礎体温は朝起きた時、布団の中でそのまま動かずに、体温計を舌の裏にあてて検温し、毎日記録をとってグラフにします。

最低でも3ヶ月は続けて測定し、グラフが低温相と高温相の2相になっているか等確認してみましょう。

体温の高低があまりはっきりしなかったり、低温相と高温相の温度差が0.3℃以下であったり、体温の高い時期が9日以内の場合は不妊症の可能性が考えられます。

基礎体温を測定することは自分が実際に不妊検査を受けるべきかどうかの参考にもなりますよ。

知っておきたい不妊検査の流れ女性編

知っておきたい不妊検査の流れ女性編

問診を受けてスケジューリング

不妊症かどうか検査を受けたいと思ったら、近くの産婦人科や不妊治療専門の病院を受診しましょう。

まずは問診やカウンセリングを受け、今までの病歴や妊娠・出産歴、生理の周期、生活習慣、妊娠の希望などを伝え、検査のスケジュールを組みます。(不妊検査はその日に行えるものだけではないので、何度か病院に足を運ぶことになります。)

その後、触診(内診)で腟や子宮、卵巣の痛みがあるか等状態を確認します。

この時に数ヶ月分の基礎体温表があると、検査がスムーズに進みます。

問診、内診に続いて基本検査を受け、その結果を受けてさらに精密な特殊不妊検査へと進みます。

基本検査ってどんなことをするの?

ホルモン検査

一般の血液検査と同じ要領で採血し、血液中のホルモン値を測定することにより、排卵障害がないか、またその原因や黄体機能不全がないか等を確認します。

超音波検査

腟内にプローブという検査器具を挿入し、子宮・卵巣の状態をモニターに映して観察、子宮筋腫の有無などを確認します。

また、排卵前には卵胞の成長具合を測定し、さらに尿検査など他の検査結果と照合することで排卵日を予測します。

排卵後の検査の場合は、受精卵が着床可能な子宮内膜の厚みがあるか、排卵はきちんと行われたか等をチェックします。

子宮卵管造影検査

生理が終わって排卵が起こる前の期間に、腟から子宮口にカテーテルを入れ、造影剤を注入しX線撮影を行い、子宮の奇形や筋腫、卵管の詰まりが無いかや、組織の癒着などを調べる検査です。

カテーテル挿入時や、造影剤が卵管の狭い部分を通る際に痛みを感じる可能性がありますが、痛み止めを使用できる場合もあるので、不安な方はあらかじめ医師に相談してみましょう。

卵管通気検査・通水検査

膣からカテーテルを子宮に入れ、生理食塩水や炭酸ガスを注入し、卵管の通りを調べる検査です。

子宮卵管造影に比べると、X線撮影がない分、被爆の心配もなく簡便な検査になります。

ただし、画像の結果ではなく医師の感覚をもとに検査結果が出るため、精度面では造影検査の方が安定しています。

また、通水することにより卵管の通りがスムーズになり、その後一時的に妊娠の確率が上がるともいわれています。

フーナーテスト

性交後の子宮頸管粘液を採取し、精子が頸管内に入っているか、精子の数や活動量を検査顕微鏡でチェックする検査です。

事前に予測した排卵日付近で性交渉をもち、検査の精度を保つためになるべく12時間以内に検査を行います。

この検査を行う事により、頸管粘液の分泌について調べられるだけでなく、パートナー(男性)に不妊となる要因がないかどうかも判別することが可能です。

たとえば、粘液の中にある精子数が一般よりも少ない、あるいは精子の活動量が低下している等の問題が発覚した際には、再度テストを行ったり、男性の不妊検査をすすめることになります。

基本検査で原因がわからないときは、特殊不妊検査へ

基本の不妊検査で原因がわからなかった時や、さらに詳細な検査が必要な場合、より精密な「特殊不妊検査」に進みます。

内視鏡で子宮内膜ポリープや子宮粘膜下筋腫などをチェックする子宮鏡検査、排卵後に子宮内膜を採取し着床に適している状態かをチェックする子宮内膜検査、染色体組織に異常がないか確認する染色体検査等があります。

また、基本検査のフーナーテストで精子が見当たらなかった場合は、女性の血液中に抗精子抗体がないかをチェックする抗精子抗体検査を行います。

入院が必要な検査としては、おなかに小さな穴を2~3ヶ所あけ、腹腔鏡で卵管や卵巣の癒着の有無などをチェックする腹腔鏡検査があります。

この検査では全身麻酔をかけた状態で検査を行う必要があるので、入院前の検査において、肺・心臓などの機能検査やレントゲン撮影なども併せて行われます。

その他、磁場を用いてCT検査のように体の断面像を撮影できるMRI検査では、子宮や卵巣形態の詳細な情報が得られるため、子宮筋腫や子宮内膜症病変の見つかりやすく、他の不妊原因となる卵管水腫等の病気も見つけることができます。

知っておきたい不妊検査の流れ男性編

知っておきたい不妊検査の流れ男性編

男性の基本検査は精液検査

男性の不妊症も検査したいという場合は、産婦人科、泌尿器科または不妊治療専門の病院で不妊症の検査を受けることが可能です。

男性の不妊検査もまずは問診から始まり、過去の病歴、生活習慣を確認し、その後に触診・視診、性器の状態を調べて基本検査である精液検査を行います。

精液は、2~7日の禁欲期間の後に、用手法で全量を病院で採取、または持参した精液を顕微鏡で観察し、精子の数や活動状況、奇形率などをチェックします。

持参する場合は自宅で採取後20℃~30℃程度に保持して2時間以内に検査を受ければ病院で採取した値とほぼ同様の結果になるといわれています。

その後、場合によっては泌尿器科で精密検査を受けることになります。

男性の精液性状は日によって変動するため、結果があまり芳しくなかった場合でも、再度検査をしてみたら問題ないとされることもあります。

精液検査で異常があったときは泌尿器科で検査

泌尿器科においても、まずは問診を受けて、過去の病歴、勃起や射精等の現在の性生活状況の確認をします。

その際外陰部の診察、精巣サイズの測定、男性不妊症の原因として多くみられる精索静脈瘤の有無などを触診で行います。

次に、血液中の男性ホルモン(テストステロン)や性腺刺激ホルモン(LH、FSH)、場合によってはプロラクチンなどを調べる内分泌検査を行います。

これによって精液異常の原因を調べることができます。

また、精子の数があまりにも少なかったり無精子症だったりした場合、染色体検査や遺伝子検査を行う場合もあります。

その他、精子の機能を調べる検査、精嚢や射精管の形態を調べるMRI検査、勃起能力を調べる検査など、状態や病状によって様々な検査が行われます。

男性専門の不妊検査が受けられるところはまだ少ない

最近では男性不妊専門クリニックも出てきましたが、それほど数は多くありません。

精液検査やホルモン検査は産婦人科でも行っているところが多いので、これから受診しようとしている病院ではパートナーと一緒に受けたい検査を受けられるかどうか、検査スケジュールには柔軟に対応してもらえるかなど、事前に確認して受診しましょう。

ただし、産婦人科は女性の患者が圧倒的に多いので、男性が足を踏み入れるのはなかなか積極的になれないという方が多いのも事実です。

そのため、最初に不妊症の検査を受ける病院を決める時に、夫婦一緒に検査を受けることも考えて病院を選ぶのが良いでしょう。

様々な検査を通しても、原因がわからないことも!

様々な検査を通しても、原因がわからないことも!

不妊症には多種多様な原因があり、一通りの検査をしても原因がわからないこともしばしばあります。

同じ検査でも時期によって調べられる内容が異なったり、それぞれの検査ごとに時間も費用もかかり、身体への侵襲や負担が伴うものもあるものです。

また、受ける病院によってかかる費用は様々なため、保険適応の検査のなかでも差があるだけでなく、保険適応外の検査になると金額が万単位で変わってくる可能性もありえます。

ですから、不妊症検査の流れや内容を踏まえて、自分がどこまで検査をするのかある程度意思を固めておくことも重要です。

検査内容や費用、リスクについてしっかりと医師から説明を受けて確認し、納得したうえで検査に臨むようにしましょう。