妊娠すると常に気になるのが「流産」についてですよね。
せっかく授かった命が失われるのだけは避けたいものです。
流産になる確率や原因を理解し、出来ることなら予防したいものでしょう。
どうして流産になるの?生じる確率と5つの原因
妊娠したら、後は子供が産まれるまで待つだけと思っている人もいますが、妊娠には常に「流産」というリスクが付きまといます。
流産とは、赤ちゃんが早い時期に亡くなってしまい、赤ちゃんが子宮外で生育していけない“妊娠22週”より前に妊娠が終了してしまうことです。
何事もなく無事に出産に至れる人もたくさんいますが、なかには流産または流産しかかった人もたくさんいます。
流産の確率は、妊婦さん全体のおよそ1割から2割と言われています。
さらに詳しく流産の起きる時期を見ると、8割が妊娠12週未満の「早期流産」で、2割が妊娠12週以降22週未満の「後期流産」です。
原因①赤ちゃんの染色体異常によるもの
早期流産のうち、6割から7割が「赤ちゃんの染色体異常によるもの」です。
流産に最も多い原因で、卵子と精子が出会って受精したときにはすでに決まっており、誰にも防ぐことが出来ません。
流産すると「私が悪い」と罪悪感を感じていまう人が多いですが、染色体異常によるものは誰のせいでもないのです。
また、母体の加齢につれてこの染色体異常が起きる可能性は高くなっていきます。
高齢出産と言われる年齢の妊婦さんは、この染色体異常による流産が多いです。
原因②母体の体質などによるもの
前述したように、早期流産の主な原因は赤ちゃんの染色体異常によるものですが、その他では「母体の体質などによるもの」も考えられます。
主なものとしては、子宮筋腫や子宮奇形、不育症などが挙げられます。
これらが原因による流産は、後期流産でもよく見られ、決して珍しいものではないのです。
これらが原因で流産した場合は、再度妊娠するためには治療をする必要がありますが、無事乗り越えて再び妊娠・出産した人もたくさんいます。
原因③子宮頸管無力症によるもの
後期流産の原因で考えられるのもの1つに「子宮頸管無力症」というものがあります。
子宮頸管無力症とは、子宮近くにある頸管と言われる部分の力が弱く、頸管が赤ちゃんの成長による重みに耐えられなくなる状態です。
子宮頚管が開いてしまうと赤ちゃんが体外に出てきてしまうため、妊娠を継続することができず、流産となっていまいます。
子宮頸管無力症は過去に子宮の手術を受けたことがある人や生まれつきそういう体質であるという人もおり、妊娠する前に自分が子宮頸管無力症であることを予測するのは難しいです。
原因④生活環境や生活習慣によるもの
後期流産の原因になり得るものに「生活環境や生活習慣によるもの」があります。
- 妊娠中に激しい運動をする
- 体に負担のかかる重たいものを持つ
- 過労や過度のストレスがかかっている
このような状態は流産のリスクが高まってしまうため、お腹に圧がかかるようなことや疲れを溜めこむようなことは、母体にもお腹の赤ちゃんにもよくありません。
また、妊娠中の喫煙や飲酒などの習慣も流産のリスクが高まると言われており、妊婦さんはお酒やタバコを控える必要があります。
原因⑤感染症によるもの
おたふく風邪やりんご病などの感染症は、妊娠中に感染すると流産の原因となる可能性があります。
妊娠中、ママの体と赤ちゃんは繋がっているので、ママが感染した病気によって赤ちゃんの命が危険に晒されることもあるのです。
また、性病(性感染症)の中にも流産のリスクとなるものがあり、妊娠前~中の感染を防ぐことが大切です。
いくら感染した母体は軽く済んでも、お腹の中の赤ちゃんも必ずしも無事であるとは限らないので、感染症には気を付ける必要があります。
流産を予防するためには何ができる?
流産を防ぐことができるのなら、できるだけそうしていきたいものです。
早期流産は、染色体異常など医療やママの力ではどうにもならない事もありますが、他の原因や後期流産であれば流産を予防するために出来ることがあります。
ここでは、流産の予防法についてお伝えしていきますので、妊娠中の方やその旦那さんはしっかり確認しておきましょう。
妊婦検診をしっかりと受ける!
母体の健康や赤ちゃんの発育を診るための妊婦検診は、母子の命を守るためにとても大切なものです。
妊婦検診はお金や時間がかかるので、なかには面倒に思う人もいますが、妊婦検診によって早めに流産の兆しがわかることがあります。
早期流産の場合は、流産の前兆があってもどうすることもできないケースもありますが、時期や原因によっては、流産の兆しを早期に発見することで防げるものもあるのです。
また、下腹部に違和感があったり、少量でも出血があるなど気になる症状があれば、「次の妊婦検診の時に診てもらおう」などと思わず、すぐにかかりつけの病院を受診することおすすめします。
手術や投薬など医療の力を借りる
子宮頸管無力症でこのままだと流産してしまう可能性が高い人や、赤ちゃんは生きているけど出血やお腹の張りがある切迫流産の人は、医療の力を借りることで流産を予防することが可能です。
例えば、子宮頸管無力症であれば子宮口を縛る子宮頸管縫縮術という手術をするという方法がありますし、切迫流産であれば投薬や入院などで流産を予防できることもあります。
これらの方法を取ったからといって必ず流産を予防できるというわけではありませんが、何もしないよりは流産の可能性は低くなります。
生活内容を見直すようにする
最近では、妊娠しても臨月目前の産休に入るまで、仕事をする妊婦さんが多くなりました。
そのため、多少体が辛くても無理をして、頑張りすぎてしまう人もたくさんいます。
仕事を頑張るのは素敵なことなのですが、お腹の赤ちゃんのことを考えると今のままの生活ではいけません。
また、普段からストレスの多い生活を送っていて、ストレス発散に飲酒や喫煙をしている人もいるかもしれませんが、妊娠したらその生活を改める必要があります。
もし、これらのような生活内容が原因で流産してしまった場合「私があの時無理をしたからだ」「私がお酒やたばこをやめなかったからだ」とずっと後悔することになるでしょう。
流産を予防するためにも、今の生活内容をよく見直し、仕事がきついようであれば上司に相談してみたり、飲酒や喫煙の習慣がある人はキッパリと禁酒禁煙をするよう心がけましょう。
感染症の予防をしっかりとしておく
前の章でもお伝えしましたが、妊娠中で怖いのは「感染症」です。
感染症の種類によっては流産に繋がるものがあるので、これらをしっかりと予防することが流産の予防にも繋がります。
外出時はマスクを付けたり、出先から帰宅したら手洗い・うがいを徹底し、感染症の予防をしましょう。
妊娠してしまうと受けられませんが、妊娠前の女性やご家族は、予防接種を積極的に受けるのもおすすめです。
つわりなどがある妊娠初期は、栄養が偏って免疫が落ちている人もいますが、基本的な感染症予防だけでもしっかりととっておきましょう。
感染症が流行っている時期は、人が大勢集まるような場所には行かないようにするのも予防法の1つですよ。
また、ママ1人が感染症を予防しても、家族の誰かが感染すると周り巡ってママに感染する確率が高くなります。
家族全員で感染症予防して、みんなで赤ちゃんを守りましょう。
赤ちゃんの生命力を信じつつ、ママも穏やかに過ごそう!
流産は妊娠12週未満に起きるものが多く、ママや医療の力ではどうにもならないものや予防しようがないものが大半です。
後期流産は予防できるものもありますが、完全に予防したつもりでも命に絶対はないので何があるかはわりません。
しかし、取れる予防法があるのなら、それを実践しておくに越したことはありませんよね。
予防法を取ったら、あとは赤ちゃんの生きようとする力を信じて、ママは無理をせず安静に過ごすのが1番と言えるでしょう。