「赤ちゃんがなかなかできないから、病院で検査をしてもらおうかな。」
そんな風に思っても、料金や、どんなことをするかがわからないとなかなか一歩が踏み出せないですよね。
そこで今回は、不妊検査の流れや費用など、受診前に気になる点をまとめてみました。
不妊検査って・・・基本的な流れを知ろう!
不妊検査と言うと女性が受けるイメージが強いかもしれませんが、「不妊の原因は男性が半分!早めに知りたい原因・リスクを解説」にもあるように、男性が不妊の原因だったという事もありえます。
不妊検査を検討するのは女性の方が先という夫婦が多いですが、どちらか一方だけが検査や治療を行い、なかなか成果が出ずに時間ばかりが経ってしまうなんて言うことは避けたいところです。
そこで今回は、夫婦でまずは不妊検査を受けられるように、男性と女性両方の不妊検査の流れをご紹介したいと思います。
不妊検査はどこで受けられる?
そもそも、不妊検査を受けようと思ったらどこに行けばいいのでしょうか。
女性であれば婦人科かな、と思いつきやすいですが、男性だとどこにまずは相談すればいいのか悩んでしまうかもしれません。
一番確実なのは、不妊治療専門の病院に夫婦で行くことです。
でも、それはちょっと敷居が高い・・・と思う場合には、婦人科へ夫婦で行くと同じように検査を受けることができます。
男性だけが婦人科に行くのは少し勇気がいると思うので、夫婦一緒にというのが一番良いでしょう。
不妊検査って何回通うの?
不妊検査、というと1日で終わるのかな、と思う方もいるかもしれませんが、実は女性と男性とではかかる日数が変わります。
男性の場合は、たいてい1日で検査は終了しますが、女性の場合は最低でも4回、期間にして約1ヶ月かかります。
なぜなら女性の不妊検査の場合は、初診の後には、初期検査、精密検査と順を踏んで進んでいくのですが、初期検査の時点で月経や排卵前後で行う検査など、女性の体の周期に合わせた検査が行われるためです。
この初期検査で原因がわからなかった場合には、精密検査を行うので更に日数はかかります。
こういった点が、女性の方が不妊検査や治療が大変だと言われてしまう所以です。
心と身体の負担はどうしても女性の方が多くなってしまいますね。
検査ってどんなことをするの?
まずは夫婦で病院を訪れたら、問診等の初回の診察を受け、男性は精液検査と感染症を調べるための血液検査を行います。
病院によっては、精液検査は自宅で採取して、専用容器で病院へ提出することも可能です。
女性の場合は一回の検査では終わらず、月経等の周期によって受ける検査は異なります。
全てを受けなくてはならない訳ではなく、体の状態や希望などによって実施する検査項目異なるので、今回は基本的なものだけご紹介します。
初診時
まずは、時期に関係なく受けられる検査を行います。
- 内診、超音波検査:女性器の異常、腫瘍などの確認
- 子宮頸がん検診:不妊治療による進行のリスクを確認
- クラミジア抗原検査:クラミジアの感染の有無
その他にも時期を選ばないものとして、性感染症の検査や風しん抗体検査なども受けられます。
希望する方は、抗精子抗体(精子を異物として認識し、攻撃してしまう抗体)を調べるホルモンの検査も、時期を選ばず行えます。
月経3~5日頃
月経の前半で行う検査と後半で行う検査に分かれますが、前半では下記の血液検査が行われます。
- 甲状腺機能検査:甲状腺由来の排卵障害、不育症などの確認
- ホルモン検査:卵巣や子宮の機能不全、排卵障害などの確認
月経7日から12日目頃
月経の後半では、
- 子宮卵管造影:子宮・卵管の形態異常、癒着の有無などの確認
- 卵管通水検査:卵管の通り具合、異常の確認
などの検査を勧められることが多いです。
排卵期
不妊検査は、排卵前後で検査を行うことが多いのですが、下記の検査などが行われます。
- エコー検査:子宮の厚み、卵胞の大きさなどを確認
- 頚管粘液検査:卵巣の機能等の確認、排卵時期の推測
- ヒューナー(フーナー)テスト:夫婦生活後に来院し、精子や粘液などの状態を確認
高温期
基礎体温を計ることが大前提として必要なのですが、高温期に行う検査もあります。
- 黄体ホルモン測定:子宮内膜の状態、異常の有無を確認
その他精密検査
初期検査で原因がわからなかった場合、精密検査へとステップアップしていきます。
他の病気が原因の可能性があるので、腫瘍マーカーや子宮内膜の病理検査などを行うこともあります。
不妊検査はいつ受けるの?注意点はある?
ここまで、具体的な不妊検査の内容を見てきましたが、では一体不妊検査はいつ何に気をつけて受ければいいのでしょうか。
受診に悩んでいる方は、タイミングや注意点もしっかり理解し、より安心して病院へ行きましょう。
不妊検査を受けるタイミング
まず、不妊検査のタイミングは気になったら早めに受診することをおすすめします。
基本的に、妊娠を希望して約1年夫婦生活を営んでいるにも関わらず、妊娠しなかった場合には受診するようにと言われています。(以前は2年と言われていましたが、ライフスタイルの変化や結婚・出産年齢の上昇などにより、1年に変更されました。)
更に具体的に、女性の場合は体の周期があるので、どのタイミングで受診すればいいのか悩ましいですが、まずは初診で相談をすることで、次回の受診日を教えてもらえます。
不安な気持ちで体調を崩してしまったり、月経周期がずれてしまうこともありますので、検査を受けたほうがいいかも、と心配になったら早めに受診するといいかもしれません。
受診のときにはここに気をつけて!
男性の場合は体の周期は関係がないのでいいのですが、女性の場合は検査も時期によって異なるので、受診前にやっておくといいことが一つあります。
それは、基礎体温を1ヶ月以上記録しておくことです。
なぜなら、初診の際にその結果を見せることで、スムーズに次回の受診日などの相談が行いやすいからです。
どうしても、体の周期で受診日が決まるので、会社に勤めていたりすると受診の予定が取りにくいですから、少しでも予測ができると、自分の仕事の調整もしやすいと思います。
また、基礎体温の結果を見て、お医者さんからもより具体的な検査・治療の提案をしてもらえるので、ぜひきちんとつけた表を持参してみましょう。
不妊検査って高いんじゃないの?総額でかかる料金はいくら?
ここまでまとめてきたように、何度も受診するとなると費用が心配ですよね。
ただ、女性の検査の多くが保険適用の検査となるので、自己負担額は3割負担になります。
保険適用でも高額になるとすれば、子宮卵管造影検査で、だいたい7000円くらいが保険適用後の価格としてかかってきます。
その他、血液検査や超音波検査は1回1500円程度の価格ですし、保険適用外の血液検査であっても1万円以下のものが多いです。
そのため、検査の内容によって大きく異なりますが、多く見ても4万円ほどあれば一通りの検査が可能です。
男性の検査はほとんどが自費で行いますが、例えば精液検査は一般的に5000円くらいでできますので、全部あわせても1~2万円程度で検査が行えます。
とても高額というわけではありませんが、自費診療は病院によって値段が変わるので、受診予定の病院で検査費用を確認しておくと安心です。
不妊検査は、流れを知れば安心!まずは気負わず相談を
具体的に不妊検査についてまとめてみると、やはり男性と女性とではかかる負担が全く違いますね。
特に働きながらの不妊検査、不妊治療は体の周期があるので、融通がきかず大変な思いをすることも多いようです。
ただ、何も知らずに不妊検査を受けるのとは違い、どういったことをどのタイミングで行うのかがわかっていれば、予定も立てやすくなると思います。
そして、男性も女性がこういった検査をするということを知っていれば、思いやりをもって奥さんに接することもできそうですね。
また、病院の先生と相談しながら、通院の予定を調整することももちろん可能ですから、仕事で都合がつきづらい場合は受診時に相談してみましょう。
不妊の原因がわかれば、早めに次の治療ステップに進むことができますし、信頼できる先生かどうかは検査を受けていく中でわかってくると思います。
漠然と不安を抱いたままでは精神衛生上もよくありませんから、まずは一歩、踏み出してみましょう。