赤ちゃんが欲しい、と思って始める妊活。そんな妊活の中でも、まず取り組みやすいのがタイミング法かもしれません。
ただ、曖昧な知識で始めてもただただ時間がかかってしまうだけです。
今回は、タイミング法の正しい方法や、通院のタイミングなどをまとめてみました。
妊活のスタートはタイミング法から
まず妊娠を希望する人が思うことは、排卵日の前後で夫婦生活をしなくては、ということだと思います。
言うまでもないことですが、妊娠するには卵子と精子がベストなタイミングで出会う必要があります。
なぜなら、卵子と精子の寿命はとても短いからです。
例えば卵子は排卵してから長くても24時間、精子は48時間くらいです。
しかも、女性の体で作られる卵子が排卵されるのは、基本的に毎月1個だけ。
そう聞くと、赤ちゃんが産まれてくるまでにたくさんの奇跡が起きている、と言うのもあながち言い過ぎではないですよね。
タイミング法って?何でタイミングを判断するの?
そもそもタイミング法とはどういうものなのでしょうか。
簡単に言えば、最も妊娠しやすい時期を狙って夫婦生活を行うことです。
妊娠を望む女性なら、基礎体温を計ることでだいたいの排卵日は把握できていると思います。
もし基礎体温を計っていない場合は、すぐにでも始めてください。
朝、起き上がる前に口の中に体温計を入れて体温を計り、その体温をグラフにまとめるだけでだいたいの排卵日がわかります。
最近では記録用のスマートホンアプリもありますし、体温計が自動でアプリに計測結果を飛ばしてくれるものもあるので、とても便利です。
さらに、排卵日チェッカーを使用するとほぼ正確に排卵日を知ることができます。
排卵日チェッカーは、ドラッグストアやインターネット通販で購入することが可能で、尿をかけるだけで約1日前に排卵日がわかるものです。
このあたりかな、と思うタイミングで毎日使うことでほぼ正確な排卵日を予測することが可能です。
タイミング法のベストタイミングって?
排卵日がわかるなら、受精卵の寿命が24時間であることからも、排卵日当日に夫婦生活をすればいい、と思う人もいるかもしれません。
しかし実は、一番妊娠の可能性が高いタイミングは排卵日の2日前なのです。
その次に確率が高いのは、排卵日の前日と言われています。
つまり、排卵日の6日前から約48時間おきにタイミングを取るのが理想的だと言えます。
ということは、だいたい週3日は夫婦生活を行う計算になります。
アメリカの論文でも、妊娠した人を調べたところ、2日に1回でタイミングを取れた場合は33%の妊娠率と出ており、毎日行う場合の37%と比べてもそこまで変わりません。
やはり、お互い仕事をしていたりすると、毎日というのも大変ですよね。
無理せず行うなら、排卵日2日前を狙って出来る範囲で実施するのが、ストレスなく続けられそうです。
不妊治療のタイミング法とは何が違う?
実は、不妊治療の一つとしてもタイミング法は存在します。
この場合のタイミング法は自己流とは違い、きちんと医学的な根拠で医師が夫婦生活のタイミングを指導してくれます。
例えば、排卵日は基礎体温でだいたいわかると先程言いましたが、100%の正解率ではありません。
女性の体も繊細なので、ちょっとしたストレスで体温が変化したり、計り方が悪くて正しい体温が計れていなかったりする場合もあります。
そうすると、この日だ!と思った日が実は違った、ということは十分にあり得ます。
生理が今月は早いな、遅いな、と前後することが毎月あることからも、正しい排卵日の予測は難しいことがおわかりいただけると思います。
しかし病院であれば、卵子が卵巣内でどのように成熟しているかなども含め、経過観察が可能です。
そのため、自己流とは違い排卵時期を正確に予測することができるという点が、婦人科で指導してもらうメリットです。
タイミング法って自己流でもいいの?
では、自己流で行っても無意味なのではないか、と不安に思う人がいるかもしれません。
しかし結論から言うと、まずは自己流で行ってみるべきです。
なぜなら、不妊症でなければ約1年で7割近くのカップルが妊娠すると言われており、排卵日前後で夫婦生活をすることでかなりの確率で妊娠することが可能なことがわかっているからです。
それでは、ここからは具体的な妊娠の確率についてまとめてみましょう。
タイミング法で本当に妊娠できる?医師に相談するならいつが良い?
やはり、気になるのは自己流のタイミング法で本当に妊娠することが可能なのかどうか、ですよね。
その疑問を、具体的な妊娠成功率から紐解いていきましょう。
タイミング法の妊娠成功率ってどれくらい?
かつてアメリカで妊活を始めた200組の妊娠結果をまとめた論文が書かれており、その結果から簡単にまとめてみます。
タイミングの各週期あたりの妊娠率は、下記のような結果が出ました。
- 1週目:200組のうち59組(30%)
- 2週目:137組のうち41組(30%)
- 3週目:95組のうち16組(17%)
- 4週目:78組のうち12組(15%)
200組のうち100組が2週目までに妊娠している計算ですね。
また、2週目までの妊娠率が高く、そこからは徐々に減っていくことが数字からわかると思います。
自己流をやめるならこの時期!
では、実際に自己流で妊娠しなかった場合、どのタイミングで病院に行くべきなのでしょうか。
やみくもに続けていても、不安が募るばかりですよね。
先程の論文の実験結果では、6週目以降はほぼ1桁のパーセンテージに妊娠率は下がっていきます。
日本産婦人科学会では約1年自然妊娠しなければ一度病院で検査を行う方がいい、と定義していますので、目安として1年試してみて妊娠の兆しがなければ、一度病院に行くことをおすすめします。
通院ってどこに行けばいいの?
1年続けて妊娠しないな、不安だな、と思った時、女性は婦人科に行くと不妊検査を行うことが可能です。
男性の場合は泌尿器科で検査を行うことも可能ですが、できれば夫婦で一緒に検査を行う方が良いので、婦人科もしくは不妊治療の専門機関へ行くことをおすすめします。
不妊治療の専門機関と言っても、一般の不妊治療を行うクリニックから、体外受精を行うような専門病院までありますので、まずは一般的な不妊治療のクリニックへ行くので十分だと思います。
とてもデリケートな問題ですし、先生との相性も大事なので、「まずは検査や相談をしてみよう」という気軽な感じで通院すると良いでしょう。
不安は早めに解決!夫婦で協力してスムーズな対応を
人間は、不安やストレスで体調を崩しやすいですし、中でも女性はとても繊細です。
仕事の疲れや日々のストレスで月経周期が崩れた経験は、誰にでもあることだと思います。
妊娠は奇跡の連続と言われるくらいなのに、不安で体調が崩れてしまったら、より一層妊娠しづらくなってしまうかもしれません。
基本的な不妊検査であれば保険診療内で行うこともできますので、少しでも不安なら、1年と言わず半年くらいで検査に行くのもありだと思います。
妊娠しづらい理由には、他の病気が隠れている場合もありますので、健康診断のようなつもりで受診するのもいいですね。
それに、もし妊娠しにくい原因がわかれば早くから対処ができるというのもメリットです。
いずれにしても、妊活はタイミング法を正しく行うことからの出発です。
ぜひ、女性は自分の体調変化を捉えるためにも、基礎体温のチェックからスタートしてみてくださいね。