妊娠中は身体の変化に驚きと戸惑いの連続かと思いますが、妊娠中の「むくみ」を気にする人も多いのではないでしょうか?
今回は、お家でも簡単に試せるむくみ対策について詳しく調べていきたいと思います。
妊娠中はむくみやすい!?多くの妊婦さんが感じたむくみはなぜ起こる?
そもそもむくみってどんな状態?なぜ起こるの?
皮下組織の細胞と細胞の間の水分が異常に増加してしまった状態の事をむくみ(浮腫)といいます。
主な症状としては、「朝目が覚めて鏡を見た時に、顔が腫れぼったい」「夕方になると下肢がむくむ」「履いていた靴が窮屈に感じる」「急な体重の増加」などがあげられます。
体重の急な増加に関しては、脂肪分の増加と水分異常からくるむくみか区別しにくい部分もありますが、足のすねの部分を指で強く押し、指の形にへこみが出来ればむくみと判断出来ます。
むくみが重症化すると3~4日で10㎏も体重の増加がみられることがありますが、肥満の場合はこのような極端な増加は見られない事も判断の1つとなります。
足のむくみは、立ち仕事やデスクワークなどにより長時間同じ姿勢を続けていると、全身の血流の流れが悪くなり、さらに加えて重力の影響を受け、体内に不要な水分が下半身にたまってしまう事が原因です。
また、締め付けのきつい下着の着用も、血流が妨げられむくみに繋がります。
女性は、月経中に女性ホルモンの分泌量が増える事により、血管が拡張されるためよりむくみやすい傾向にあります。
顔のむくみは、顔の皮下組織に水分が溜まったことでむくみが起こります。
水分は高い所から低い所へ流れていくので、朝の起きた時が1番顔がむくんで腫れぼったく見えます。
その他に、前日に多量の飲酒をすると血中のアルコール濃度が上がり、血管が拡張し静脈やリンパによっての水分の処理機能が上手く作用しないことでむくみやすい状況となってしまいます。
どうして妊娠中はむくみが起こりやすいの??
むくみは、妊娠後期によく起こるトラブルの1つにあげられますが、近年では冷え性の方やワーキングマザーの増加に伴い、妊娠初~中期でも見られるようになりました。
妊娠中になぜむくみが起こりやすいのかというと、妊娠する事によって母体の体重が増加・また胎児の血液を確保する為に血液量が増えますが、腎臓の働きが追い付かずむくみを引き起こしてしまいます。
また、妊娠するとエストロゲンの分泌量が増え、その作用で皮下組織に普段より水分を溜め込みやすい状態となる事も、1つの原因と言えます。
妊娠も後期に進むにつれ、お腹の中で大きくなる胎児により骨盤内が圧迫され下半身の血流が心臓の方へと戻りにくくなる事で、特に下半身がむくんでしまうという事になります。
しかし、妊娠中にみられる生理的なむくみの中には、妊娠高血圧症候群が原因となっている可能性もあります。
特に、妊娠後期でのむくみに加え急激な体重の増加や、血圧の上昇が気になる方はかかりつけの病院で早めに相談しておくと不安も解消され安心でしょう。
むくみの解消と予防がしたい!お家で気軽に試せる方法を紹介
食べ物でもむくみ予防!美味しく食べつつむくみを抑えよう
塩分の摂り過ぎはNG!減塩した食事を!
塩分の多い食事は、むくみだけでなく血圧の上昇にも繋がり、妊娠高血圧症候群を引き起こしてしまう事もあるので摂り過ぎには注意が必要です。
塩分を控える対策としては、お味噌汁など普段より味を薄めにして調節したり、中の具材をたくさんいれ汁を少なめに取るなどで、いつもの食事も少しの工夫で塩分を控える事が出来ます。
また、サラダなどの直接ドレッシングなどを掛けがちな料理も、直接かけるのでなく小皿にドレッシングを入れつけながら食べる事で、自分で意識して控える事ができ無理なく減塩生活を続ける事が可能です。
その他、ベーコンやハムなどの加工肉、かまぼこやはんぺんなどの魚を使用した練り物などには塩分が多く含まれている為、摂取量は控えめにしておきましょう。
カリウムが豊富な食材を適度に取ろう!
カリウムには、体内の余計な塩分を尿として排出を促してくれる効果があります。
そのため、美味しく食事を楽しみつつもむくみの解消にもなります。
しかし、カリウムの過剰な摂取は心臓への負担が大きく掛かる事で不整脈を誘発してしまったり、頻尿になる事で肝臓の負担が重くなってしまうので、あくまで適度な量を取り入れるように注意しましょう。
カリウムが豊富に含まれる食材は下記となります。
食材 | カリウムの多いもの |
---|---|
野菜 | ほうれん草・里芋・きゅうり・モロヘイヤ・サツマイモ |
魚・海藻 | ひじき・わかめ・鮎・煮干し・あじ・さわら |
肉 | 鶏ささみ・豚ひれ・豚もも |
果物 | バナナ・すいか・アボカド・干し柿・干しぶどう |
その他 | 納豆・切り干し大根・豆腐・鰹節・きなこ |
妊娠中でも安心なノンカフェイン!飲み物にも工夫を!
普段は冷たい飲み物やコーヒーなどを、好んで飲んでいた人も多いと思います。
しかし、普段の飲み物を変えるだけでも、体の冷えやむくみの予防をする事は出来ます。
たんぽぽ茶はビタミンやカリウムが豊富で、むくみの解消・血行が良くなるだけでなく、冷え症の改善や食物繊維による便秘解消も期待できます。
コーヒー豆の代わりにたんぽぽを焙煎させた「たんぽぽコーヒー」は、ノンカフェインでコーヒー好きの方にはオススメです。
また、コーン茶もタンポポ茶と同じくカリウム・食物繊維・鉄分などが豊富に含まれているので、こちらもむくみやお通じ改善に効果があります。
コーン茶は、ほんのりした甘みと香ばしさがありまさにとうもろこしを食している感じとなります。
その他、スーパーオキシドジムスターゼ(体に悪さをする活性化酸素と結びつき排除してくれる)という抗酸化作用のある成分やマグネシウム・カリウム・亜鉛・ミネラルを含んだルイボスティーは、香りもよくクセも弱いのでとても飲みやすくなっています。
普段の生活の中でもむくみの解消と予防をしよう!
冷えは大敵!足を温めつつマッサージを!
お腹の重みで骨盤が圧迫されむくみがちな足は、血行を良くする事が大切です。
ゆっくり入浴して足を温めつつ、ふくろはぎを下から上へとリンパを流す感じで軽くマッサージすると血行がよくなりむくみも軽減されます。
また、洗面器などお湯が溜められる深い容器にお湯をため気軽に足湯をするのも冷え予防にもなりいいと思います。
足湯をする際は、お湯でのやけどや足湯の準備の際のお腹の負担などに気を付けながら行いましょう。
軽いストレッチやウォーキングをしてみよう!
運動不足もむくみの一因となりますが、なかなか妊娠中は運動も出来ないと思います。
体調や経過が順調であれば、負担のない程度にストレッチなどを行い身体を動かすのも、むくみだけでなく気分転換にもなります。
また、近場の買い物を歩いていったり、散歩程度のウォーキングも気軽にできるのでオススメです。
しかし、妊娠中は体調も変わりやすいので、医師にまず聞いてみて、体調がいい時に無理のない程度で行いましょう。
寝る時に試したい!着圧ソックスもむくみに効果的!?
むくみを改善する方法では、就寝時や休息時に足元にクッションやまくらなどを入れ、足の位置を高くして眠るだけでも効果はあります。
高さは20センチ位を目安に寝にくくない高さで行いましょう。
また、特殊な生地を使い、足に適度な圧力をかけることでむくみを改善させる「着圧ソックス」の使用も効果的です。
市販で販売されているものは、医療用とは違い強い圧力はかからないので安心して使う事ができますが、1日中はき続けるのでなくメリハリをつけ(朝はつけず夜のみなど)、足を着圧した状態から解放する時間を作る事も必要です。
着圧ソックスをはいた時の効果は人それぞれですので、必ずしもすべての人のむくみ改善がされるわけではありません。
また、ソックスをはく事で皮膚がかぶれたり、違和感を感じたら使用はすぐにやめて、医師に相談して下さい。
すっきり解消!むくみやすい妊娠中だからこそ予防はしっかりと!
妊娠中のむくみは多くの人が経験すると思います。
足がむくんで疲れを感じたりけだるいと、動くのも億劫になりがちで余計に悪循環となってしまいます。
むくみの予防・解消には、食生活の見直しや適度な運動で簡単に行う事ができるので、出来る事からはじめて快適な妊婦生活を楽しみましょう。
妊娠中も活用できる、その他のむくみ対策は「【プロ執筆】むくみを撃退!原因から見る効果的な解消法」でもご紹介しています。
専門家執筆のコラムですので、ぜひ併せてご覧ください。