今までは、老齢年金を受け取るために受給資格期間が25年必要でしたが、平成29年8月から10年に変更されました。
受給資格期間が短縮されたことで、今まで期間が足りず受け取ることができないことになっていた人も、10年資格期間があれば年金を受け取ることができるようになりました。
「年金の話となるとなんだか難しそう…」と感じてしまうかもしれませんが、それが25年から10年に変わったことで具体的にどういう変化が起こったのか見てみましょう。
受給資格期間が25年(300月)→10年(120月)へ!
そもそも資格期間ってなに?
資格期間というのは、国民年金保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間のことです。
※ここにはサラリーマンの期間(厚生年金保険や共済組合等の加入期間)や、年金制度に加入していなくても資格期間に加えることができる期間(カラ期間)を含みます。
その資格期間が原則として今までは25年必要でした。
たとえば、年金保険料を15年間払っていたとしても、受給資格期間の25年に満たなかったので、せっかく15年払っていたのに年金を受け取ることができなかった…ということです。
それが今回の変更で、10年間年金を支払っていれば年金が受給できる様になりました。
年金を払うのは10年間だけでよくなったの?
そうなると、それ以上は払わなくていいのかと考えてしまうかもしれませんが、そういう事でもないというのがこの年金制度の難しいところです。
なぜなら、将来自分が受け取れる年金の額は、自分が納付した期間に応じて決まるからです。
これまで通り、20~60歳までの40年のすべての期間で不足なく年金保険料を納めていれば、65歳からは老齢基礎年金が満額で支給されます。
保険料を全額免除された期間の年金額は1/2(平成21年3月分までは1/3)となりますが、あくまでも保険料の未納期間は年金額の計算の対象期間になりません。
平成29年4月分からの年金額は、40年間納めて満額で779,300円。
その資格期間が10年の場合は、受け取れる金額も概ねその4分の1(約194,825円)だけということになります。
一見、年金の支払いが10年で良いと聞くと嬉しい気持ちになりますが、将来受け取れる金額を考えると、「果たして10年間だけでいいのか…」と考えてしまいますね。
この制度の変更を機に、退職後の生活まで思いを巡らせ、夫婦でライフプランを立ててみるのはいかがでしょうか。
年金受け取りには手続きが必要!
少し先の話になりますが、両親世代の年金受給もありますので、受け取り手続きについても知っておきましょう。
年金受け取りの対象者には、日本年金機構より黄色の封筒で「年金請求書(短縮用)」が本人宛に送付されます。
受け取りには手続きが必要なので、「ねんきんダイヤル(電話番号0570-05-1165)」にて予約の上、手続き漏れのないように気を付けましょう。
年金の決定後は、「年金証書・年金決定通知書」が送付され、支払われることとなっています。
年金の受け取り手続きについては、日本年金機構の公式HPに詳しく掲載されています。
60歳からでも年金受取額が増やせる!
60歳から保険料を納める、未納分の過去5年分遡って納めることができる
条件に該当する希望者は60歳~65歳までの5年間保険料を納付することで、受け取れる年金の金額を増やすことが可能です。
また、資格期間が10年に満たない場合は最長70歳まで国民年金に任意加入することで資格期間を増やし、受け取れるようにすることができます。
他にも、平成30年9月までは、過去5年以内に支払い忘れてしまった保険料分を申し込みにより後納することで、年金を受け取れるようになったり、金額を増やしたりすることが可能となります。
年金制度は今後も変わる可能性アリ!
受給資格が25年から10年になったことで、今まで無年金であった方も年金を受け取ることができるようになりました。
しかし、年金制度はこれからも加速が見込まれる少子高齢化社会を見据えても、国家政策により今後も変化していく可能性がありますので、最新の政策や情報に気を付けていきましょう。