最初はスムーズに進んでいた離乳食も、進んで行くと一筋縄にはいかないことも出てきますよね。
食材や調理法のお悩みも多いと思いますが、意外と苦戦するのがお腹の悩みなのです。
実際に「もう◯日出てないんです。病院に行った方がいいですか?」「先生!週末になるとウンチが出ないんです!どうして?」と相談にくるお母さんは毎年いらっしゃいます。
今回は離乳食期の赤ちゃんの便秘について、分りやすく解説していきたいと思います!
どうして赤ちゃんが便秘になるの?
安心してください!赤ちゃんが便秘になることは珍しいことではありません。
とは言っても「どうして?」「大丈夫なの?」と心配になるのが親心でしょう。
赤ちゃんの便秘のメカニズムを知って、出来ることから便秘解消のチャレンジをしてみてください!
離乳食と便秘の関係性
原因その1:腸の成長が追いついていない
特に離乳食に移行する時期に多い赤ちゃんの便秘ですが、その頃、まだまだ腸は成長過程の中にあります。
今まで水分がメインのミルクだけを分解してきた腸が、固形のものを消化しなければならないのですから、機能が追いつかず消化不良になることも多いのです。
多少の便秘は「腸が頑張っているんだなぁ」「成長しているんだなぁ」とのんびり見ていて大丈夫です。
離乳食の段階を上げたばかりの時期に便秘が続くようなら、食材の硬さや大きさなど、段階を少し戻して様子を見るのも大切です。
その子に合わせてゆっくり進めていきましょうね。
原因その2:水分不足
圧倒的に多い便秘の原因は水分不足です。
保育園で週末だけ便秘になるお子さんの半数以上はこれが原因でした。
保育園の生活の中では2時間に1回は保水の時間があり、小さなコップ1杯(約50cc)をその都度飲みます。
それに加えて保育園の離乳食の献立では、必ず食事の際にスープが出ます。
ほとんどのお子さんはおかわりをするので、子ども用茶碗に2杯はしっかり飲んでいます。
それからごちそうさまをする前に番茶1口、食後に満腹になるまでミルクを飲み、お腹はタプタプです!
でも振り返ってみてください。離乳食を始める前はミルクだけでしたよね?ミルクはほぼ水分なのです。
離乳食を始めると、水分以外の食べ物でお腹が満たされ、圧倒的に水分不足になります。
そのため、生活の中で意識的に水分を取るようにすることが大切になってきます。
時間を決めたり、生活の活動の節目に保水タイムを作るようにすることで、積極的に水分を摂るようにすると良いでしょう。
便秘注意報!病院に行くサイン
4日に1度しか出なくても、ウンチがスムーズに出ていれば問題ないこともあります。
5日ほど出ない日が何度も続いていたら注意してください。
- 硬いウンチが続いている
- 肛門が切れている
- ウンチをするときに苦しそう
- 食欲が減った
- 体重が増えない
上記の中で当てはまるものがあれば、かかりつけ医に相談しましょう。
離乳食期に試したい便秘対策
赤ちゃんと一緒だと、病院に行くのも一苦労。
風邪の流行っている時期など、なるべく病院に足を踏み入れたくない時もあると思います。
病院に行く前に自宅で便秘が解消出来たら一番嬉しいですよね。
食べ物や簡単な対処法をご紹介しますので、出来ることからチャレンジしてみましょう。
便秘にオススメの食品
便秘解消に良いとされている食品の中でも、離乳食期に安心して食べられる食品を選びました。
日々の献立に積極的に取り入れていきましょう。
バナナ
栄養価も高く、食物繊維も多いバナナ。子どもも大好きですよね。
常温で持ち運びできるので、お出かけの時のおやつにもオススメです。
保育園では蒸しパンやケーキに入れるのも人気でした!
ヨーグルト
食欲がない日でも食べやすいのでオススメです。
フルーツにかけると同時に食物繊維も取れるので一石二鳥ですね。
「ヨーグルトを食べると下痢しちゃう」という方は、脂肪分の少ないものを選んでみてください。
根菜
芋類・人参・大根・ごぼうなどの根菜類を、積極的に取れていますか?
根菜は食物繊維が多く、便秘対策に効果的な食材なのですが、連絡帳などを見ているとご家庭で食べることが少ないように思います。
お味噌汁やコンソメスープなどに小さく切って柔らかく煮ることで、離乳食中期でも食べられます!
離乳初期でお芋がパサつく時は、牛乳で少し伸ばすとなめらかになるので試してみてください。
ブロッコリー
意外と知られていないのがブロッコリーです。
緑黄色野菜で食物繊維が多く栄養価が高いので、ぜひ日頃から献立に入れたい食品です。
モサっとした食感が苦手なお子さんは、汁物に入れると美味しく食べることが出来ますよ。
外からの刺激で便秘解消しよう
外からの刺激で腸を動かすことも、便秘解消にとても効果的です。
赤ちゃんはお母さんやお父さんに触れてもらうのが大好きです。スキンシップの1つとして是非はじめてみてください。
お腹マッサージ
赤ちゃんを仰向けに寝かせて、のの字を描くようにお腹をさすってあげましょう。
赤ちゃんの内臓はデリケートなので、力加減に気をつけてください。
少しお腹が凹む程度の強さで十分です。
下半身の運動
仰向けに寝かせ赤ちゃんの足を持って、曲げ伸ばし運動をしてみましょう。
立っち前の赤ちゃんでも、脇や手を持って支え立ち→お座りを繰り返ししたり、あんよの練習をする動きも便秘に効果的です。
奥の手!綿棒浣腸
どうしてもウンチが出ない時の最終手段です。
綿棒にベビーオイルかオリーブオイルをつけ、仰向けに寝かせた赤ちゃんの肛門にゆっくり挿入します。
綿棒の先端2センチほどを入れたら、ゆっくりと肛門を広げるように3周ほど綿棒を回します。
肛門からゆっくり引き抜きます。
この時赤ちゃんのおしりを畳んだタオルなどに乗せ、少し高くするとやりやすいです。
綿棒浣腸は刺激が強く、癖になりやすいので頻繁には行わないようにしてください。
綿棒での刺激でウンチをするのが癖になると、自力でいきんでウンチが出来にくくなってしまいます。
1ヶ月に1度くらいを限度にすると良いでしょう。
ウンチは赤ちゃんからの大きなサインです!
赤ちゃんは言葉で“痛い”“苦しい”などの意思疎通が出来ません。
一回一回のウンチは体のバロメーターです。赤ちゃんからのサインを見逃さず、体調の変化やSOSに気付いてあげましょう。
そのためには、毎日の普段の様子を知っておくことが大切となります。
食事の記録と一緒に、ウンチの色や硬さ、回数など必ず記録しましょう。
「おや?」と思うことは書き留めておくと、振り返る時にとても便利なのでオススメです。
離乳食期は進み具合などで不安になることも多いと思いますが、先へ急がず“今のその子の様子”にゆっくり向き合ってあげることが、便秘解消の一歩にもなるでしょう。