「ガーデニングをしてみたいけれど、難しそう・・・」そんな方にオススメなのが、初心者でも簡単にできるベランダガーデニングです。
マンションでも一軒家でも、ベランダと少しの知識があればガーデニングをはじめられますよ。
ベランダガーデニングを始める前に気を付けたいこと
最近、自宅のベランダを使って花や野菜の栽培を楽しむ人が増えています。
ベランダガーデニングというと狭そうなイメージがあるかもしれませんが、レイアウトや小物を工夫することで、開放的でお洒落な空間を作ることができます。
まずは、ベランダガーデニングを始める前に気を付けたいことを確認してみましょう。
ベランダの環境をチェックしよう!
いちばんにすべきことは、ベランダの環境チェックです。
例えば、日当たりの善し悪しで育てられる植物が限定されたり、排水溝や室外機の位置によってガーデニングのスペースが決まってきたりします。
ベランダ環境のチェックポイント
ベランダの向き:向きによって日照時間が変わり、季節によって太陽の位置が変わる。時間と季節に合わせてコンテナ(植木鉢)を移動させる工夫が必要。
風通し:柵の形状によって変わる。柵フェンスと違ってコンクリートフェンスは風通しが悪いので、棚を置くなどコンテナを高くする工夫が必要。
ベランダの広さ:物干しスペース・避難経路までガーデニングが及ばないよう注意。人が通るスペースを確保するため、コンテナの量を調節する。
排水溝の位置:プランターから出た余分な水や雨水を流すため、排水溝の上には何も置かない。
エアコン室外機:室外機の前は植物を置けない。(排気と排水によって植物が枯れてしまいます。)
ベランダガーデニングでやってはいけないこととは!?
自宅のベランダといっても、マンションやアパートの場合、左右と上下は他所のお宅のベランダになります。
ベランダガーデニングを継続して楽しんでいくためにも、「ベランダガーデニングでやってはいけないこと」をきちんと把握し、最低限のマナーを守りましょう。
特に、2階以上のベランダでは、物が落下しないように注意が必要です。
ベランダガーデニングの禁止事項
手すりの外側へものをかける:落下すると危険。
ガーデニングが隣家のベランダへ及ぶ:隣人に迷惑が掛かる。
非常用ハッチや非常口を隠す:自然災害に備えて常に見えるようにする。
高い所にものをたくさん置く:風にあおられて落下する危険がある。
室外機の前に植物を置く:排水や排気で植物が枯れる。
物干しスペースとガーデニングスペースが重なる:衛生上も景観上も良くない。
排水溝をコンテナでふさぐ:排水できず冠水する可能性がある。
フェンスそのものにものを置く:風にあおられて落下する危険がある。
※その他、マンションの規約等を確認してから始めましょう。
初心者でも簡単!ベランダガーデニングの始め方とは?
事前の注意事項が確認できたら、いよいよベランダガーデニングの始まりです。
ガーデニングを始めるにあたって、必要な道具を揃えたり、土や肥料、苗などを用意したりする必要はありますが、まずはベランダガーデニングの「テーマ」を考えてみましょう。
ベランダの空間をどのように使いたいかという方向性さえ決まれば、自然とレイアウトや必要な植物が決まってきます。
ベランダガーデニングのテーマを決めよう!
ベランダガーデニングのテーマとは、例えば「どんな植物を育ててみたいか」、「どんな雰囲気の空間にしたいか」、「何のためにベランダガーデニングをするのか」などです。
見た目の雰囲気だけでなく用途も踏まえて色んな角度から考えてみましょう。
ベランダガーデニングのテーマ例
- ハーブをたくさん育てて香りを楽しみ、ハーブティを手作りしてみたい。
- 子どもと一緒にトマトを植えて観察し、収穫、調理まで楽しみたい。
- レトロなアンティーク雑貨をたくさん置いて、ジャンクガーデンを作りたい。
- ベランダを好きな色の花でいっぱいにしたい。
- 日当たりが良過ぎるので、目隠しや日よけのために植物を利用したい。
テーマに沿ってレイアウトを考えよう!
ベランダのテーマが決まったら、次はレイアウトを考えます。
空間にまとまりを出すためには、自分の理想とするテーマをいつも頭に描きながらレイアウトを考えましょう。
レイアウトに迷ったら、「この植物(鉢植え)を一番見てほしい!」という主役を決めるのも一つの方法です。
また、狭い空間に広さを出したい場合は、棚などを利用すれば高低差とワイド感を出すことができます。
ただし、植物は成長すると形が変化するので、成長した時の大きさや動線に注意しましょう。
レイアウトを考える4つのポイント
- 奥行きや高さを意識した配置にする。
- 主役、魅せる部分を決める。
- 室内から見た時の様子も考慮する。
- 植物の成長や動線を考慮する。
初心者の第一歩「寄せ植え」を作ってみよう!
壮大なガーデニングテーマを決めた人もいるかもしれませんが、最初の一鉢を枯らしてしまうと幸先が悪いので、初心者の方はまずは育てやすい植物から始めましょう。
手始めにコンテナを用意し、数種類の花を植える「寄せ植え」を作ってみるのがオススメです。
初心者さんにオススメの育てやすい植物例
- 花:パンジー、ペチュニア、ネモフィラ、ゼラニウム、ベゴニア、マーガレットなど
- 野菜:ミニトマト、キュウリ、ナス、ピーマン、シシトウ、オクラなど
- ハーブ:バジル、ローズマリー、イタリアンパセリなど
- 果物:ブルーベリーなど
必要な道具を揃えよう!
ベランダガーデニングをスムーズに進めるためには、必要な道具を事前に揃えておくことが大切です。
ジョウロ一つをとっても様々なデザインのもがあるので、自分の好みやベランダのテーマに合ったものを選べば気分も上がります。
ベランダガーデニングの必須アイテム9点
- 移植ゴテ:土入れ、根を切る際に利用。
- 土入れ:シャベルよりこぼれないので便利。
- 園芸ハサミ:種類が多いので、用途に応じて使いわける。
- ジョウロ、霧吹き:霧吹きは葉っぱの裏に使う。
- 水差し:口が狭いためジョウロよりピンポイントに水やりできる。
- 水受け皿:水と土の流出を防ぐ。
- 鉢底ネット:土の流出と害虫の侵入を防ぐ。
- 支柱、針金入りビニル紐:ぐらつきを防ぐための必需品。
- 小箒:飛び散った土を集める。普通の箒でも代用可
テーマに合わせてコンテナ(プランター)を選ぼう!
コンテナは、実に様々な種類とデザインがあります。
自分の思い描く理想のテーマに沿いながら、植物の特徴に合わせたコンテナを選びましょう。
底に穴があって水通りさえ良よければ、何でもコンテナとして利用することができますが、狭いベランダでは置けるコンテナの数は限られます。
コンテナの素材や色に統一感を出せば、ベランダ全体にまとまりが出て美しくなります。
市販されているコンテナの種類
- 直置きタイプ:ポット、ローボウル、スクエアポット、ストロベリーポット、横長プランターなど
- 壁掛けタイプ:ウォールバスケット、ウォールポットなど
- 吊り下げタイプ:ハンギングバスケット、ハンギングポットなど
コンテナの素材による特徴
- 素焼き:通気性が高く育てやすい。重い。倒れると割れる場合がある。
- プラスチック:保水性、耐久性に優れる。価格がお手頃。
- 木製:どんなベランダにも合わせやすい。通気性が良い。
- 金属製:デザイン性に優れている。耐久性、保水性が高い。サビには注意。
- 紙製:通気性には優れているが半年で廃棄する必要あり。
土と肥料を選ぼう!
良い土と良い肥料選びはガーデニングの基本になります。
ガーデニング初心者の人にとっては、扱いやすく経済的な市販の「草花用培養土」が手軽です。
肥料のやり方ついては、「元肥」と「追肥」の2種類があり、元肥は植え付け前に土に与える肥料、追肥は生育に応じて後から追加する肥料です。
肥料の種類としては、「緩効性(ゆるやかな効果が長時間続く)」と速効性があります。
ベランダガーデニングを始めるときは、まず培養土の中に元肥が入っているかどうかを確認し、なければ緩効性の肥料を寄せ植えする時に施す様にしましょう。
尚、速効性の肥料は、効果がすぐに表れるものの、効果が薄れるのも早いという性質があります。
そのため、寄せ植えを始めるときでなく、追肥として使用します。
初心者だと肥料の違いがよく分からないことも多いですが、用途によって違うということを覚えておきましょう。
寄せ植えする際のポイントとは?
植物の高低で変化をつけると、初心者でも簡単に立体感のある寄せ植えができます。
長く寄せ植えを楽しむためには、つぼみが多い花を選ぶこともポイントです。
いきなり植えずに、苗がポットに入った状態で並べ替えながら出来上がりイメージを作っておくと失敗しません。
寄せ植えが1つできれば自信がつくので、どんどんベランダガーデニングを発展させていくことができるでしょう。
寄せ植えの行程例(横長コンテナの場合)
コンテナの中に花をポットのまま並べ、出来上がりのイメージを作る。
コンテナの底の穴の上に鉢底ネットを置く。
土を3分の1入れる(元肥入り)
花の苗をポットから出して入れる。
ポットから出た根鉢の上部をほぐす。
苗をイメージ通りに端から順に配置。
苗と苗の隙間に培養土を土入れで少しずつ足す。
細長いもの(菜箸など)で培養土を押し奥まで入れる。くぼみができたら土を足す。
苗と苗の隙間がなくなれば完成。
さらに寄せ植えをお洒落にする工夫5選
- カラーリーフを活用する:タイム、ヒューケラ、クローバー、コプロスマ、ベアグラスなど
- 色計画を考える:同系色でまとめると失敗が少ない。反対色は互いの色を引き立てる。
- 鉢の中で花の形を変える:大きい花と小花を組み合わせるとメリハリが出る。
- 白い植物をクッションにする:「白」はどの植物とも相性が良い。
- オーナメントを飾る:ベランダ全体が明るく華やかな雰囲気になる。
ベランダガーデニングで豊かな生活を♪
本物の土や緑・花に触れられるガーデニングは、人の心を安らげるとても良い趣味になります。
プレゼントでもらったり、花屋で気軽に購入できる切り花も良いですが、植物の成長を楽しみながら命を感じるガーデニングは、また異なる豊かさを生活にもたらします。
特にマンション住まいの場合だと、「ベランダが狭いから・・・」と考えがちですが、実は初心者は狭いスペースから始めた方がデザインしやすいため、マンションの方が向いていることもあるのです。
洗濯物を干すなど、ベランダを実用的な空間として考えがちですが、「小さな庭」「もう1つのリビング」と捉えて、花や緑に囲まれた優しい空間を作ってみてはいかがでしょうか。