アイロンがけは、なんと80%以上の方が苦手意識を持っている、家事の中でも厄介なものです。
少しでも楽にアイロンがけをこなすための、手順や工夫を紹介しています。
アイロンがけを楽にするための事前準備とは!?
アイロンは、慣れていないと変な位置にシワがよってしまったり、手間取っているうちに時間が掛かり過ぎたりして、億劫に感じてしまうものです。
そこで、今回はアイロンが苦手な人にも簡単にできる「シワの伸ばし方」を紹介したいのですが、その前にまずは準備段階に注目しましょう。
実は、アイロンをかける前の準備段階から、シワ伸ばしを簡単にするコツがあるのです。
アイロングッズは一カ所にまとめておこう!
アイロンのシワ伸ばしをスムーズに行うためには、洗濯後すぐにアイロンがけに取り掛かれる環境が大切です。
そのため、アイロンに使うアイロングッズは、いつでも一カ所にまとめておきましょう。
アイロングッズ一覧
- アイロン
- アイロン台
- 霧吹き
- 当て布(ハンカチで良い)
- タオル(粗品でもらうような薄手の綿)
- アイロン仕上げ剤(例:花王キーピングシリーズ)
洗濯する段階からシワにならない工夫をしよう!
シワ伸ばしを楽にするコツは、衣類を洗う段階から始まっています。
水分を含んだ状態でシワがよると、乾燥してもそのシワが残ってしまうので、まずはシワがよりにくい洗い方・干し方を心掛けましょう。
シワがよりにくい洗い方・干し方のコツ
- シワになりやすい洗濯物はネットに入れて洗濯する
- ワイシャツは第一ボタンをとめる
- 柔軟剤を使う
- 脱水時間は3分程度にする
- 脱水後は放置せず、縫い目の部分を引っ張って伸ばしてから干す
初心者でも安心、アイロンがけの基本の技7つを紹介!
それでは、実際にアイロンを使う際の簡単なシワの伸ばしの方法を説明していきます。
アイロンは、焦ってあてると余計なシワが増えてしまうので、1か所ずつ丁寧にあてた方が最終的には早くアイロンがけを終えることができるでしょう。
衣類についた「取扱い絵表示」をよく見よう!
アイロンは温度を間違えると、生地が溶けたり、ツルツルになったり(アタリという)する場合があります。
化学繊維でできた衣類の場合、一度ツルツルになったらもう元には戻りません。
アイロンをあてる前には、衣類についている取り扱い絵表示を必ず確認し、表示にある温度かそれ以下の温度でアイロンをあてるようにしましょう。
アイロンの適温マーク一覧
アイロンマーク | 温度 | 素材 |
---|---|---|
「・」または「低」 | 低温(110℃) | アクリル・ポリウレタン・アセテートなど |
「・・」または「中」 | 中温(150℃) | 毛・絹・ナイロン・ポリエステル・キュプラ・レーヨン |
「・・・」または「高」 | 高温(200℃) | 綿・麻 |
「×」 | アイロンがけ禁止 |
ドライとスチームを使い分けよう!
たいていのアイロンには「スチーム機能」が付いていますが、スチームを使わずにかける場合(ドライ)とスチームでかける場合の違いをご存じでしょうか。
ドライは、「アイロンの熱だけで衣服のシワを伸ばす方法」で、スチームは、「大量の熱い蒸気で生地をシワになる前の状態に戻す」方法です。
どちらを使えば良いかは、生地の成分によって異なります。
なお、スチーム機能がないアイロンでも、洗濯直後の衣類がまだ湿っている状態でアイロンをあてるか、霧吹きで洋服を湿らせることでスチーム効果を得ることができます。
ドライが相応しい場合
- 綿や麻の生地にアイロン用の仕上げ剤を使う時
- 合成繊維(ポリエステル等)にアイロンをかける時
- 絹など薄い物が洗濯後の濡れた状態でアイロンをかける時
スチームが相応しい場合
- ウールやニットのシワをとる時
- ワイシャツやパンツにしっかり折り目をつけたい時
- セーターの形を整えたい時
- 薄手の綿を綺麗に仕上げたい時
衣服の細かいパーツからアイロンをあてよう!
温度とスチームの設定ができましたが、慌ててかけ始めてはいけません。
まずはアイロンをあてる順番を押さえましょう。
アイロンは、基本的に衣服の中の小さいパーツからあてていきます。
例えば、シャツであればヨーク(肩のパーツ)、襟、袖、腕、身頃、背中という順です。
スラックスの場合は、お尻側の腰回り、前側の腰回り、ひざ、折り目のライン、という順になります。
人間というものは、習慣化すると動きが早くなるので、毎回アイロンをあてる順序は固定した方が作業効率は上がるでしょう。
アイロン台を活用し、アイロンをあてる前にシワを伸ばそう!
ようやくアイロンをあてる段階になりましたが、シワが残ったままアイロンをあててしまうと、余計なシワがついてしまう可能性があります。
こうした失敗を防ぐためには、アイロンを当てる前に生地を手のひらでしっかり平らにすることが重要です。
例えば、シャツのヨーク部分であれば、襟が上になるように置き、アイロンを当てたくない背中の部分はアイロン台の手前の外へ垂らすようにして避けます。
シャツの腕であれば、縫い目が下になるように揃えた上で腕全体を平らになるように伸ばしておきます。
また、シャツの腕や身頃、パンツにアイロンを当てる場合、生地が二重になります。
生地が重なっていると下側の生地にシワがよりやすいので、特に気を付けて伸ばすようにしましょう。
どうしてもシワがよる場合は、生地の端側にアイロンの中央部をあて、先端部分をわずかに浮かしてかけると、折り目はしっかりつき、余分なシワを防ぐことができます。
アイロンは両手を使って!織り目にまっすぐに!
ようやくこれからアイロンをあてるわけですが、ここが一番難しいポイントになります。
生地にはヨコ目とタテ目があり、ヨコ目に沿ったり、縫い目に対して斜めにアイロンをあてたりすると、生地が伸びてヨレヨレになってしまうのです。
よって、アイロンは生地の縦の織り目に沿ってまっすぐに進めましょう。
しかし、まっすぐに進めているつもりでも、シワがよることもあるのがアイロンの難しいところです。
その場合は、アイロンを持たない方の手で衣服を軽くつかんで引っ張るようにして生地を伸ばしながらあてるようにしましょう。
両手を使うことで、まっすぐシワにならずにアイロンをあてることができ、時短につながります。
当て布を有効活用しよう!
最後に、忘れてはいけないのは「当て布」や「下にタオルを敷くこと」です。
例えば、ポケットやファスナーなど細かい部品がついているところは、当て布をした上からそっとアイロンをあてます。
飾りがついていても、当て布さえあればスムーズにシワが伸ばすことができるのです。
シャツの前立であれば、アイロン台とシャツの間にタオルを挟み、前立ての裏側から一気にアイロンをあてるとボタンを気にせずあてることができます。
前立てが綺麗だと、シャツが綺麗に見えてきますよ。
アイロンをかけ終わったらすぐハンガーにかけよう!
アイロン後、すぐに衣服を畳んでタンスにしまってはいけません。
少しでも水分が残っていれば、そこからまたシワができる可能性があるからです。
そのため、アイロンが終わった衣服は、すぐにハンガーにかけて干すようにしましょう。
最後の水分が抜けてしっかり乾燥すれば、ほとんど型崩れすることはありません。
さらに、シャツの第一ボタンを止めておけば、襟の形も綺麗に維持できます。