妊活という言葉を聞くと、女性が行うものというイメージが強いかもしれません。
しかし、最近では男性の妊活というものも、注目されているのをご存知ですか?
確かに妊娠は女性だけではできませんから、男性の妊活があってもおかしくありません。
では、具体的にどんなことをすればいいのか、気になりますよね。
夫としてどんなことができるのか、知識としてぜひ持っておいていただきたい情報をまとめてみました。
男性の不妊について知っていますか?
そもそも、男性の不妊にはどういうものがあるのか、きちんと知っている人はどのくらいいるのでしょうか。
不妊治療と聞くと女性が病院に通うイメージがありますが、実は不妊の原因の半分は男性側にあるといいます。
しかし、男性側の不妊についての知識がないために夫婦揃っての通院が遅れ、不妊治療自体が遅れてしまった・・・ということも多いといいます。
かといって、「もしかして自分に原因があるのかも?」と思っても、なかなか検査に踏み切れなかったり、産婦人科に行くことができなかったりする気持ちもわかります。
そこで、どんな不妊原因があり得るのかを、まず知ることから妊活を始めてみましょう。
男性不妊の原因となる病気・状態
主に、精液中の精子の状態で症状は分けられます。
奇形精子症:遺伝子異常などで奇形の精子が精液中に多い場合のこと。
無精子症:精液中に精子が全く無い状態のこと。
乏精子症:精液中の精子が少ない状態のこと。
勃起や射精障害:病気だけでなく、ストレスなど心因性の原因でなることも。
女性がストレスで月経不順になってしまうように、男性もストレスで精子の健康状態が悪くなってしまう、ということがあります。
そして、もしこういった症状がある場合でも、顕微授精などを行うことで妊娠につなげることができますので、子どもを諦める必要はありません。
中には、外科的な手術を行うことで改善する疾患・状態もありますが、まずは不妊検査を産婦人科や専門病院で受けることが大切です。
当然のことですが、原因がわからなくては治療も始められませんから、今の自分の体としっかり向き合う日を作りましょう。
しかも、不妊検査は夫婦で一緒に受けることが何よりも重要です。
男性だけで産婦人科に訪れるのも勇気がいるものですし、奥さんと一緒に検査を受けに行くことをおすすめします。
そして、男性はだいたい1日で検査が終わることがほとんどですから、あまり気負いすぎずに、まずは検査を受けてみてください。
男性側に不妊の原因があるのはどのくらいの割合?
では、不妊とされる夫婦のうち、男性が原因だったとされる割合はどのくらいなのでしょうか。
不妊治療を女性が多く行うことから、男性の割合は少ないのではと思われがちですが、そんなことはありません。
実は、男性側に原因があるケースは約半数の48%ほどと言われています。
不妊の原因の男女比を見ていくと、男性だけが原因の場合が24%、男女ともに原因がある場合が24%となっています。
不妊が女性特有の問題、とは言えないのがよくわかりますね。
ただ、こういった事実がなかなか知られていないというのが現状ですから、「もしかしたら、自分にも関わる問題なのかもしれない」と思うだけでも妊活の第一歩です。
女性側も「自分だけが苦労している」「主人は何も考えてない」「全然協力してくれない」と嘆くのではなく、まずは男性の不妊というものがあることをパートナーに伝えるのも重要です。
妊娠は二人のものですから、正しい知識を夫婦で共有していくのが大切なのかもしれませんね。
妊活は男性にも必要?
「妊活って、女性が主に行うものでしょう?」そう思っている男性の方は多いかもしれません。
ただ、不妊原因の割合が約半数なのであれば、男性も女性と同じように妊活をする必要があると思いませんか?
男性も女性も同じように、精子と卵子は健康であるに越したことはありません。
元気な精子と卵子が出会わなければ、もし受精卵になってもそこから赤ちゃんは育たない、ということもありえます。
数々の奇跡が起きて赤ちゃんは産まれてきますので、赤ちゃんが元気に成長できるように準備するのも大切です。
また、不妊になってしまう前にできることがあるのであればぜひ備えたいですよね。
ここからは、男性の妊活に特化して方法などを見ていきましょう。
男性の妊活ってどういう事をすればいいの?
では、具体的にどんなことを男性は妊活で行えばいいのでしょうか。
女性はサプリメントを飲んだり、食べ物に気をつけたりということを行っていますが、男性も同じように体調管理を行うことはとても大切です。
男性は健康な精子を作ること、つまり「精子力」アップを目指すと考えるとわかりやすいかもしれないですね。
気をつけるのは日常生活から
日常生活の中で少し健康などに気をつけるだけでも、実は妊活になります。
例えば、禁煙するというのも妊活のうちの重要な一つです。
喫煙は健康を害するという面ももちろんですが、血流が悪くなったり、精子のDNA構造を傷つけてしまうという場合もあるそうです。
また、パソコンを膝に長時間置いて操作をするのも、避けた方がいいと言われています。
なぜなら、精子はとにかく熱に弱いからです。
精巣の機能を保つには、35度くらいが適温と言われています。
意外にもパソコンは熱を帯びやすいですし、熱中していると長時間熱い温度に下半身を当ててしまっていた!ということもありえます。
膝での作業は避けるようにしましょう。
また、同じような理由で長時間の高温での長風呂や、サウナにも気をつけた方がいいですよ。
禁欲は実は間違いだった?
たくさんの精子があった方がいいのならば、「禁欲してから夜の夫婦生活をした方がいいのでは?」と思いがちですが、実はそれは間違いです。
確かに精子がたくさんあれば、受精する確率も上がりそうですが、元気で健康な精子であることが大前提です。
精巣では毎日新しい精子が作られています。
つまり、古い精子を長時間溜めることは、精子の質が低下してしまうことに繋がるのです。
できるだけ新鮮で元気な精子を届けるためには、最低でも週に1回は射精することが大切だと言われていますから、もし妊娠を希望する場合には、5日以上の禁欲はしないようにしたいですね。
サプリメントに頼るのはNG?
女性の妊活では、よく「妊活用サプリメント」や「葉酸サプリメント」を飲むというイメージがありますが、男性にはどんなサプリメントが効くのでしょうか。
例えば、亜鉛がいいという記事などをよく見かけるかと思いますが、その理由は、精子の造精機能などに亜鉛が使われ、また男性の生理機能にも良いとされるからです。
ただ、亜鉛をたくさん摂取すればいいというものでもありません。
むしろ、大量に摂取することで逆に良くないとする論文もあるようです。
「じゃあ、亜鉛のサプリはだめなの?!」と思われるかもしれませんが、適量ならば、健康維持のためにも亜鉛はとても良いものです。
人間は体の中に亜鉛を貯め込むことはできませんから、食事の不足分をサプリメントで補うという考え方なら良いでしょう。
もちろん亜鉛以外にも、健康づくりや精子の質にかかわる栄養素はたくさんありますので、サプリメントをいくつか検討してみるのも良いでしょう。
食事で亜鉛不足は解消できる
では、亜鉛を食事で摂取するにはどういったものを食べればいいのでしょうか。
亜鉛が特に多いものは、牡蠣や豚レバー、牛乳やチーズ、卵、納豆、切り干し大根、高野豆腐などがあります。
亜鉛は偏った食事や過度なダイエットで不足しがちになりやすく、また、お酒をよく飲む場合にも要注意です。
アルコールの代謝に亜鉛が使われるので、どんどん亜鉛がなくなってしまうかもしれません。
妊活中であれば、男性側もお酒は控えた方がいいかもしれないですね。
夫としてできる妊活は、積極的に参加を!
色々とここまで男性の妊活について見てきましたが、何より大切なのは、妊活を夫婦のことと捉えることだと思います。
赤ちゃんは夫婦二人のものですから、女性だけが妊娠のために積極的に活動する、というのはやっぱりおかしいですよね。
実際に行うことは日常のちょっとした事からでもOKですし、「自分も当事者として意識している」ということが奥さんに伝わるだけでも心強いものです。
夫婦円満で、いつかすてきな赤ちゃんと出会えたら最高ですね。