子どもの頃、歯医者に行った時のあの音、覚えていませんか?
「キーン」と歯が削られる音に歯医者嫌いになった方も多いはずです。
でも最新の虫歯治療は、削らず、痛みもない治療があるんです
歯医者が苦手なお子さんでもしっかり治療できる、最新方法をご紹介します。
子どもが歯医者に行くのを嫌がって困っている…
子どもにとって歯医者というのは、何故か「嫌いな存在」に認定されますよね。
小さいお子さんは名前を呼ばれただけで泣き始めますから、治療をするのは尚更大変です。
では、何故子どもは歯医者を嫌がるのでしょうか。
子どもが歯医者を嫌がる理由
歯医者に来る子ども達は、「虫歯の予防」か「虫歯の治療」か、どちらかの理由で来ることがほとんどです。
予防で来る子ども達に比べ、虫歯の治療で来る子ども達は、来る前から嫌がったり泣いたりする子どもが多いです。
治療をしたことがある子どもはそのトラウマだったり、初めて治療する子どもは不安から泣いてしまったりと理由は様々で、子どもの年齢によっても理由の違いはありますが、下記の3つが代表的です。
音
待合室にまで聞こえる“キーン”という歯を削る音が、子どもの恐怖感を煽ってしまいます。
最近ではあまり音がしない機械も増えてきたのですが、まだまだあの音が完全に消える日は遠そうです。
匂い
歯医者に行ったことがある方ならわかると思いますが、消毒液の匂いですね。
私が働く歯医者ではアロマを焚いて、少しでも匂いを緩和させています。
口を触られるのが嫌
子どもは口を触られるということを、本能的に嫌がってしまうので、普段からお家での歯磨きで口を触られることに慣れておきましょう。
新たな虫歯の治療法「カリソルブ(キッズソルブ)」とは?
従来、子どもの虫歯治療といえば、虫歯の部分をキーンという機械で削られ、プラスチックの詰め物をして、LEDライトで固めるのが主流でした。
ですが、近年新たな治療法として「カリソルブ」という、スウェーデンで開発された歯をほとんど削らない治療法があるのです。
子どもの治療は「キッズソルブ」といって、薬剤が子ども用になっているだけで、治療法は一緒です。
あのキーンという音をほとんど聞かなくて治療が出来るとなれば、子どもも頑張れるかもしれません。
カリソルブの治療の流れ
薬剤を虫歯の部分に塗布し、30秒間待ってから、柔らかくなった虫歯部分を手用器具で取り除きます。
完全に除去した後に、プラスチックの詰め物をし、LEDライトで固めれば終了です。
カリソルブのメリット、デメリット
メリットは機械で削らないという点で、余分に歯を削ることもなく、虫歯部分だけを除去することが出来ます。
もちろん、使用する薬剤に毒性はなく、健康な組織に影響を与えずに虫歯だけを治療できるので、安全性の高い方法です。
また、痛みの有無に関わらず、機械の音や振動だけでお子さんは不安や恐怖を感じてしまうため、それがないという点もお子さんにとってはメリットです。
デメリットとしては、治療時間が長くなるということが挙げられます。
従来の治療法ではドリルで削るので、すぐに虫歯部分が除去出来るのですが、カリソルブ治療では、薬剤を虫歯部分に浸透させるので、1回の治療に時間がかかります。
特に年齢の小さい子は長い間じっとしていられないので、この治療法が全ての年齢の子どもに向いているわけではありません。
また、虫歯の大きさに関係なくこの治療法が適用されるのではなく、神経に達していない虫歯のみ適用されるため、重症化している虫歯の治療には行えません。
カリソルブの費用
スウェーデンで開発されたカリソルブ治療は、アメリカやヨーロッパでは一般化されている治療法なので、安い料金で治療を行っています。
しかし、日本ではまだ一般的にこの治療法が広まっていないため、保険のつかえない自費診療になります。
自費診療の虫歯治療は歯科医院によって金額が異なり、目安としては虫歯1本あたり約5千円が相場です。
仕上げにプラスチックを詰めるので、それを含めると1本総額1万~3万円くらいはかかると思っていいでしょう。
4~5歳を目安に虫歯治療に取り入れてみよう!
新しい治療法の「カリソルブ」、参考にして頂けましたか?
カリソルブ治療は認可はされていますが、まだまだ日本には広まっていないのが現状です。
そして、小さい子どもが泣くのは、成長の過程なので、ある程度仕方のないことです。
2歳児に長い間じっとさせるのは難しいので、泣いてもパッと終わる従来の治療法の方がよかったりする事もあります。
私のオススメする年齢としては、治療時間が少し長くなってもじっと出来るようになる4歳以上の歯医者嫌いの子どもには向いていると思います。