人が亡くなる時はいつも突然で、訃報を受けて急に用意をしなければならず、慌ててしまう人が多いものです。
特に、装いの中でも心遣いを忘れがちなのが「メイクアップ」や「ヘアスタイル」です。
弔事メイクのマナーは、大人の女性が参列する時に必ず確認しておきましょう。
弔事メイクの基本は「ナチュラル」
お通夜やお葬式はお悔やみ事となり、故人との最後のお別れをする場面です。
特に親しい間柄の人は悲しみも一層ですから、普段のメイクでは華美になりすぎてしまい、哀悼の意が伝わりません。
弔事のメイクはナチュラルな装いが基本となり、ベージュやブラウンの色で全体をまとめます。
カラーのメイクアイテムは避け、ヘアスタイルもシンプルにまとめましょう。
急な訃報を受けた時のメイクはどうする?
人が亡くなった時は喪主側もバタバタとするため、連絡が急になってしまうこともあります。
「仕事の後に直接お通夜へ参列する」「親しい間柄なので急ぎ弔問に伺う」という時は、十分な準備ができないこともあります。
一度自宅に帰る時間がない場合は、洋服はそのままで伺うこともありますが、メイクはお手洗いのついでにササッと直せば対応できる部分も多いため、できるだけナチュラルにメイク直しをするよう心がけてください。
ドラッグストアやコンビニでも、シートタイプのメイク落としやメイクアイテムが安く揃っていますので、化粧品を持ち歩かないという人も、弔問やお通夜の前は最低限は購入してメイク直しをしましょう。
特にお通夜は、前日以前に連絡が入ることが多くなってきましたので、仕事後に直行する場合でも服装をモノトーンにし、メイク直しのアイテムを購入・持参しておけば、準備に慌てることがありません。
お通夜・お葬式にふさわしいメイクのコツ
いくらお悔やみ事とはいえ、大人の女性がお通夜やお葬式にノーメイクで参列するのは、マナー違反です。
弔事の場面に合ったメイクをきちんと行い、お悔やみの気持ちを伝えましょう。
特に、普段のメイクが濃い人はナチュラルメイクに抵抗があるかもしれませんが、お通夜やお葬式では少し気持ちを抑えて、自分の素顔の美しさでお別れをしてくださいね。
ファンデーションはツヤ感NG
顔の印象を決める大きな要素であるファンデーションは、ツヤ感やみずみずしさが過度になってしまうと、明るい印象を与えてしまいます。
マットな仕上がりになる様心がけて、下地の上から薄めに肌にのせるのがポイントです。
ファンデーション自体がツヤ感のあるタイプの場合は、マット系のフェイスパウダーを上からのせるようにしましょう。
また、ナチュラルメイクだからこそ、お肌のトラブルが表れやすくなります。
不健康に見えやすいため、コンシーラーはしっかり付けてクマやニキビなどをカバーしましょう。
眉は自然に描く
弔事メイクの中でも意外と見落としがちなのが、眉のメイクです。
普段通り書こうとしてしまう人が多いのですが、弔事の時は明るく活発な印象にならないよう、注意する必要があります。
「太眉・細眉」「短い眉」「角度がきつい」「色が濃い」といった眉のスタイルは、お通夜やお葬式にはそぐわないので、形を整える程度にしましょう。
また、自然な眉を描くためには、ペンシルタイプよりもパウダータイプのアイブロウを使うのがおすすめです。
目元は派手になりすぎない様に
パッチリ可愛い目元は普段なら素敵ですが、お通夜・お葬式の場面では派手になりすぎてしまいます。
アイシャドウは薄いブラウンまたはベージュ系の色で、パールやラメの入っていないアイテムを選びましょう。
アイラインを引く時はペンシルタイプを使い、まつ毛の際にごく細く引くのがポイントです。
目尻の辺りで止めるようにし、ハネやたれ目は作らないようにしてください。
また、マスカラは1~2度塗り程度にとどめて、下まつ毛には塗らず、バッチリメイク感が出ない様に注意しましょう。
まつエクを付けている方は落とすのがもったいないですが、ナチュラルメイクをしても浮かない程度のものであればそのままでもOKです。
本数が多かったり3D まつエクをしているなど、かなりパッチリとした目元の印象になるデザインは、せめてお葬式だけでも落とした方が良いでしょう。
頬・口元は少しなら色があってもOK
お通夜やお葬式のメイクの中で、特に難しいのがチークやリップです。
ほんの少しならカラーを入れても良い場所ですが、やりすぎてしまう人も多いので注意が必要です。
基本的にチークは塗らなくても良いのですが、普段からお肌の血色が悪い人は、肌馴染みが良いチークを薄めにのせましょう。
リップはのせないと不健康に見えてしまうため、軽く色をのせて参列しますが、ベージュ系で赤みが入りすぎないものを使います。
グロスなどのツヤが出るアイテムは使わず、口紅だけでマットな仕上がりにしましょう。
爪元は短く綺麗に!ジェルネイルは注意を
普段からネイルをする女性も多いですが、お通夜やお葬式ではネイルはしてはいけません。
爪は何もつけず、短く切って綺麗に整えた状態で参列しましょう。
「ジェルネイルをしていて、自分では外せない!」という場合は、お店でオフしてもらうか、上からベージュのマニキュアを塗って隠してください。
現在は「剥がせるマニキュア」がドラッグストアや通販で販売されているので、取り急ぎこれをネイルの上から塗って対処するのもアリですが、どうしてもツヤ感が出てしまうので、親族や親しい友人・知人が亡くなった時のお葬式では避けた方が良いでしょう。
また、黒いレースの手袋を使うというのも1つの手ではありますが、お焼香や献花、食事の時には外さなければならず、どうしても派手なネイルが見えてしまうため、あまり良い印象は持たれません。
お通夜などの急な場面で使用するのは構いませんが、お葬式に参列する場合はきちんと爪先まで配慮した方が良いでしょう。
ヘアスタイルは「就活の面接」を意識
お通夜やお葬式に参列する際は、シンプルにヘアスタイルを整えて伺いましょう。
ショートヘア~肩くらいまでの長さであればブローするだけでOKですが、セミロング~ロングヘアや前髪が長い人は、ゴムやピンでまとめてください。
受付やお焼香、出棺など様々なシーンで頭を下げるため、長い髪は邪魔になり、見た目も良くありません。
ヘアスタイルを整える時は、就活の面接を意識してみましょう。
弔事では「耳より下で髪をまとめる」のが基本で、髪色も落ち着いたものにし、盛り髪や過度な巻き髪、ヘアアレンジはNGです。
シンプルにポニーテールやお団子ヘア、ハーフアップなどにし、ヘアゴムが隠れるようにするのがベストです。
もし髪色が明るい場合や原色カラーを使っている人は、洗って落とせるスプレータイプのヘアカラーを使い、ブラックやダークブラウンにした方が良いでしょう。
悲しみが伝わる最後のお別れを心がけよう
お通夜やお葬式は、故人との間柄が近ければ近いほど、悲しみが大きくなります。
その気持ちに寄り添い、失礼のないようにお別れの場を作ることも、参列者のマナー・心遣いです。
服装や持ち物だけでなく、女性はメイクまでしっかり配慮して、場に合わせた振る舞いのできる女性になりましょう。