妊娠が分かると赤ちゃんについて様々な情報を調べますが、その中で胎教に興味を持つ方も多いものです。
胎教の効果や根拠、そして胎教に良い音楽など気になる情報をまとめました。
胎教とは何か?いつから始めるべき?その効果とは?
赤ちゃんを授かることは、奇跡的なことですし夫婦にとって大変喜ばしいことです。
徐々にお腹が大きくなり胎動を感じ始めると、喜びと共に親になった実感が少しずつ湧いてきます。
そんな時、気になってくるのが「胎教」です。
赤ちゃんに語りかけたり、音楽を聞かせたりするイメージのある「胎教」ですが、その意味や効果について調べてみました。
胎教とはどういうものか?
広辞苑によると、胎教とは「妊婦が精神的な安定や修養につとめて胎児によい影響を与えようとすること」とあります。
そもそも「胎教」という言葉は、赤ちゃんを授かった夫婦が「我が子が元気に生まれてすくすくと育ちますように」と、祈る気持ちから生まれました。
それが1980年代以降になると、子宮内の胎児の状態が研究によって解明されるようになり、祈りの気持ちに加えて「胎内教育」というイメージが追加されてきたようです。
「我が子が元気に生まれてくれればそれでいい」と思いながらも、「願わくは賢い子に育ってほしい」と考えてしまうのは、親の本音でしょう。
しかし、あくまでも胎教の目的は「母親がリラックスすることで胎児を心地良い状態に保つこと」であり、胎教が早期教育として効果があるとは立証されていません。
そのため、「何が何でも胎教をしなければ」という義務的な気持ちではなく、リラックスした気持ちで胎教に取り組めると良いですね。
胎教はいつから始めるべき?
「夫婦喧嘩は胎教に悪い」と言います。
これは、夫婦喧嘩でヒートアップした後、母親の血中のアドレナリンが増加し、胎盤を通って胎児に運ばれてしまうからです。
適度なアドレナリンは赤ちゃんにも良い刺激になりますが、必要以上の興奮ホルモンは悪影響を及ぼします。
母体に強いストレスがかかると、胎児の体重・心拍・胎動の減少や生後の情緒障害リスクなどがあると指摘されています。
よって、「赤ちゃんに悪い影響を与えないようにする」という広い意味での「胎教」は、妊娠した瞬間から始まっているといえます。
では、「赤ちゃんに語り掛ける」「心地良い音楽を聴く」といった早期教育的な胎教はいつから始めるべきかというと、こちらは胎児の耳が発達してくる時期が良いでしょう。
胎児の耳の機能が完成するのは妊娠5~7ヶ月頃と言われています。
そのため、赤ちゃんに音を届けるタイプの胎教に関しては、妊娠5ヶ月以降から始めるのが適切です。
妊娠5ヶ月頃になると、ちょうど胎動も感じ始める頃なので、夫婦で赤ちゃんに語り掛けることで、ますます赤ちゃんに対する愛情が湧いてくるでしょう。
胎教にはどのような効果があるの?
最初に述べた通り、胎教によって得られた効果はあくまでも主観的なものであり科学的な根拠はありません。
しかし、母親が妊娠中に胎教として胎児に語り掛けたり音楽を聴いたりすることで、胎児と楽しい時間を過ごしながらリラックスすることができれば、「心身の緊張がほぐれる」という効果が得られます。
また、母親が赤ちゃんに積極的に話しかけることで自然と愛着が湧き、「産まれてからの赤ちゃんのお世話にスムーズに移れる」という効果もあるようです。
胎教に良い音楽とは?
妊娠6ヶ月頃の耳が発達した胎児にとっていちばんよく聞こえる音は、「母親の心臓の音」や「血の流れる音」そして「母親の声」だそうです。
胎教にいちばん良い音楽とは、お母さんの歌声かもしれませんね。
とは言え、誰もが歌うことが得意なわけではありません。
お母さんの歌声意外では、どのような音楽が胎教に良いのでしょう。
脳波「α波」の出る音楽は胎教に良い!?
人間の脳波には、リラックスをした状態になると自然と出るα波というものがあります。
このα波には、ストレスを解消し、集中力や免疫力の向上させる働きがあると言われています。
胎教の意義は「お母さんがリラックスした状態になり胎児に良い影響を及ぼすこと」なので、聴くだけでα波が出やすい音楽は胎教にも良いと言えるでしょう。
胎教にはクラシックや自然のヒーリングソングがオススメ!
α波が出やすい音楽としては、クラシック音楽や川のせせらぎなどの自然のヒーリングソングがオススメです。
クラシック音楽では、特にモーツァルトの音楽が効果的と言われており、「モーツアルト療法」という言葉もあるくらいです。
他には、パッヘルベルのカノンや、バッハのG線上のアリアなどの美しい旋律のクラシックにも効果があるそうです。
また、川のせせらぎや海の音などの自然の音には「1/f(エフ分の1)のゆらぎ」と呼ばれる
不規則なゆらぎが含まれおり、これによってリラックス効果が期待されると考えられています。
一定のようで不規則なリズムが、心を落ち着かせてくれるのかもしれません。
胎教に英語を取り入れることには賛否両論ある!?
最近は、小学校でも英語教育が取り入れられるようになってきましたが、東京オリンピックの頃には小学校でも完全に教科化し、中学高校の英語の授業は基本的に英語で行われるようになるそうです。
保護者の間では英語の早期教育に対する関心は、高まる一方です。
そこで、究極の早期英語教育として「胎児に英語を聴かせること」について、その意義を考えてみました。
胎児には英語は聴こえるの?
音楽の項目で述べたように胎児の耳は妊娠5~7ヶ月頃から機能しているので、英語が聴こえていないとは言い切れません。
しかし、お母さんが英語で話しかけるのなら別ですが、スピーカーなどで英語のお話や音楽を聴かせたとしても、母親の心拍や羊水の壁に阻まれて、明瞭に聞き取ることはできないと思われます。
そのため、英語を聴かせても意味がないという意見も存在します。
産後の英語教育を見据えて教材を用意しよう!
しかし、胎児が英語を聴き取りにくいからといって、胎児のうちから早期英語教育の準備をすることが全て無駄になるわけではありません。
赤ちゃんは、生まれながらにしてあらゆる音域の音を聞き取ることができる絶対音感を持っています。
誕生後は、その国の母国語をシャワーのように浴びながら、約2~3年の間に母国語を習得し、大人と会話が成り立つまでに成長するのです。
この乳幼児の聴覚の発達は6歳をピークに落ちていくので、乳幼児期のうちに英語を日本語と同様に聞かせておくことで、英語と日本語両方の音域を聞き取ることのできる耳が育つのです。
つまり、胎教で利用した英語の音楽やアニメなどの教材は、産後も大いに活用できるため無駄にはならないのです。
英語を聴かせる胎教は母親が楽しまないと意味がない?!
しかし、胎教はあくまでも母親がリラックス状態になることが重要です。
仮に英語が苦手なお母さんが、英語の音楽を聴いてもつまらない気分になり、リラックスできないようでは本末転倒というわけです。
英語が苦手だけれど、どうしても英語を聴かせる胎教をしたい場合は、あまり固く考えず、赤ちゃんと一緒になって楽しめるような音楽や映像の流れる教材を用意すると良いでしょう。