両家両親に結婚を認めてもらう儀式として、結納や顔合わせがあります。
どちらを選べば良いのか、それぞれの特徴や違いについてまとめました。
結納ってどんな事をするの?顔合わせとどこが違うのかを徹底解剖!
プロポーズをされ、結婚が決まったら、両家への挨拶や、顔合わせ、結納など考える事が多々ありますよね。
両家の考え方や地域性にもよりますが、「きちんと結納をして欲しい」、「大変だから結納はなしで顔合わせだけで済ませる」など、婚約儀式のやり方で頭を抱える人は多いと思います。
そもそも結納と顔合わせに違いはあり、また、結納は必ずしもしなきゃいけないものなのでしょうか?
今回は、結納の意味と、結納と顔合わせの違いなどについてお伝えします。
そもそも結納って何をするの?略式との違いは?
結納ってどんな儀式?やる事の意味とは?
新婦と新郎の両家が、親族として「結」びつく事を祝い、金品やお祝いものを「納」め合う儀式の事を結納といいます。
結納は必ずしも、やらなければならない儀式ではありません。
しかし、結納を行うことにより、公式的に結婚して親族となる事を両家が認め合うという意味合いががありますので、両家両親とよく話をし、結納を行うのか行わないのかを決めましょう。
結納の時期は、結婚式の早くて半年前、遅くても3か月前の吉日に行うと、縁起がいいとされています。
結納の方法には、「正式結納」と「略式結納」がありますので、どちらの方法で行うのかも確認しましょう。
正式結納はどんな事をする?
正式な結納では、仲人が両家を行き来し、両家同士が顔を合わせない事が1番の特徴となります。
その為、新婦と新郎の実家の距離が遠方であれば、何度も行き来をする仲人の負担は大きいものとなりますので、その点を踏まえて慎重に仲人のお願いをする事も大切です。
正式結納の手順は下記の通りになります。
両家両親で話し合い、仲人をお願いする人を決めます。
結納当日に仲人が新郎宅を訪問、口上を述べた後に、結納品を受け取り退出します。
仲人は新婦宅を訪問、口上を述べた後に、新郎側より預かった結納品を渡し、新婦側からの受書と結納品を受け取り退出します。
仲人は、再び新郎宅を訪問、口上を述べた後に、新婦側より預かった受書と結納品を渡し、新郎側から受書を受け取り退出します。
仲人は、再び新婦宅を訪問、口上を述べた後に、新郎側より預かった受書を渡します。
新婦側は、受書を受け取った後、仲人を酒肴でもてなし、酒肴料としてお礼金を渡して終わりになります。
略式結納とは?正式との違いは?
略式結納は正式結納と違い両家を行き来するのでなく、ホテルなどの会場や新婦側の自宅で両家が集まり、結納品などの受け渡しを行います。
仲人に関しては、立てる場合と立てない場合があるので、両家でしっかりと話し合うことが必要です。
また、略式結納の当日の進行は、仲人がいる場合は仲人が、いない場合は新郎の父親が務める事が主流となっています。
略式結納の手順は下記の通りです。
結納品は、床の間または台座に置き、新郎側は向かって右に、新婦側は向って左に着席します。
新郎側から結納品を納めます。
新婦側が、目録を確認し受書を渡します。
新婦側から結納品を納めます。
新郎側が、目録を確認し受書を渡します。
婚約記念品を披露後、結びの挨拶をして祝宴をして終了となります。
結納品や結納金の相場ってどれ位?
結納金の金額には決まりはなく、目安として50~100万円になっています。
しかし、結婚する本人の収入や貯蓄額にもよるので、両家両親と相談し、納得できる金額を決めるといいと思います。
結納のお返しについては、ある地域とない地域に分かれています。
関東では、「半返し」と呼び、新郎側から贈られた金額の半額を、現金で新婦側が返します。
関西では、「一割返し」という贈られた金額の一割を現金で返す地域もあったり、現金ではなく家具や家庭用家電製品などで、お返しをする地域もあります。
結納品の品目なども地域により異なりますが、奇数(9・7・5・3)の品目が基本です。
結納品には「関東式」と「関西式」があり、正式は9品目となりますが、両家合意の元、省略して品目を減らす事も可能です。
※下記の表は関東式の正式な結納品です。
品目名 | 読み方・由来 |
---|---|
目録 | もくろく/結納品の品名と数を記載したもの |
長熨斗 | ながのし/長寿の象徴として、あわびの肉を干して伸ばしたもの |
金宝包 | きんぽうづつみ/結納金を包んだもの |
末広 | すえひろ/末広がりの意味を含めた純白の扇子 |
友志良賀 | ともしらが/共に白髪になるまで仲睦まじく居られるように白い麻糸 |
子生婦 | こんぶ/子宝に恵まれる様に昆布 |
寿留米 | するめ/長期保存が出来ることから幾久しくと願いを込めてするめ |
勝男節 | かつおぶし/男性の逞しさの象徴として鰹節 |
家内喜多留 | やなぎだる/福がたくさんあるように願いをこめた柳の木の酒樽 |
顔合わせってどんな事をするの?結納との違いは?
形式に捉われず和やかに食事を!
顔合わせは、結納のような儀式的なものはなく、婚約指輪などの婚約記念品を交換したり、両家両親が初めて顔を合わせ、食事をしながら親睦を深めるのが主な目的となっています。
婚約記念品の交換なども絶対にしなければいけない訳ではなく、「結納はしないけれど、正式な婚約のけじめの為に何かしたい」「両家の両親が挨拶する場を設けたい」といった時に行います。
その他に、結納の儀式的な事はしないけど、結納金だけは顔合わせの際に送り合うなども可能です。
顔合わせに決まりはないので、両家で相談し、やりたい事とやらなくていい事などしっかりと話し合うことが1番です。
顔合わせの日取りは、おめでたい事なので吉日を選びます。
場所は基本的には新郎側が新婦側の地域に出向きますが、両家が遠い場合は負担のバランスを考え、中間や交通の便の良い所を選ぶと良いでしょう。
会場は、ホテル・レストランの個室・料亭など色々とありますが、ゆっくりと話しが出来る様に個室を予約するのがポイントです。
その他にも、両家の料理の好みやアレルギーなどを事前に把握していると、会場を選ぶのがスムーズになります。
顔合わせと結納との決定的な違いとは?
結納と顔合わせについてみてきましたが、この2つの決定的な違いは「儀式的な内容、結納品の有無」です。
儀式的な流れで結納品の贈与を行う結納に対し、決まった形式もなく両家で親睦を計れるのが顔合わせになります。
また、正式結納では両家が直接会うと言うことがないので、直接顔をみて挨拶をする顔合わせとは大きな違いともいえると思います。
現在は「新郎家に嫁ぐ」という意識が徐々に薄れている事もあり、形式的な結納よりはカジュアルな顔合わせを選ぶ方が多い様です。
結納も顔合わせもどちらも大事な婚約の儀式!
「結納は大変だから顔合わせだけで済ませたいけど、なんだか婚約の儀式が簡略化してしまっていいのだろうか・・・」と不安に思う人もいると思います。
確かに、儀式的な結納をした方が婚約したと感じやすいですが、顔合わせだけでもしっかり両家両親に結婚の意思を2人で示すことが、1番大切な事だと思います。
両家の両親の考え方や地域性も様々あり、準備は大変な事も多いですが、臨機応変に最良の婚約の儀式の仕方を選びましょう。