コーヒーに健康効果!?心臓病や早死にのリスクが減るって本当?

コーヒーに健康効果!?心臓病や早死にのリスクが減るって本当?

リフレッシュやリラクゼーションの効果をもたらすコーヒーは、実は健康に役立つことが研究で分かってきました。

なぜコーヒーが健康に良いのか、どの様な病気に効果があるのかなどをお伝えします。



コーヒーに健康効果があるって本当!?

コーヒーは古来、薬として飲まれていたこともあるようですが、現在、科学的にその効能が立証されつつあります。

実は、これまで欧米を中心に行われた研究においては、コーヒーの飲用が糖尿病発生リスク低下や死亡リスクの低減に関係することがわかってきました。

しかし、アジア人を対象とした研究はあまりなされてきませんでした。

そこで、今回は日本人を対象に行われた研究を元に、コーヒーの健康効果について迫って行きます。

コーヒーは古来、薬として飲まれていた!

コーヒーは古来、薬として飲まれていた!

コーヒーの歴史は長く、コーヒーについて書かれた最も古い文献は約1100年前のものです。

西暦900年頃、アラビアで飲用されていた木の実(コーヒーの実)の液に興味を持った医者ラーゼスは、「陽気でさっぱりとしたもので、胃に非常によい」と書き残しています。

当時の人々は、不思議なほどよく効く「霊薬」として飲んでいたようです。

現在では、コーヒーについての研究も進み、実際にコーヒーには思考力の増進や作業効率アップなど、適量なら身体に良い作用を及ぼすことがわかってきました。

コーヒーの健康効果が見えてくる「コホート研究」とは?

今回紹介するコーヒーと病気の関係や、コーヒーの健康効果についてわかった研究成果は、「多目的コホート研究」に基づいています。

耳慣れない言葉ですが、コホート研究とは、多人数の集団を対象とした追跡調査のことです。

通常5年~10年以上の長期間にわたって、同じ集団に対して追跡調査を行います。

代表的なものとして、平成2年(1990年)頃に文部省(現文部科学省)の助成によって約11万人の一般人を対象としたコホート研究(JACCStudy)や、平成2年と平成5年に全国11か所の保健所管内に住んでいた約9万人を平成23年まで追跡したコホート研究(JPHC Study)があります。

長期間に渡り同じ集団を調査するので、コーヒーと病気・健康に関してより科学的で客観的に裏打ちされたデータを得られるのです。

日本でもコーヒーと病気の関係・健康効果が明らかに!

これまで欧米で行われたコーヒーと死亡リスクの関連を調べたコホート研究においては、男女共にコーヒーの飲用によって死亡リスクの軽減が見られました。

それが上記の日本人を対象とするコホート研究を分析した結果、コーヒーが様々な病気に対して良い影響を与えることがわかったのです。

まず、2005年頃に発表された研究結果では、コーヒーの飲用が肝障害や肝硬変、肝臓がん、糖尿病、低血糖予防、高尿酸血などの病気に良い影響を及ぼすことがわかりました。

その後さらに研究が進み、ついに2015年、「コーヒーを飲むことで全体の死亡リスクが減り、心疾患や脳の血管の病気や呼吸器の病気による死亡リスクが減少する」という、驚きの研究結果が得られたのです。

では、この研究成果について具体的な健康への効果を見てみましょう。

コーヒーで早死にを防げる?

コーヒーで早死にを防げる?

「早死にのリスクが減る」というのはいささか極端な言い方ですが、要は、コーヒーを飲んでいる人は、飲んでいない人と比べて心疾患や脳血管などの死に直結する病気で死亡する危険が少なくなるということです。

それでは、1日にどれくらいのコーヒーを飲んだ人に効果が見られたのでしょう。

コーヒーを飲む人は、全く飲まない人よりも死亡リスクが減少する!?

この驚きの研究成果は、平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に全国11保健所管内に住んでおり、がんや循環器系の病気になっていなかった40~69歳の男女約9万人を、平成23年(2011年)まで追跡したコホート研究に基づいています。

どのように調べたかというと、研究開始当初に「コーヒーを飲む頻度」を質問した上で、その返答を「ほとんど飲まない/1日1杯未満/毎日1~2杯/毎日3~4杯/毎日5杯以上飲む」という5段階に分けた上で、後にどのような亡くなり方をしたかを分析したのです。

その結果、コーヒーを1日に3~4杯飲む人は、全く飲まない人と比べて全体の死亡リスクが24%も低いことが判明しました。

ちなみに、調査開始から5年以内に亡くなってしまった方を除いたり、男女別々に調査したりと、パターンを変えても同様の結果が見られました。

コーヒーを飲むことで死亡リスクが下がる病気とは?

コーヒーによって、死亡リスクが下がることがわかった病気は、「心疾患」「脳血管疾患」「呼吸器疾患」でした。

しかも、コーヒーを全く飲まない人と比べると、毎日1杯未満、1~2杯、3~4杯というように、コーヒーを飲む量が多い人の方が、より死亡リスクが下がっていたのです。

ただし、5杯以上になると下がり切った死亡リスクが逆に少し上がってしまうので、飲み過ぎは良くないようです。

コーヒーは、がんの死亡リスクは下げてくれないの?

一見、コーヒーはがんに良い影響を与えないようにも見えます。

今回のコホート研究では、がん全体の死亡リスクはコーヒーの有無に関係なく、変化がありませんでした。

しかし、部分別に行われた先行研究では、コーヒーを飲むことで肝がん、膵がん、女性の大腸がんと子宮体がんにおいて、死亡リスクが低下する傾向が見られました。

がんという病気であっても、種類によってはコーヒーによってリスクを下げる効果があるようです。

どうしてコーヒーを飲むと死亡リスクが低下するの?

どうしてコーヒーを飲むと死亡リスクが低下するの?

それにしても、なぜコーヒーを飲むことで死亡リスクが低下したのでしょう。

コーヒーには、アルカロイドの一種「カフェイン」や、ポリフェノールの一種「クロロゲン酸」など、様々な物質が含まれています。

これらの物質がどのように働き、健康にどんな影響を及ぼすのでしょうか。

カフェインはどんな働きをするの?

アルカロイドとは、アルカリに似た成分という意味です。

コーヒーに最も多く含まれるアルカロイドは、苦味のあるカフェインです。

インスタントコーヒーであれば1杯あたり30~120mg含まれています。

カフェインには、気管支拡張作用があり、呼吸器機能の改善効果があるのではないかと言われています。

また、脳の活動を活性化し、思考力や集中力の上昇、疲労感の軽減という効果もあります。

ただし、コーヒーが5杯以上(カフェイン500mg以上)になると、頭痛や不眠、動悸やめまいなどの副作用をもたらすため、飲み過ぎには注意が必要です。

クロロゲン酸はどんな働きをするの?

また、コーヒーにはポリフェノールの一種であるクロロゲン酸も多く含まれています。

コーヒーの生豆が乾燥した状態であればクロロゲン酸は7~10%も含まれており、焙煎によって減少しますが消えることはありません。

インスタントコーヒーであっても55~240mgのクロロゲン酸が含まれています。

このクロロゲン酸には、抗酸化・ラジカル消去作用があります。

血糖値を改善し、血圧を調整する力がある上に、抗炎症作用があるなど、様々な効能があるのです。

つまり、クロロゲン酸にはアンチエイジングの力があり、早死にを防止してくれるというわけです。

コーヒーの飲み過ぎには要注意!副作用に気を付けよう!

コーヒーの飲み過ぎには要注意!副作用に気を付けよう!

今回の研究結果から、1日4杯までのコーヒーであれば、死亡リスク低下に良い影響があることがわかりました。

しかし、いくらコーヒーが身体に良いとわかっても、山ほど砂糖を入れて飲んだりすれば糖尿病予防にはなりません。本末転倒です。

また、いくら健康に良いと言っても飲み過ぎるとカフェインによる副作用が出る場合があります。

特にカフェインの副作用に関しては、妊婦の方は注意が必要です。

最後に、妊産の方が飲めるコーヒーの量についてまとめておきます。

妊婦さんはコーヒーの飲み過ぎに注意しよう!

今回の研究結果の中で、カフェインの副作用として、妊娠初期にカフェインを1日500mg以上摂取すると、喫煙や染色体異常とは関係なく自然流産のリスクが高まることが推測されました。

2017年に発行された内閣府食品安全委員会の季刊誌においても「妊娠さんのカフェイン摂取量の目安」は1日200~300mgまでと記載されています。

これをコーヒーで換算すると、1日3杯までなら飲んでも良いことになります。

ただし、カフェインはコーヒーだけに含まれているわけではありません

コーヒーだけでなく、お茶や紅茶も飲む人の場合は、その量に応じてコーヒーは1日1杯程度に抑えた方が良いでしょう。

また、ウーロン茶や栄養ドリンクにもカフェインは含まれているし、特に「玉露」はカフェイン含有量が多いので要注意です。

最近は、カフェインレスコーヒーなども売られているので、栄養表示を確認して購入すると安心です。

妊婦の方は赤ちゃんの命を守るためにも、コーヒーは適量を守り、健康な生活を送りましょう。