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【プロ執筆】元教諭が保護者に伝えたい真実!小学校の保護者会とワーママ対策

小学校では年に数回、保護者が学校に集まり意見交換をする「保護者会」と呼ばれる集まりがあります。

保護者会は、先生と保護者、あるいは保護者同士が顔を合わせて話せる貴重な機会ですが、平日の昼間に開かれることが多く、ワーキングマザーは出席しづらいのが現状です。

今回は、元教諭の目線から保護者会の実態をお伝えしつつ、働くママのための「保護者会対策」を紹介します。

保護者説明会は、先生と保護者同士の貴重な意見交流の場

保護者説明会は、先生と保護者同士の貴重な意見交流の場

保護者会とは、子どもが通う小学校に保護者が集まり、決められたテーマにそって先生と保護者、あるいは保護者同士が意見交換をする場のことです。

その1つに、大きな行事の前に行われる保護者向けの説明会があります。

ここでは、説明会系の保護者会に参加する際のポイントをお伝えします。

気になる点は、具体的に質問しよう!

大きな行事の前に行われる保護者向け説明会とは、目前に迫った行事の詳しい内容や注意点について学校側から保護者へ伝えられる会のことです。

例えば入学説明会なら、新1年生の子を持つ保護者が小学校に集まり、学校の教育方針や児童の様子、用意する学用品などについて校長先生や現在の1年生の担任、養護教諭等から説明を受けます。

他には、5年生で行われる林間学校や臨海学校、または6年生で行われる修学旅行のように、宿泊を伴う大きな行事前に行われる説明会もあります。

こうした説明会は、複数の先生と多数の保護者が顔を合わせて話せる貴重な機会なので、疑問に思う点があれば積極的に質問すると良いでしょう。

ただし、学校側の意見に真っ向から反論すると角が立つので、発言する際には注意が必要です。

例えば、「修学旅行で子どもに持たせるお小遣いの額に不満があり、増額を希望する」と意見したい場合、以下のような言い方をオススメします。

悪い例

「修学旅行のお小遣いが3000円だなんて、少なすぎます!増額してください!」

良い例

「修学旅行で子どもに大金を持たせるのは心配なので、お小遣いが3000円以内というのもうなずけます。
しかし、3000円では具体的にどのようなお土産が買えるでしょうか。
子どもは祖父母からもお小遣いをもらっているので、祖父母にもお土産を買ってあげたいようなのですが、増額の検討はお願いできませんか?」

例文①のように「否定」から入るのではなく、例文②のように学校側の説明をいったん受け止めた上で、より具体的な中身や方法について尋ねる形にすると、学校側も具体例を答えやすく、先生の真意を引き出しやすくなります。

説明会を欠席しても、資料にしっかり目を通せば大丈夫!

上記のような説明会はたいてい平日の昼間に行われるので、働くママはどうしても出席しにくいものです。

しかし、こうした説明会系の保護者会に欠席したとしても、保護者向けの資料は必ず配られるので、それに隅々まで目を通しておけば問題ありません

資料を読んだ上で質問や伝えたいことが出てくれば、後日電話で学校に問い合わせれば良いのです。

ただし、学校の先生は、放課後も各種会議や教材研究があり忙しいので、なるべく初歩的な質問は避け、どうしてもわからない点や子どもに関する重要な話だけに絞りましょう。

特に「旅行先の食事はアレルギー対応をしてくれるのか」や「我が子は夜尿症だが、友達にからかわれないか心配」といった、子どもの健康面に関わる大切な話については、事前に必ず担任の先生に伝えましょう

学級懇談会でのマナーや実態を徹底解説!

学級懇談会でのマナーや実態を徹底解説!

「学級懇談会」も、代表的な保護者会の一つです。

学級懇談会は、主に学期に1回行われ、授業参観の後に時間を取って教室に集まるパターンが多く見られます。

担任の先生を囲むようにして保護者が座り、先生からクラスの様子や現在の学習内容について聞いたり、保護者同士で意見交換をしたりする形が一般的です。

ここでは、学級懇談会での保護者向けのマナーを紹介しながら、その実態に迫ります。

座る席は「先生の斜め横」のポジションを押さえよう!

学級懇談会では、先生に対してコの字型に机が並べられることがよくありますが、この場合、保護者は教師と斜めに対する位置に座るのがベストポジションです。

先生に対して斜めの席であれば、先生の顔を真正面から見なく済むので居心地が良く、保護者全体の様子もよくわかります。

また、先生に近い方が先生の話を聞き取りやすいという利点もあります。

反対に、教師の正面や真横になる席、コの字の角になる席はあまりオススメできません。

先生の正面の席は先生に敵対するイメージの席になりますし、角の席は資料も置きづらく居心地が悪いでしょう。

また、先生の真横のポジションは、自己紹介や意見を述べる際にいちばん最初に当てられる可能性があるので避けた方がよいでしょう。

自己紹介は手短に、発言が長くなりすぎないよう注意!

年度始めの学級懇談会では、保護者同士初めて顔を合わせる人も多いため、自己紹介にも多く時間を割きます。

中には、我が子のことが心配なあまり、自己紹介の流れで我が子の学校での様子や子育ての悩みについてたくさん話したい人もいるかもしれません。

しかし、一人ひとりの発言が長引くとあっという間に懇談会の終了時刻になってしまいます。

自己紹介の際は、シンプルに聞かれたことだけに答えるようにしましょう。

手短にハキハキと発言する保護者は、先生から見ても好印象です。

逆に、出席者が少ないため時間にも余裕がある場合は、「子どもの名前や兄弟の学年」の他にも「子どもの長所を1つ教えてください」、「子どもが好きな遊びを1つ紹介してください」といった具体的なテーマをふられることもあります。

こうした具体的な質問にも、スムーズに答えられるように心の準備をしておきましょう。

恐怖のPTA役員決めは、委任状の提出をお忘れなく!

また、年度始めの学級懇談会では、自己紹介の他にも「PTAの役員決め」がはずせません。

学級懇談会の司会は先生がするかもしれませんが、本来PTA役員は保護者が主導となって決めるものなので、学級懇談の場で選出方法を決めることになります。

私の教員時代を振り返ると、事前に数名の保護者が「一緒に××委員をやろうね」と計画していたことでスムーズに役員が決まる場合もありましたが、一人も立候補者が出ず、場が静まり返り、やむを得ずくじ引きで決めたこともありました。

ちなみに、仕事を理由に懇談会に欠席する場合は、「委任状」を出すのがマナーです。

「委任状」には、「懇談会には参加できませんが、その場で決定したことに従います」という意味が含まれています。

例えば、PTA役員を「くじ引き」で決め、委任状を出して欠席していた保護者に当たった場合であれば、後日担任の先生から「役員に当たりましたのでなんとかお引き受けいただけないでしょうか」と電話がかかってくるでしょう。

学級懇談会で決まった決定事項は、後日お便りで知らせてもらえるので、必ずしも出席する必要はありません。

しかし、「役員の選出方法に意見を出したい」というタイプの人は、なんとか仕事の都合をつけて参加した方が良いかもしれません。

重大な問題については、学級懇談会で聞いても意味がない!?

経験上、顔合わせやPTA役員決めが終わった2学期以降、学級懇談会の保護者出席率は下がる傾向にあります。

中には、担任の先生がいろいろ工夫し、「子どもたちの自宅学習の仕方」や「我が家のお小遣い事情」などメインテーマが決まっており話しやすい雰囲気であれば、出席率は維持されるかもしれませんが、こうした工夫がなければ出席する意義を見出せないという保護者もいました。

なぜなら、懇談会に無理に出席しなくても、現在のクラスの様子や学習内容は、学年だよりを読んだり、子どもから聞いたりすることで十分知ることができるからです。

また、保護者が特に気になっている重大な問題について先生に尋ねたとしても、その場で即答してくれないというのも、出席率を下げる要因の1つかもしれません。

例えば、「うちの子がいじめられている!先生なんとかしてください」「先日××の件で先生の指導方法に納得がいきません!」などと担任に訴えたとしても、まずは事実確認を行い、学年主任や生徒指導の先生方と協議してから「学校側としての回答」を用意するのが原則なので、担任の先生一人の判断で答えることができないのです。

ちなみに、こうした個人的な質問については、保護者会の場ではなく、連絡帳で要件を伝えた上で、後日電話や面談で話をする方法をオススメします。

緊急で開かれる保護者会もあるので、共働き世帯は注意!

緊急で開かれる保護者会もあるので、共働き世帯は注意!

あまり起こって欲しくない事ですが、クラス内でいじめや事件などの重大な事案が発生した場合、学校側が説明責任を果たすべく、学年単位や学校単位で緊急の保護者会を開くこともあります。

学校で大きな問題が起こると、ニュースでも取り上げられることがあるので、報道の様子を想像していただければわかりやすいかと思います。

こうした緊急の保護者会で話し合われる内容は深刻なものが多いので、できれば父母のどちらかが仕事の都合をつけて参加した方が良いでしょう。

また、緊急保護者会は1度だけでなく複数回行われるケースもありますので、保護者会に参加したら今後の流れなどをよく確認し、以降も開かれそうであれば予め上司に相談するなど、仕事のスケジュールを調整しやすいようにしておくと安心です。

ワーキングマザーが保護者会を乗り切るポイントは、あらかじめ確認しておこう!

ワーキングマザーが保護者会を乗り切るポイントは、あらかじめ確認しておこう!

今回は、行事前の保護者向け説明会や学級懇談会といった、保護者会の実態を教師の目線から紹介しました。

働くママが保護者を乗り切るポイントは、以下の5つになります。

  • 保護者向けの説明会に欠席しても、配布資料によく目を通せば問題なし。
  • 仕事を理由に保護者会を欠席する場合は、無断で休まず、必ず「委任状」を提出すること。
    ただし、「委任状」を提出した限りは、場の決定には逆らえないことを心得ておく。
  • 年度始めの懇談会だけは、自己紹介やPTA役員決めがあるので出席した方がよい。
  • 重大な事案について学級懇談会で尋ねても、先生は即答してくれないので、連絡帳などを活用する。
  • 緊急招集の保護者会は、重大な事案が多いので、出来る限り出席する。

以上のポイントを念頭に置いた上で、仕事と折り合いをつけながら保護者会に関わっていきましょう。

Emi/小学校教諭

市立小学校の担任教諭を担当し、生徒への教育や指導、保護者への助言を経験。
現在は2児の母として、小学校入学を控える立場にもなり、より見識を深めている。