【プロ執筆】完全母乳?ミルクもOK?育児のメリットから授乳を考える

【プロ執筆】完全母乳?ミルクもOK?育児のメリットから授乳を考える

ここ数年、完全母乳で赤ちゃんを育てるスタイルが流行っていますね。

私の周囲でも「絶対に母乳で育てる!」というお母さんは多くいます。

そんな中、難しい一面やお悩みも増えてきているようです。

今回は赤ちゃんのミルクの選び方について、保育士目線でまとめてみました!



母乳・ミルクをあげる時に気をつけたいこと

赤ちゃんにミルクをあげる時、どのようなことに気をつけていますか?

どんな環境で飲むかは、何を飲むかと同じくらい大切なことですから、毎回の授乳で気をつけたいですね。

授乳環境を見直しましょう

授乳環境を見直しましょう

自宅での授乳に慣れてきて、大切なことを忘れがちになっていませんか?

いつもどんな環境で授乳をしているか、思い返して見てください。

テレビや音楽はつけていませんか?

赤ちゃんがミルクを飲むときは、落ち着いた雰囲気の中で行うようにしましょう。

余計な音や光は、赤ちゃんの集中力を遮ってしまいます。

お腹がいっぱいでなくても、飲むのをやめてしまい、すぐに空腹で泣くこともあります。

天井のライトに注意!

赤ちゃんは仰向けでミルクを飲みますね。

いつもミルクをあげている場所で、天井を見てみましょう。

電気が眩しいようなら、場所や向きを変えるなど工夫が必要です。

スキンシップと声かけしていますか?

授乳中は最高のスキンシップの時間です。

慣れてきて、乳首を咥えさせたままにしたり、テレビを見ながらあげたりしていませんか?

目を合わせて笑いかけたり、「美味しいね」「たくさん飲んで偉いね」など、声をかけながら行いましょう。

お母さんの優しい声かけが、赤ちゃんの精神安定に大きく役立ちます。

本当にお腹いっぱい?

ある程度飲むと、乳首を離してしまうことも多いですよね。

そんな時「もうおしまいなのね」と離してはいませんか?

赤ちゃんがミルクを吸い出すのは、とても体力のいる大仕事なのです。

まだお腹がいっぱいになっていなくても、疲れて口が緩んだ隙に、乳首が離れてしまうこともあります。

「もう少し飲めるかな?」「がんばろうね」と声をかけながら、お腹いっぱいまで飲んでもらいましょう。

満腹感は幸福感を感じ、成長ホルモンの活性化にも繋がります!

外出時の授乳の注意点

外出時の授乳の注意点

最近では授乳室が完備された施設も多いですが、必ずしも全ての場所にあるわけではありません。

完全母乳での子育てでは、これが悩みの1つになります。

外出先で困らないように、事前に準備をしておきましょう!

授乳ケープを持ち歩く

授乳ケープがあれば、どこでも胸元を隠して授乳が可能です。大判のストールでも代用できます。

ただ、周りの視線は感じるでしょうから、気にしない方にはオススメです。

長時間の外出時は授乳スポットを把握しておく

車でのお出かけなら、車内での授乳が可能ですが、電車移動となると難しい問題ですね。

電車の中で泣いてしまっても大丈夫なように、事前に情報収集をしておきましょう。

駅ナカや駅ビルなどの授乳スポットを確認しておけば、いざという時に安心です。

哺乳瓶に慣らしておく

哺乳瓶なら、どこでもミルクをあげることができます。

しかし、普段母乳がメインで哺乳瓶を使っていない赤ちゃんは、「吸うとミルクが出てくる」という理解ができません。

自宅で上手に飲めるようになってからが大前提になります。

外出時間を考える

ミルクやお昼寝の時間を、きちんと把握していますか?

記録をつけていると、ある程度決まった時間に眠り、お腹が空いて泣くことがわかります。

お出かけの時は、タイミングをみて行動することも大切です。

授乳後はよく眠ることが多いですから、お腹を満たして落ち着いた頃に出かけるといいでしょう。

母乳とミルクの違いを知りましょう

「母乳は愛情がこもっている、ミルクは手抜き」そんな風潮になりつつありますが、本当にそうでしょうか?

保育園では、どちらも上手に使うことが大切だと、お話ししています。

母乳とミルクの違いを一度おさらいし、それぞれの特徴から選べるようにしましょう!

意外と知らない!母乳の本当のトコロ

意外と知らない!母乳の本当のトコロ

母乳の良いところだけを知って、選んでいませんか?

ここではあまり取り上げられない、母乳のデメリットも紹介します。

正しい知識を得て、1つの判断材料にしましょう。

母乳のメリット

免疫が強くなる

赤ちゃんは免疫が弱く、菌やウイルスにとても弱いです。

生後1週間の母乳には、免疫に関係する成分が多く含まれています。

この時に摂取した免疫は、生後約2〜3ヶ月頃まで持続すると言われています。

赤ちゃんの身を守る重要な成分です。

出来るだけ、積極的に飲んで欲しいですね。

栄養満点

母乳には赤ちゃんの成長に必要は成分の全てが含まれています。

半年ほどで、赤ちゃんは約2倍の体重にまで大きくなります。

それほどに栄養がたくさん必要だということですね。

お母さんの体の回復に繋がる

母乳を吸われることで、オキシトシンホルモンが分泌されます。

このホルモンは子宮を収縮させる作用があるので、お母さんの産後の回復を早めてくれます。

肌の触れ合い

赤ちゃんはお母さんの肌、体温が大好きです。

母乳を飲むときは、お母さんの匂いと温もりを感じながら、安心して飲むことができます。

母乳のデメリット

お母さんの体調に左右される

疲労やストレスが溜まっていると、母乳の出が悪い時があります。

完全母乳にしていると、赤ちゃんもお腹いっぱい飲むことが出来ません。

お母さんの食事が直接関係する

母乳は血液から出来ています。

お母さんの食べたものが、そのまま栄養になりますから、普段の食生活から気をつけましょう。

甘い物や油物の食べ過ぎ、極端な好き嫌い、ダイエットは厳禁です!

また、薬の成分も母乳を通して赤ちゃんに伝わりますから、服薬するときは要注意です。

市販薬は使用せず、必ず医療機関を受診して、授乳中であることを伝えた上で処方してもらいましょう。

飲み薬はもちろん、点眼薬、点鼻薬、湿布薬なども、成分が血液中に取り込まれますので、注意して使用してください。

飲んだ量がわからない

搾乳せず、直接母乳をあげる場合、飲んだ量が把握できません。

毎日赤ちゃんの体重を計り、成長曲線に沿って体重が増えているか確認する必要があります。

また、「お腹いっぱいで飲むのをやめたのか」「吸っても出ないからやめたのか」をお母さんが判断しにくいのも悩みです。

脂肪分が多い

離乳食期に差し掛かかると、母乳の栄養では栄養価が高すぎるようになってきます。

しばらくは食事の栄養+母乳となりますから、肥満になりやすいので注意が必要です。

かなり助かる!ミルクの本当のトコロ

かなり助かる!ミルクの本当のトコロ

「ミルクで育てるなんて」と思われていませんか?

実は上手に使うことで、育児の強力なサポーターになってくれます。

手抜きなんかではありません。気軽に使って見ましょう!

ミルクのメリット

飲んだ量を把握できる

母乳との大きな違いは、量の把握が出来ることでしょう。

そして、毎回満腹で飲めるということです。

赤ちゃんを預けることができる

どうしても赤ちゃんを一緒に連れて行けない用事も、出てくるかもしれません。

冷凍母乳は扱いが難しく、人手も必要になるため、預かってくれない施設も多いのが現状です。

そんな時、ミルクに慣れておけば、実家や一時保育などに預けることが可能です。

栄養バランスを考えて選ぶことができる

母乳のデメリットで挙げたように、離乳食期に差し掛かると、栄養の摂りすぎの問題が出てきます。

粉ミルクでは、様々な栄養バランスで作られた種類が販売されています。

その子の成長、体調に合ったミルクを選ぶことができるのが魅力です。

夜泣きの強い味方

夜間の授乳、お母さんばかりが頑張っていませんか?

粉ミルクにすると、お父さんでも授乳が可能です

夫婦で話し合って、時間ごとに交代で授乳するなど、育児の幅が広がります。

ミルクのデメリット

持ち運びがかさばる

ミルク、哺乳瓶、白湯・・・これらを外出時にすべて持っていくとなると、結構な大荷物です。

しかも出先では哺乳瓶を洗えず、1度しか使えません。

長時間のお出かけの場合、何本か持ち歩く必要もあります。

消毒が面倒

どうしても避けられないのが、哺乳瓶の消毒です。

今では洗ってレンジで数分温めるだけの、簡単な方法もあります。

電子レンジ対応の哺乳瓶消毒ケースは、実際に保育園でも使っていましたので、大変おすすめです!

作るのに時間がかかる

お湯で溶いて冷ますまで、時間がかかります。

最初は適温がわからず、出来上がりのミルクが熱すぎたり、ぬるすぎたりと、少し難しいかもしれません。

どちらかに固執せず、母乳とミルクを賢く使い分けましょう!

どちらかに固執せず、母乳とミルクを賢く使い分けましょう!

「完全母乳で育てなきゃ!」と意地になってはいませんか?

メディアや育児雑誌では、完全母乳を勧めていることも多いですが、必ずしもそれが正解ではありません。

実は母乳の成分について、まだ解明されていないこともたくさんあるのです。

大切なのは“今のこの子”を知ることです。

母乳が足りず空腹でいるより、ミルクをお腹いっぱいに飲む方が、赤ちゃんの心は満たされます。

授乳に限らず、育児は“臨機応変に”が基本です。

情報に惑わされず、目の前にいる子どもに何が必要か、何を求めているかを常に考えて選択できるといいですね。

この記事を書いた専門家

ねこ組先生/保育士、家庭的保育士

保育士として保育園に携わるほか、病気や発達障害の子どもに対する病児保育も経験。

また、家庭的保育士として小規模施設での勤務も行い、様々な環境の中で育つ多くの子どもと保護者を支援。