【プロ執筆】実は怖い“カフェイン中毒”!摂りすぎの落とし穴や注意したい症状とは

実は怖い“カフェイン中毒”!摂りすぎの落とし穴や注意したい症状とは

眠気覚ましやガン予防、ダイエット効果など、様々なメリットがうたわれるカフェイン。

しかし近年、若い世代のカフェイン中毒による救急搬送や死亡例が増えているのを知っていますか?

特に女性は、妊娠中や授乳中などカフェイン摂取を控えた方がいい時期もあります。



働き盛りの落とし穴?!若い世代のカフェイン中毒

働き盛りの落とし穴?!若い世代のカフェイン中毒

2015年、20代の男性がエナジードリンクを常用したことでカフェイン中毒となり、死亡したニュースが報道されました。

カフェイン中毒による死亡例はこの男性が国内初でしたが、2011年から2015年の間にカフェイン中毒で緊急搬送された人はなんと100人以上もいるのです。

そのうちの1割が心肺停止、3人が死亡しました。

緊急搬送された人たちの平均年齢は25歳で、ビジネスマンや学生など、いずれも若い世代です。

カフェインには興奮作用がありますが、これは脳の疲労感を伝える受容体をカフェインが塞ぐためです。

試験前の勉強や深夜の残業など、コーヒー以外にエナジードリンクなど手軽にカフェインを摂取できるようになった今、若者世代を中心にカフェイン中毒の危険性が広がっているのです。

こんな症状は要注意!

カフェイン中毒は急性カフェイン中毒と慢性カフェイン中毒に分けられます。

いずれも身体症状と精神症状が出現します。

  身体症状 精神症状
急性カフェイン中毒 めまい、吐き気、嘔吐、動悸、不整脈、頻尿など 不安感、焦燥感、幻覚、幻聴、パニック発作、など
慢性カフェイン中毒 頭痛や胃痛など、急性カフェイン中毒とは異なりカフェイン中毒に特異的な症状ではありません。
このため見逃されることも多くあります。
カフェイン摂取がやめられない、コーヒーを飲まないと落ち着かないなどの依存傾向がみられます。

1日に摂っていいカフェインの量ってどのくらい?

1日に摂っていいカフェインの量ってどのくらい?

残念ながら日本には、カフェイン摂取の安全領域を定める基準はありません。

このため欧州食品安全機関(EFSA)の基準を参考に見てみましょう。

欧州食品安全機関によるカフェイン摂取に関する注意喚起

欧州食品安全機関によると、カフェインは1日400mg(コーヒー4〜5杯分相当)未満に抑えた方がいいとしています。

これは健康な一般的な成人の目安量であり、子どもや妊娠中の人は対象ではありません。

またカフェインの代謝には個人差があり、この量なら絶対安全というわけではありません。

少量でも強く反応が出る人もいるため、あくまで目安と考えましょう。

意外と多い?!カフェインを含む食品

カフェインといえばコーヒーやエナジードリンクを思い浮かべる人も多いですが、実は身近な食品や医薬品にもカフェインはたくさん含まれているのです。

例えばココアや玉露茶、紅茶やウーロン茶などコーヒー以外の飲み物にもカフェインは多く含まれます。

また燃焼系サプリメントや解熱鎮痛剤の中にもカフェインは含まれているのです。

食品中のカフェイン濃度(農林水産省HPより抜粋)

食品・飲料品 カフェイン含有量
エナジードリンク 32〜100mg/100ml
コーヒー 60mg/100ml
煎茶 20mg/100ml
紅茶 30mg/100ml
ウーロン茶 20mg/100ml
チョコレート 68〜120mg
某燃焼系サプリメント 100mg/1日摂取量(国内産)

解熱鎮痛剤 80mg/1回量
240mg/1日量

妊娠中や授乳中、カフェインの赤ちゃんへの影響は?

妊娠中や授乳中、カフェインの赤ちゃんへの影響は?

WHO(世界保健機構)では2016年に、妊婦のカフェイン摂取に関する注意勧告を行っています。

これによると、紅茶やココア、清涼飲料水やチョコレートなどの嗜好品にもカフェインは含まれていることを指摘しています。

カフェインは胎盤を通過してお腹の赤ちゃんの元へ運ばれますが、胎児期はカフェインを代謝する能力がありません。

また、妊娠中は母体からのカフェイン代謝が遅くなるため、カフェインを過剰摂取すると赤ちゃんは長時間、高濃度のカフェインに晒されることになります。

これにより赤ちゃんの成長を遅延させたり、流産や出生時の低体重を引き起こしたりするため、妊娠中はカフェイン摂取を制限する必要があります。

妊産婦・授乳中はどのくらいカフェインを控えたら良い?

妊娠中のカフェイン摂取の基準としては米国・英国ともに200mgコーヒー2杯分相当)未満としています。

しかし、妊娠がわかってからコーヒーを飲むのを控える人は多い反面、緑茶や紅茶、チョコレートなどに関しては制限している人はあまり多くありません。

100mlあたりでは、コーヒーよりも玉露茶の方がカフェインを多く含んでいるのです。

通常、湯飲みでお茶を飲む場合には50ml程度ですのでカフェイン量としてはコーヒーと同量程度ですが、ペットボトルなどで摂取した場合には知らず知らずのうちにたくさんのカフェインを摂っている場合があります。

カフェイン中毒?!体に異変を感じたら…

カフェイン中毒?!体に異変を感じたら…

カフェインの血中濃度が半分以下に低下するまでにかかる時間は4〜6時間とされています。

つまり、1回の摂取量は適正でも、次から次に摂取することで体内に蓄積し、中毒域に達することもあるのです。

コーヒーやエナジードリンクなどは間隔を空けずに飲むことを控え、カフェイン摂取後にめまいや動悸などの体に異変を感じたら、新たなカフェイン摂取は避けましょう。

カフェインを中和させる薬剤はありませんから、カフェインを含まない水分をしっかりと摂り、体を休息させることが大切です。

ただし幻聴や幻覚、意識レベルの低下などの症状は重度のカフェイン中毒症状ですので、こういった症状が出現した場合は速やかに病院を受診しましょう。

カフェインと美味しく上手にお付き合いする方法

カフェインと美味しく上手にお付き合いする方法

カフェインは、抗酸化作用をもつことから、がん予防になると言われています。

また、代謝促進作用を持つためダイエット効果も注目されています。

しかし様々な食品に含まれているため、無意識のうちに1日の摂取基準を超えている人も多いのです。

最近ではカフェインを含む食品からカフェインを除去した「デカフェ」やカフェインがゼロではなく少し含まれている「カフェインレス」、カフェインが全く含まれていない「カフェインフリー」や「ノンカフェイン」といった商品も増えてきました。

しかし、実際の商品にはカフェイン含有量がはっきり明記されていないものも多いのも現状です。

自分が口にする食べ物にどんなものがどのくらい含まれているのか、まずは意識することが大切です。

この記事を書いた専門家

まい/助産師

大学病院、総合病院、助産院と幅広い現場で助産師として従事。

妊娠期の指導から産後ケアまで、多くの妊産婦と赤ちゃんのサポートを行う。