※本サイトにはプロモーションが含まれています。

【プロ執筆】むくみを撃退!原因から見る効果的な解消法

立ち仕事にデスクワーク、生理前…ただでさえむくみやすい女性の体。

悲しいことに加齢もむくみに関わっているのです。

さらに秋冬のシーズンは寒くなり、益々むくみのハイリスクシーズン到来です。

むくみについて正しく知って、辛いむくみを撃退しましょう!

そもそも「むくみ」ってなんだろう?

そもそも「むくみ」ってなんだろう?

人間の体の60%は水分でできています。

そのうちの2/3は細胞内液、1/3が細胞外液と呼ばれています。

体液の種類はたらき
細胞内液細胞の中にある水分です。
細胞の周りにある膜を通して、各細胞の働きや再生に必要な成分を物質交換しています。
細胞外液細胞外液の1/4が血液です。残りの3/4が「細胞間質液」と呼ばれるものです。
細胞間質液は細胞と細胞の間にある水分のことを言います。

これが「むくみ」の正体だ!

「むくみって細胞が水を沢山含んだ状態じゃないの?」と思っているあなた。

実は、この細胞間質液の増加こそが「むくみ」の正体なのです。

「むくみ」は細胞自体ではなく、細胞と細胞の間に水が多く溜まった状態です。

これを知るだけで、むくみの解消方法や予防法の考え方も違ってきます。

むくみ撃退の鍵!体内循環について知ろう!

むくみ撃退の鍵!体内循環について知ろう!

「むくみ」の正体がわかったところで、もう少しカラダのメカニズムについて知ってみましょう。

よく、「循環が悪いとむくみが生じる」と言いますよね。むくみの撃退には、この循環が大きな鍵となります。

私たちの体の循環は大きく、血管系とリンパ系の2つに分けられます。

血管系

心臓から全身に血液を送り出して循環させ、再び心臓に戻します。

体には37兆個(諸説あり)もの細胞があり、これらの細胞を機能、再生させるためには1日に20リットルもの体液が毛細血管と細胞間質へ行き来する必要があると言われています。

このうち80〜90%は再び毛細血管へ戻り、静脈から心臓に戻りますが、残りの10〜20%のタンパク成分は1度リンパ管に入ってから静脈に戻ります。

これが何らかの原因で、細胞と細胞の間に留まると「むくみ」が生じているのです。

リンパ系

「むくみに対するリンパマッサージ」などという言葉は良く耳にしますよね。

リンパ系とは、血管と同様に全身にくまなく張っているリンパ管やリンパ節の中をリンパ液が流れ、体内に入った異物や細菌、老廃物を取り除く働きをする組織のことです。

血液は心臓のポンプ機能によって全身に流れますが、リンパは呼吸や筋肉の動きなどで流れます。

ですから筋肉が少なかったり、運動量が足りなかったり、冷えて循環が悪くなったりするとリンパ液が滞ってしまうのです。

リンパ液が滞ると老廃物が蓄積し、体液が回収されず、細胞と細胞の間に溜まり「むくみ」を引き起こします。

「むくみ」もイロイロ!あなたのむくみは?

むくみは大きく分けて、「生理的なむくみ」と「病的なむくみ」の2つに分けられます。

生理的なむくみ

生理的なむくみ

生理的なむくみは日常生活でのひと工夫や体質改善で症状がよくなることがほとんどですが、症状が悪化したりそのほかの症状を伴ったりする場合は、病気が隠れている場合もあるため、医療機関の受診をオススメします。

夕方のむくみ、立ち仕事の後のむくみなど

重力に従って、夕方から夜にかけて足の静脈や毛細血管には血液がたまりやすくなります。

特に立ち仕事や同じ姿勢での作業は、第2の心臓と言われるふくらはぎの筋肉が使われず、上手に下半身の血液をポンプアップできません。

通常は心臓に戻るはずの静脈に血液がたまり、いわば渋滞のような状況になり静脈の血圧が上がります。

静脈の血圧が上がると、血管の中から細胞間質に向かって水分が押し出されてむくみとなります。

多くの場合、体を横にして寝ることにより再び血液が心臓に戻りやすくなるため、翌朝には足のむくみは解消します。

塩分を摂りすぎた後のむくみ

すべての細胞は細胞膜という膜に包まれていますが、この膜には水分の出入り口があります。

この出入り口からは、ナトリウムやカリウムなどの電解質も出入りをします。

普段はナトリウムとカリウムがお互いに調整しあい、細胞内外の電解質の濃度を均一に保とうとしているのです。

つまり、塩分(ナトリウム)をたくさん摂ると、細胞はナトリウムを細胞外に出そうとします。

水とナトリウムは一緒に動くため、細胞内の水分が細胞間質に出されます。

飲み会の締めにラーメンを食べた翌日に顔や手がむくむのはこのためです。

飲酒後のむくみ

お酒で水分を摂っているように思えますが、アルコールには利尿作用があるため、実は飲めば飲むほど体は脱水状態になります。

酔っ払った状態は水分調節の機能を低下させ、脱水状態になった体の水分を補おうと体内に水分を溜め込もうとします。

またアルコールにより血管が拡張し、血液中の水分は血管外へ出ようとすることで、むくみが起こっているのです。

更にお酒と一緒に食べるメニューは塩辛いものが多く、前述の「塩分を取りすぎた後のむくみ」にも繋がるのです。

生理前や妊娠中、産後のむくみ

月経前や妊娠中にむくむのは「プロゲステロン(黄体ホルモン)」というホルモンの影響です。

プロゲステロンは、体内に水分を溜め込む作用を持っています。

特に妊娠中は、出産時の出血に備えて体内の血液を増やす必要があります。

更に、妊娠中は大きくなった子宮により、下半身からの血液の戻りが悪くなりむくみます。

産後には、出産によって喪失した大量の体内の水分を補うため、必要以上に水分を溜め込み、また授乳によっても水分を奪われるため、水分バランスが崩れてむくみを起こします。

また疲れや寝不足、出産や長時間の抱っこなどによる骨盤の歪み、ゆっくりお風呂に入れないことによる冷えなどからも、むくみが生じます。

病的なむくみ

病的なむくみ

病気によって特徴的なむくみが起きることもありますが、むくみを起こす病気はたくさんあり、むくみだけで原因の病気を突き止めることは困難です。

このため、病気に伴うほかの症状がないかどうかの診断が大切です。

体の不調に伴ってむくみが起きている場合は、自己判断をせずに病院へ行き、医師の診断を受けましょう。

心不全

心臓の機能が落ちると全身に血液を送れず、また血液を再び心臓に戻すこともできません。

このため両足に集中してむくみが生じます。

また心不全の場合はむくみだけではなく、肺で交換された酸素も十分に全身に行き渡らないため、息切れや呼吸困難なども併発して起こります。

腎疾患

ナトリウムを排泄する機能を持つ腎臓の機能が低下すると、むくみが生じます。

またネフローゼ症候群という病気などでは、尿中にタンパク質がたくさん出ることにより、むくみを起こします。

ネフローゼ症候群では、足ではなく目の周りなど顔面がむくむのが特徴です。

肝疾患

肝硬変などで肝臓に血液が入りづらくなると、血液中の成分が血管の外へ染み出します。

また、肝臓は血液中を流れるタンパク質を作っているため、血液中のタンパク質成分が減少することにより、より血管の外へ水分が漏れ出しやすくなります。

肝臓の病気によるむくみは手足だけでなく、腹水を伴います。

内分泌疾患

むくみを生じる内分泌疾患で最も多いのが「甲状腺疾患」です。

甲状腺機能が亢進するバセドウ病では体の糖や脂肪、タンパク質が過剰に燃焼され血液中のタンパク質が減少することで、血管外に水分が出ていきやすくなりむくみとなります。

私たちの体の細胞の周りは「ムコ多糖」と呼ばれる弾力性のある成分が細胞を水々しく保つ働きをしています。

ムコ多糖の代表的な成分は「ヒアルロン酸」です。

甲状腺疾患によるむくみの場合、この「ムコ多糖」が足のスネの皮下にたくさん溜まる非圧痕性浮腫(粘液水腫)を引き起こします。

非圧痕性浮腫は名前の通り、むくんだ部分を指で押しても跡が残らないのが特徴です。

下肢静脈瘤・深部静脈血栓症

足の静脈には逆流防止弁がついていて、基本的には心臓の方向に向かってしか流れません。

しかし長時間の立ち仕事や、妊娠で大きくなった子宮に血液の戻りが邪魔をされると弁の機能が低下し、足の血流が逆流します。

これにより血管の中の圧が高まり、静脈に瘤ができる「下肢静脈瘤」が起こります。

また、エコノミー症候群でお馴染みの深部静脈血栓症も、静脈の血流が滞ることで血が固まりやすくなり血栓ができて血管を塞いでしまいます。

深部静脈血栓症で一番怖いのは、足でできた血栓が肺に飛んで起こる肺塞栓症ですが、下肢静脈瘤も深部静脈血栓症も、血流が滞ることにより水分が血管外へ漏れ出しむくみを生じます。

リンパ浮腫

子宮がんや卵巣がんの手術でリンパ節を取り除く手術をした場合、リンパ管の流れが悪くなり、リンパ浮腫を起こします。

リンパ浮腫では、血液ではなくリンパ液が貯まるため、リンパ節をとった側に全体的に膨らんだような白いむくみとなって現れます。

特発性浮腫

20代〜50代の女性に多いと言われているのが特発性浮腫です。

特発性とは「原因不明」という意味です。

主な症状として、足や顔面、手に慢性的なむくみがあり、朝と夜の体重が数キロ単位で増加します。

頭痛や倦怠感を伴ったり、天気や態勢の変化に反応して悪くなったりします。

これらの背景には月経周期によるホルモンバランスの変動や、食事制限、利尿剤・下剤の乱用による血液成分の変化があるとも言われています。

むくみの相談を受けるときに、「むくむので水分を制限している」とか「利尿剤を使用している」と話される方がいますが、これは全くの解決にはなりません。

むしろ逆効果です。

特に利尿剤の使用は、最初は症状が改善されたように思いますが、持続的に使うことにより体はより水分を溜めて補おうとするため、症状は悪化します。

病的なむくみの治療として内服薬を使用することはありますが、きちんと医師の処方を受けて使用するようにしましょう。

「むくみ」とバイバイ!辛いむくみの解消法

「むくみの解消法」と検索すると「下肢挙上(足を上に上げる)」とか「着圧ソックス」などというキーワードがヒットします。

しかし闇雲に足を上に上げたり、とりあえず着圧ソックスを履いても、足を上げ過ぎたりソックスがきつ過ぎたりしては血流が阻害されて逆効果なのです。

では、どんな解消法が有効なのでしょうか?

足の筋肉をつけよう

足の筋肉をつけよう

「アスリートはむくまない」と言われています。

これは第2の心臓と言われる足の筋肉が十分に発達し、きちんと血液を心臓に送り返すことができるからです。

足の筋肉をつける、というとウォーキングやランニングなどを想像される方も多いかもしれません。

もちろん、これらも長期的に見れば効果的な方法です。

しかし大切なのは「毎日無理なくできる範囲で長く続けること」なのです。

ここで2つ、日常生活の中でできそうな下半身トレーニングをご紹介します。

かかと上げ運動

立ったまま、肩幅くらいに足を開いて、かかとを上げたり降ろしたりします。

これなら料理をしながら、信号を待ちながら、もしくは電車に乗りながらふくらはぎの筋肉を鍛えることができます。

空中自転車こぎ運動

寝たまま足を上げて自転車をこぐ要領で足をぐるぐる回します。

これにより下半身の大きな筋肉が動き、鍛えられると同時に、重力で血流を心臓に戻してあげることができるため、オススメです。

この他にも下半身を鍛えるトレーニングはたくさんあります。

これなら毎日できる!という方法を1つ見つけて、まずは毎日続けましょう。

温まって循環を良くしよう

温まって循環を良くしよう

冷えて循環が悪くなると血流が滞り、今までお話ししてきたようなメカニズムでむくみが起こります。

むくみの予防や解決方法で一番大切なのは、血流を良くして下半身の血液を心臓に返してあげることです。

効果的なのは37度〜40度程度のお湯に浸かる半身浴です。

胸までお湯に浸かると心臓を含め全身に水圧がかかり、心臓に負担がかかる上、血流が戻りにくくなります。

下半身のむくみが気になる場合は、腰の高さまでのお湯にじっくりと浸かりましょう。

お家でのデスクワーク中なら、足湯もオススメですよ。

ひたいにじんわりと汗をかくくらいまでしっかりと温まりましょう。

骨盤の歪みを直してむくみを解消!

骨盤の歪みを直してむくみを解消!

骨盤の歪みは循環不良に直結します。

体の要と書いて腰と読むくらいですから、骨盤を整えることは循環を整える第1歩です。

逆に、骨盤が歪んだまま他の症状を改善しようとしても、なかなk良くなりません。

特に女性はハイヒールを履いたり、また妊娠や出産をしたりすることで骨盤が歪み、正常な循環が阻害されやすいのです。

適度な運動に加え、柔軟体操や整体などで骨盤周りのメンテナンスをすることも大切です。

むくみ改善に漢方が有効?

むくみ改善に漢方が有効?

産後のむくみに柴苓湯、しびれや痛みを伴うむくみなどに牛車腎気丸などの漢方を処方することがありますが、漢方に関しては今ある症状のみで判断して内服するものではありません。

漢方薬は、それぞれの体質や体の状況に合わせて処方されるものです。

ただし、きちんと自分の体にあった漢方薬に巡り会えれば、体が健康な状態に向かうための大きな助けになります。

漢方を試してみたい方は、専門医にきちんと相談をし、処方されたものを内服しましょう。

お酒のつまみをちょっとひと工夫!

お酒のつまみをちょっとひと工夫!

お酒を飲むとついつい多くとりがちなのが塩分です。

このため、塩分を控えることはもちろんですが、カリウムを含む食品を積極的に摂ることも大切です。

カリウムはナトリウム(=塩分)とバランスを取り合って体の中の水分を調節します。

利尿作用があるため、摂り過ぎた水分を排泄してくれる役割もあります。

心臓や腎臓に持病のある方は摂り過ぎに注意が必要ですが、ザーサイ、大豆、ホウレン草、銀杏、アボガド、胡瓜のぬか漬け、大和芋、モロヘイヤなどカリウムを多く含むおつまみをお酒のあてにしてはいかがでしょうか。

カリウムは加工すると失われやすい性質があるため、果物などで摂ることもオススメですよ。

自分の体質とライフスタイルに合わせた予防法を見つけよう!

自分の体質とライフスタイルに合わせた予防法を見つけよう!

自分がむくみやすいからと言って悲観する必要はありません。

大切なのは、自分の体とライフスタイルと向き合うことです。

もちろん過信は禁物ですし、「ただのむくみ」と蔑ろにしてはいけません。

むくみも、体がくれた1つのサインなのです。

正しい知識と予防法を身につけて、むくみやすい寒い季節を快適に乗り越えましょう!

まい/助産師

大学病院、総合病院、助産院と幅広い現場で助産師として従事。
妊娠期の指導から産後ケアまで、多くの妊産婦と赤ちゃんのサポートを行う。