ジェネリック医薬品は本当に良い?メリット・デメリットを比較!

「あなたの選択、ジェネリック」などと、CMでもよく耳にする「ジェネリック医薬品」ですが、どういう薬なのかを理解している人はまだまだ少ないのではないでしょうか。

今回は後発医薬品、いわゆるジェネリック医薬品のメリットとデメリットを比較します。



ジェネリック医薬品の言葉をよく耳にするワケとは!?

ここ数年、「ジェネリック」という言葉を製薬会社のCMでよく耳にするようになりました。そこで、まずは「ジェネリック医薬品(ジェネリック)」の位置づけと、よく聞かれるようになった背景について調べました。

ジェネリック医薬品はどこで入手できるの?

私たちの暮らしには欠かかせない「お薬」ですが、大きく分けて「一般医薬品」と「医療用医薬品」の2種類が存在します。

一般医薬品とは、身近な薬局やドラッグストアで処方箋がなくても購入できる薬のことです。

ドラッグストアでは目薬や湿布薬、総合風邪薬、胃腸薬など様々な一般医薬品が販売されています。

一方、医療用医薬品とは、病院やクリニックなどで医師の診察を受けた際にもらえる「処方箋」がないと購入できない薬のことで、先発医薬品(新薬)と後発医薬品(ジェネリック医薬品)に分けられます。

ジェネリック医薬品は、医師に処方箋を出してもらえると入手できるのです。

「ジェネリック」をよく耳にするのは厚生労働省が推進しているから!

ジェネリック医薬品は、新薬よりも比較的安く購入できます。

ジェネリック医薬品が普及することは、患者にとっては医療費の負担軽減になりますが、国にとっては医療保険の財政改善につながるため、厚生労働省は、ジェネリック医薬品の使用率アップを強く推し進めているのです。

ジェネリック医薬品に関するここ数年の国の動き

  • 平成25年4月:厚生労働省は「ジェネリック医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」策定
  • 平成27年6月:「ジェネリックの使用割合をH29年度で目標70%以上とし、H30年度末~H32年度末までのなるべく早い時期に80%以上に」と、閣議決定
  • 平成29年6月:「平成32年9月までに、ジェネリック使用割合を80%」と、閣議決定

こうした流れを受けて、平成26年には52%だったジェネリックの使用割合は、平成29年9月の時点で65.8%にまで高まってきています。

ジェネリック医薬品安いのはなぜ?品質は大丈夫?

ジェネリック医薬品安いのはなぜ?品質は大丈夫?

なぜジェネリック医薬品は新薬に比べて安く手に入るのでしょう、安くても品質には問題はないのでしょうか。

それでは、ジェネリック医薬品の特徴についてもう少し詳しく掘り下げていきます。

ジェネリック医薬品が安いワケとは!?

そもそも薬というものは、ある製薬会社が開発して特許を取った場合、「二十数年間はその会社しかその薬を販売できない」というきまりになっています。

しかし、特許の期限が過ぎてしまえば、別の会社がその薬と同じ有効成分を使った薬を製造、販売しても良いことになっており、その「後から他社が開発した薬」が「ジェネリック医薬品(=後発医薬品)」なのです。

新薬の値段には膨大な開発費用が含まれるため、どうしても値段は高くなりますが、ジェネリック医薬品は開発コストが著しく抑えられているため、新薬の半分程度の値段で手に入れることができます

  新薬(先発医薬品) ジェネリック(後発)医薬品
開発期間 約9~17年 約3~5年
開発費用 約300億円以上 約1億円

形状や味が違っても、品質は新薬と変わらないので安心!

ジェネリック医薬品は、新薬と同じ有効成分を同じ分量含んでおり、厳しい検査をくぐり抜けて新薬と同等の効果があることを承認されて販売されているため、品質はしっかり保証されています。

しかし、100%新薬と同じ薬剤なかと言うと、実はそうではありません。

一つの薬には様々な特許が重なっており、有効成分の特許が切れていても形状や添加物の特許が切れていない場合があるので、「形状」や「色」、「味」、「添加物」に関しては新薬と違っても良いことになっているのです。

見た目が新薬と異なるジェネリック医薬品に対する先入観から「なんとなく効きめが違う」と感じる(プラセボ効果という)ケースもありますが、明らかに新薬との差を感じた事例があれば、「ジェネリック医薬品品質情報検討会」が科学的に検証し、問題がないことを立証していくので心配ありません。

また、その検討結果は、毎回ホームページ上でも公開されているので安心です。

ジェネリック医薬品のメリット&デメリットのまとめ!

ジェネリック医薬品のメリット&デメリットのまとめ!

最後に、ジェネリック医薬品のメリットとデメリットについてまとめておきます。

ジェネリック医薬品の両面を理解した上で、自分がベストだと思える選択をしましょう。

ジェネリックの最大メリット、家計に優しいこと!

ジェネリック医薬品のメリットは、なんといっても安価に入手できることです。

ジェネリックの価格は、新薬の約2~5割に設定されています。

例えば、糖尿病患者のAさんの場合、代表的な薬(1日3回×1年分)をジェネリックに変えることで年間約8,600円お得に、高血圧症のBさんの場合は、1日1回×1年分の新薬をジェネリックにすることで約6,500円お得になるようです。

ジェネリック医薬品が普及することは国の医療費削減にもつながる!

日本は、国民保険制度によって一部の自己負担だけで医療サービスが受けられるため、世界最長の平均寿命を誇って来ました。

しかし、現在の日本は高齢化が急速に進んでおり、国民に掛かる医療費や薬剤費は年々増加、平成27年度の医療費は約42兆円、薬剤費用は約8兆円にまで膨らんでいます。

厚生労働省によると、ジェネリック医薬品の使用率が80%まで到達すれば、医療費は今より約1.3兆円削減されるそうです。

8兆円のうちの1.3兆円というと少なく感じるかもしれませんが、国民の医療保険制度を現在の高いレベルで維持していくためには、少しでも医療費を節約していくことが重要になります。

ジェネリック医薬品の以前のデメリットはほぼ解消されている!

ジェネリック医薬品が出回り始めた頃は、以下のようなデメリットが報告されていました。

  • 発注から納品までに時間がかかることがある。
  • 使用法については「先発医薬品メーカーに聞いてほしい」などと、情報が先発メーカー頼みである。
  • メーカーによる頻繁な訪問や情報提供がないことで、患者への説明不足や不安がある
  • 一部のジェネリック医薬品は、溶出性や血中濃度などが新薬と違っているのではないか。

しかし、現在ではジェネリック医薬品の知名度が上がってきており、その有効性は徹底的に検査した上で市場に出ていることが理解されるようになってきました。

また、インターネットを活用すれば医薬品医療機器総合機構のホーページなどからジェネリック医薬品の最新情報を簡単に調べることができますし、医療機関同士でも常にジェネリック医薬品に関する最新情報を共有しているため、上記のようなデメリットはほぼ解消されていると言えます。

ジェネリック医薬品は新薬開発を妨げる!?

唯一、ジェネリック医薬品のデメリットが挙げるとすると、それは先発医薬品メーカーが新薬開発に力を入れにくくなるという点です。

多くの人がジェネリック医薬品を選ぶ一方で、高額な先発医薬品が売れなくなってしまうと、先発医薬品メーカーが今後の新薬開発の費用を回収できなくなる恐れが出てきます。

新薬の開発には膨大な時間と費用がかかりますが、開発することができれば今まで不治の病と言われていた病気にも希望の光を当てることができ、治療期間の短縮や予防にも役立つので、長期的に見れば医療費削減につながるのではないでしょうか。

目先の利益だけで安易にジェネリック医薬品を選択することについては、もう少し議論が必要なのかもしれません。

こうしたジェネリック医薬品の性質をあらゆる角度から理解した上で、患者さんがベストと思える選択ができるようになると良いと思います。